「海軍艦艇から3海里(約5.5km)に入った軍用機には射撃管制レーダーを照射する」話

元ネタは読売新聞さんのようですが、中央日報さんの記事で知りました。

今年の1月に韓国の国防部が日本側に「海軍艦艇から3海里(約5.5km)に入った軍用機には射撃管制レーダーを照射する」と通知していたそうです。

一度は「事実無根」と否定していましたが、数時間後に「軍事的措置と基調について話した」とニュアンスを変えて報道しています。
これ、結局は「通知していた」と捉えて良いように感じます。
※リンク先の記事は「否定した」までの報道ですが、その後、国防部が2回目の発表を行い、他メディアで続報が報じられています。


この方針が1月の時点で通告されたのは韓国流の「理論武装」が目的だったのでは、と思います。

日本人は「貝」になるのが得意ですから、じっと口を閉じで我慢することで穏便に収めようとする傾向があります。
それが良い場合もあれば悪い場合もあります。

韓国は逆に、大声で相手の発言を掻き消した側が認められる風潮があります。
「声闘」という朝鮮時代からのやり方だそうです。
黙った方は「負けを認めた」ことになります。

恐らく、この数十年間は両者の方法論が不幸にも噛み合っていたんですね。


そして韓国はやり方を変えていません。
態度を変えたのは、たぶん日本側でしょう。

日本の態度の変化に韓国側が対応できていないからゴタゴタが長引いているわけです。


今回の射撃管制レーダーの照射問題に当てはめると「日本に過失があった」とするために強気な態度を取ったのではないかと思われます。

何が事実かどうかは関係なく、強気な態度に出られない(言い返せない)のは、過失を認めたということになるからです。
「強気な態度に出ること」は、自身の正しさの証左となります。

つまり 「韓国軍のレーダー照射は正しかった。なぜなら今現在、日本側に非を認めるよう強気に対応出来ているからだ」 ということです。

行為と、その正当性の理由付けが完全に逆転しています。
変な感じですが常に現在から過去を理想化しようとする韓国の思考には合致すると思います。


不思議なのは、なぜこのタイミングで報道がなされたのか、です。
よく分かりませんね。


「軍事的措置と基調について話した」とニュアンスを変更したことについては、昨年のレーザー照射に関して、セドリ関与を疑う報道を意識したのかもしれません。

少し前に韓国籍の船舶が北朝鮮とのセドリに関わっていたのを日本の哨戒機が発見していますね。
その際にレーダー照射は起こっていません。

3海里(約5.5km)以内に韓国軍艦艇はいなかったというチンケな不在証明かもしれません。

あわよくば、今回関わっていなかったことをもって、年末のレーダー照射時の疑惑も晴らそう、とか…。

ちょっと自分で言ってても頭悪いなと思うので、もしも万が一にも本気で韓国国防部がそういう思惑で「前言撤回」したのであれば、ちょっとどうかと思います。