産経新聞さんコラム「令和と万葉集 新時代を古典学ぶ契機に」に、古典に親しむことの意義が論じられていました。
新元号「令和」が万葉集出典ということもあり、巷で起こっている万葉集ブームを一過性のものにするのではなく、自国の言語文化を深く理解するための教養の基礎として古典教育を確立すべき、という主張です。
現在の文科省の学習指導要領には「易しい古文や漢詩・漢文について音読や暗唱の重視」が掲げられているのだそうです。
「暗唱」というと、丸暗記の詰め込みを想像するのでネガティブな印象を持っていしまいますが、歌(詩)についてはそれで良いのではないでしょうか。
今でも歌詞は丸暗記して歌いますから、それと同じことだと思えば最も理にかなった方法のように思います。
歌ではありませんが、中学の頃に暗記した「枕草子」の冒頭「春はあけぼの やうやう白くなりゆきやまぎは〜」は、冬まで今でも諳んじられます。
季節ネタは状況をイメージしやすいですから、それも手伝って覚えやすいのかもしれません。
きっとそれは情感を詠む歌や詩にも言えることです。
でも授業で暗唱したのは枕草子だけで、他は一貫して文法の授業だったように記憶しています。
読み取るためには確かに文法は必要ですが、あまりにも全面に押し出されてしまっていて、古文=古文法の授業でした。
歌の情感や物語としての面白い部分が全く伝わってこなくて、今から思うととても残念な教育を受けてきたなぁ、という思いがあります。
幸い、既に社会人である私は「勉強」と言っても肩肘張らずに自分の興味が赴くままにつまみ食いが出来る「いいご身分」であります。
母の蔵書に河出書房さんの「日本文学全集1 古事記・万葉集」があることはず〜っと前から知っていました。
でも読んだことはありませんでした。(古事記に関しては全編現代語訳なので、途中まで読んだことがあります)
万葉集は歌と現代語訳と説明文のみなので、令和の出典となった序文は残念ながら載っていませんし、歌も代表的なものしか載っていません。(万葉集は全部で4516首ありますから、全部載せるのはそもそも無理ですが)
でも十分です。
改元したら1日1首チャレンジをやってみようと思います。