昨年、韓国人の1人当たりブランド消費額は世界1位(325ドル)でした。
当時の分析ではこの理由を「1.不動産価格の高騰」「2.コロナによる渡航制限」の2つの代替消費と見ていました。
つまり、高騰する不動産価格により住宅購入を「諦めた」庶民層・若者層が代替消費として余裕資金をブランド品消費にあてている、または渡航制限により海外旅行に行けない分、浮いた費用をブランド消費に回している、という見方です。
よって、これらが落ち着けばブランド品好況は終わるのではないかと言われていました。
しかし、予想に反して今年のブランド品(主にバッグ)の輸入額は7月時点で昨年より27%増えていることが分かりました。このままのペースだと昨年を上回る見込みです。
ヘラルド経済の記事からです。
「名品中毒」、大韓民国...4年間でブランドバッグが3.5倍急増
(前略)
9日、ヤン・ギョンスク共に民主党議員が関税庁から受け取った資料によると、物品申告価格が200万ウォンを超える効果バッグの輸入額は2018年の2211億ウォンから昨年は7918億ウォンへと4年間で258.1%増加した。
関税庁は輸入申告の際、「ブランドバッグ」を個別の品目に分類しないため個別消費税法上の課税対象である「200万ウォン超過高級バッグ」の輸入額を代わりに集計した。
高級バッグ輸入額の前年対比増加率は、2018年には17.1水準だったが、2019年に33.8%、2020年に33.0%、2021年に44.9%、昨年は38.9%などに跳ね上がった。
年度別輸入額は2019年に2958億ウォン、2020年に3936億ウォン、2021年に5701億ウォン、昨年は7918億ウォンだ。
輸入件数で見ても、2018年の9716件から2019年は1万5436件、2020年は2万1349件、2021年は3万1569件、2022年は3万7831件で4年ぶりで289.4%増加した。
コロナ19の期間、海外旅行などが制限された状況で抑圧された消費欲求、補償心理、蓄積された消費余力などがブランド品消費に噴出した側面があるものと分析される。
(中略)
ブランドバッグの消費はエンデミック以後も減少の兆しを見せていない。
今年1~7月の高級バッグ輸入額は5727億ウォンで、昨年同期(4511億ウォン)より27.0%増えた。前年(38.6%)ほどではないが依然として高い。
このままでは今年の年間輸入額は昨年規模(7918億ウォン)を上回る可能性が高い。
(後略)
ヘラルド経済「‘명품 중독’ 대한민국…4년새 명품가방 3.5배 급증(「名品中毒」、大韓民国...4年間でブランドバッグが3.5倍急増)」より一部抜粋
個人的には代替消費だったとの見方自体に懐疑的です。
たまたまタイムリーに読んだ別の記事で、婚活サイトを通じて知り合った女性との付き合いについて40代男性がネットに投稿したお悩み相談の話がありました。
相手の女性とはすごく気が合って再婚まで考えているそうなのですが、つい最近、相手の女性が誕生日プレゼントとして日本円で約60万円のブランドバッグをおねだりしてきた、というのです。
わざわざ現物写真まで送って来たのですが、その写真は女性の友達が「彼氏からプレゼントされた」と女性に送って来たものだったそうです。
女性は「私もこんな風に自慢したい」から誕生日にプレゼントして欲しいと言ってきたそうで...男性はとても戸惑っている様子でした。
私はこの女性の「自慢したい」心理こそがブランド消費を押し上げている要因だろうと思います。別にそれが悪いと言っているわけではありません。所有欲を満たすというのは大事なことです。ある程度までなら。
しかし、それはあくまで身の丈に合った...あるいは、ちょっとだけ背伸びした消費の場合だろうと思います。