低所得層向け賃貸マンション「所得に見合わない高級車両の駐車を禁止する」という話

韓国土地住宅公社LH)が無住宅低所得層向けに供給している賃貸住宅には、入居条件として所得制限があります。日本の公営団地と似たような感覚です。

最近、その低所得層向けのマンションの駐車場で「所得に見合わない高級車」の駐車を禁止すると公示されたそうです。具体的な金額まで明示されていて、それによると「3683万ウォン(約400万円)」を超えたらアウトだそうです。
LHが入居条件にしている所得水準は世帯一人当たりの月収が301万8496ウォン(約32万円)だそうです。日本の公営住宅の場合、月収20万円以下の世帯(単身NG)と言われています。約1.6掛け。参考までに、日本で新車価格600~700万(400万×1.6=640)の車種を検索したところ、こんなんが出ました。世帯月収20万円の自家用車と言われると、確かに違和感を感じなくはない…かもしれません。が、目くじらを立てるほどか?と言うと何とも言えません。

ただ、韓国でこんな制限が公示されたということは、実際にはもっと高額な車種が駐車されているということです。記事に添付されている駐車場の写真にはBMW 6GTと思われる車両が写っています。新車価格で800万、オプションによっては1200万を超える車種です。確かにこれはやり過ぎ感があります。

 



ソウル新聞の記事からです。

「3683万ウォン超えたら駐車禁止」...LH賃貸マンション公示「甲論乙駁」


(前略)

8日からLHのとある国民賃貸住宅の駐車場に貼られたと見られる案内文には「賃貸住宅内の高級車両駐車問題で持続的に苦情と問題提起がなされており、LH高級車両の登録および駐車方針が実施される」とし「私たちのマンションに登録された高級車両の全数調査を実施する」と書かれている。

LHのホームページに掲載された専用60㎡以下の賃貸マンション(2023年度)の資格基準によると、所得は「前値度都市勤労者世帯当たり月平均所得の70%(1人基準、301万8496ウォン)以下」、自動車は「世帯が保有しているすべての車両の合算価格3683万ウォン以下」と規定されている。

管理者側は該当基準に従ってマンション内の車両全数調査を実施した後、車両価格3683万ウォン以上の自動車の駐車を禁止すると明らかにした。

(中略)

書き込みを見たネットユーザーは「あれくらいなら可愛げがある。私たちの街はレンジローバーからベンツ、ポルシェもある」、「恩恵を受けなければならない人々は受けられず、ずるい人たちが得をするのが正常なのか」という批判を浴びせた。

一方、別のネットユーザーは「レンタカーは自身の所有ではないので所得水準からも除外される」、「(事情により)法人名義の車もあるはずなのに無条件に不法だ小細工だと非難するのは性急だ」という指摘も出した。



ソウル新聞「“3683만원 넘으면 주차 금지”…LH 임대아파트 공지 ‘갑론을박’(「3683万ウォン超えたら駐車禁止」...LH賃貸マンション公示「甲論乙駁」)」より一部抜粋

1000万円近い車両は確かにやり過ぎと感じますけど、低所得層向けのマンションにまで高級車が当たり前のように停まっている実状も塾の送り迎えに「高級車が要るから」なのかもしれませんね。