「働く女は、結局中身、オスである」?うん、働き方や目指す所によってはオスにならざるを得ないよねって話

女性雑誌『Domani』さんの広告が物議を醸しているそうですね。
「働く女は、結局中身、オスである」というものらしいんですが、個人的には「いや、そうだよね」と思える部分があります、言い方は別として。




そもそも会社組織って男性的ですやん

脳の構造による違い

男性脳」「女性脳」という言い方をする場合があります。
これを「男性的なものの考え方をすること」「女性的なものの考え方をすること」と勘違いをして「性差別的だ」とお怒りになる方がたまにいらっしゃいますが、そういうことではなく物理的に構造が違うのです。


人間の脳は右半球、左半球に分かれており真ん中が脳梁で繋がっています。
この脳梁の大きさが女性と男性では異なり、脳の使い方にも影響すると言われています。


脳を撮影してみると女性の方が脳梁が大きく、左右の脳を連携して使うマルチタスク作業が得意とされます。

「女の勘」というのは「直感を司る右脳」と「論理を司る左脳」を連携して使うことで発揮される能力の代表です。

一方の男性は、左右の脳を連携して使うことは女性に比べると得手とは言えませんが、それぞれの脳を独立して使うことができるため一つの作業に集中するのが得意です。
論理的な判断が必要な場面で感情によるノイズを受けず冷徹に対処できるというような感じですね。


どちらが優れている、劣っているという話ではなくて物理的に構造が異なるために生じる差です。


「女性脳」は男性の15% が、「男性脳」は女性の10% が持っているとも言います。
この脳の構造の違いにはテストステロンというホルモンが影響しています。


テストステロンは競争思考の源

テストステロン…いわゆる男性ホルモンというヤツです。「男性」と付いていますが、女性にも少量分泌されます。(男性の10%程度の分泌量と言われています)

「男性」ホルモンと呼ばれるのは、男性の方が分泌量が多いことと、骨格の発達や筋肉肥大のような、一般的に「男性的」と言われる要素を形作るために影響するからですね。

この中には「闘争本能」というものも含まれます。相手を倒して自分が勝ち残る、という競争思考です。


最初にテストステロンが多量に分泌されるのは母親の胎内に居る時です。
妊娠6週目までの胎児に性差はありません。 性差が現れ始めるのは6週目以降、24週目あたりまでにテストステロンの大量分泌があるか、ないかです。

この時期にテストステロンが大量に分泌されると、その影響で脳梁が小さくなり「男性脳」になります。
逆にテストステロンの大量の分泌がなければ脳梁は大きいままです。(脳の初期設定は女性脳)

生殖機能に影響するホルモンは別にあるため「身体は男性で心は女性」(またはその逆)は、このときのテストステロンの分泌量が影響しています。


男性脳」「女性脳」簡易チェック

手のひら側から人差し指、薬指の長さを計ると自分が「男性脳」か「女性脳」か簡易チェックすることができます。

薬指の方が長ければ「男性脳」、人差し指の方が長ければ「女性脳」です。

これはテストステロンが薬指の長さに影響すると言われているからです。

※計るときは人差し指は付け根から、薬指は2本あるシワの真ん中からにしてください。
やりにくければ紙の上に手を拡げて指先と基点に印を付けて後から印の距離を定規で計ると簡単です。ちなみに私は同じ長さでした…中性ってことでいいのかしら…?


あくまで簡易チェックです。
繰り返しますがどちらの脳が優れている、などということはありません。
あくまでそうした傾向にあるという程度の話です。

「自分の脳にはそうしたクセがある」と知っていれば、人間関係のトラブルを避ける手助けになるかもしれません。



会社のピラミッド構造は競争思考の縮図

会社組織というのは一般的に役職が上がるほど椅子の数が減ります。

社長や会長の椅子は1つだけで、その1つを奪い合い競争思考の縮図のような形になっています。
※現在では社長以外、全員肩書きなしの平社員という会社もありますが、まだまだ一般的ではありません。


価値観の多様化だ働き方改革だなんだと言っても、結局の所、現在の「会社組織」というものは殆どが「競争」の上に成り立っています。
この「競争」というのはひどく男性的な発想なのですね。

そうした現状から言って「働く女性」の大多数は「男性的な価値観の上で評価される必要がある」というのが現実なわけです。
男性脳」を持っている…つまり「中身、オス」の女性が有利なわけです。


女性管理職を増やせ、という施策にしてもイマイチ効果が出ていないのは 男性脳を持つ10%程度の女性」しか現行の会社組織における管理職の地位を望まないからという根本的な問題があるからだと思うのです。「女性脳」は競争型ではありませんからね。

縦の序列ではなく、横の繋がりを主とした会社組織がもっと増えてくれば状況は大きく変わるのではないでしょうか。

そうなったときに今度は「男性脳」的な競争思考を持つ人たちが働き辛いと感じるようではダメですね。
上手く住み分けができるような社会にするには「違いを認める」ってかなり大事なことだと思います。



問題は言い方

「働く女は、結局中身、オスである」がある種、的を得ていると私が感じる理由は上記で述べてみた通りですが、本質的な部分はともかくとして表現の仕方としてはマズイだろうと感じます。


というのは「オス」という表現ですね、まず人に使う言葉ではないです。
ひどく 「動物的」「本能的」な印象を与えるわけでポジティブな要素はなく、どちらかというと挑発的な表現です。


恐らく、女性蔑視のつもりは無いんだろうと思います。
こうした過激な挑発表現は良くも悪くも注目を集めますから、それも含めての広告なんだろうと思うのですが…しかし品が無いですねぇ。

「Domani」さんは落ち着いた大人の女性をターゲットにしていると思っていたのですが、路線を変更したのでしょうか。

こうした炎上商法は長い目で見るとマイナスにしかならないと思うのですけれども。