規制があっても守られなければ意味がない話

せっかく法規制を作っても、それが正しく守られていなければ意味が無いですよね?

韓国では先月から8000万ウォン以上の法人車には黄緑色のナンバープレートが義務化されました。法人車として会社経費で購入されたものと、私用車とを見分けられるように。
昨年12月には輸入車のうち法人車として登録された車両は1万2670台でしたが、先月には4876台と約1/3に減少していました。黄緑ナンバーを避けてのものだと思われます。

ところで、黄緑ナンバーの義務には「8000万ウォン以上」と価格制限が付いているため、逆に言えば「8000万ウォン未満」であれば、例え法人車であっても普通の白いナンバープレートでOKということになります。

もうお察しかもしれませんが、黄緑ナンバーを避けるため一部で「割引販売」が確認されているそうです。

 



朝鮮Bizの記事からです。記事原文には一部「연두색 번화판(黄緑色の繁華板?)」という表記があるのですが、恐らく「연두색 번호판(黄緑色の番号板=ナンバープレート)」の誤字だと思われるため、そのつもりで訳しています。

「法人車の黄緑ナンバープレートを避けてください」...輸入車小細工割引


輸入車業界で8000万ウォン以上の輸入法人車に付けられる黄緑色のナンバープレートを回避するための小細工割引販売が行われている。黄緑色のナンバープレートの装着基準が取得価格であるため、取得価格を8000万ウォン以下に若干下げることになる。国内で人気の高い輸入車は、販売価格が8000万ウォン前後の場合が多く、一部のメーカーはこのような方法で黄緑色のナンバープレートを避けている。

(中略)

例えば、8200万ウォンの自動車は法人で購入すると黄緑色のナンバープレートを取り付けなければならないが、400万ウォンの割引を受け、実際の購入価格が7800万ウォンに下がれば白いナンバープレートを付けることになる。

このような割引はBMW5シリーズ、メルセデスベンツEクラスなど、人気の高い車種でよく行われる。5シリーズのうち8000万ウォン以上のモデルは530iで、昨年販売された7103台のうち31.1%(2212台)が法人購入であった。Eクラスのうち8000万ウォン以上のモデルであるE220dは46.2%、E350 4マチックは39%が法人車だった。

(中略)

主務省庁の国土部は現在の状況を注視している。国土交通部の関係者は「割引販売は制度導入の趣旨を薄める余地がある」とし、「市場を綿密に調べた後、(黄緑色のナンバープレートが)漏れる車の数が多いと判断された場合、制度を改善する方針」と述べた。

(後略)



朝鮮Biz「“법인차, 연두색 번호판 피하세요”… 수입車 꼼수 할인(「法人車の黄緑ナンバープレートを避けてください」...輸入車小細工割引)」より一部抜粋

「制度導入の趣旨」って、そもそも何でしょうね?
上段で「法人車として会社経費で購入されたものと、私用車とを見分けられるように」と前述しましたけれども、それは何のために必要なんでしょうか?
法人車を私用目的で使ってはいけないからではないんでしょうか?
それなら、法人車と私用車を「目で見て」見分けられるようにしたところで「何の意味もないよね」と思ってしまうのは私だけでしょうか?

逆効果な側面もあります。
法人車を黄緑色ナンバーで視認できるようにしちゃうと「ちょっといい車をリースで借りる」ということが難しくなります。リース業者は法人名義で車両を購入するため、高価格帯の車両が全て黄緑ナンバーになってしまうからです。デート目的だったら台無しですよね。

「晒しモノにして抑止効果を狙う」という最初の発想からして、本来得たい効果(私用での法人車使用の規制)に対して方向性が間違っていたような気がします。