BBCの記事によると、先月17日にインドネシアで行われた選挙の投開票にあたっていた選挙スタッフ550人以上が亡くなったとのこと。
投票所が襲撃されるという事件はよく耳にしますが、今回は違います。
その大半が過労によるストレスが原因とされています。
日本でも過労死は社会問題となっていますが、ちょっと規模が違いすぎて…しかも選挙という公的業務に携わった人たちが犠牲になっているということに驚きです。
インドネシアは1万5000ほどの島々で構成されています。
その8割は無人島ですが、有権者の数は1億9000万人も居ます。
選挙に携わったスタッフは約739万人、うち民間人スタッフは567万人にもなります。
選挙結果は実はまだ出ていません。今月の22日に出る予定です。(民間速報は出ています)
インドネシア選挙管理委員会によると、作業スケジュールは次のようになっています。
- 4/17〜18 : 投票所で集計
- 4/18〜5/4 : 郡で集計
- 4/22〜5/7 : 県、市で再確認
- 4/22〜5/12 : 州の選管が再集計
- 4/25〜5/22 : 中央の選管が最終集計
投票所で集計できる時間はわずか2日しか確保されていません。
17日は投票日当日ですから、開票作業が行えたのは実質1日半程度と思われます。
今回の選挙は大統領選と国会議員選、地方議員選が同時投票になっており、単純計算で6億近い票を手作業で集計したことになります。
間に合わせるために殆どの人たちが24時間作業に当たっていたそうです。
その結果、4月28日までに心不全、脳卒中、呼吸不全などで270人以上が亡くなり、1800人以上が入院したそうです。
死亡者は更にその後増え、550人に拡大しました。
ちなみに、前回2014年の選挙の際には144人が亡くなっているそうです。
なんというか…国民の代表を選ぶ選挙なのに、その国民を大事に出来ないって悲しいですね。
今後、電子投票を導入することで効率化と負担の軽減を進めていく方針だそうです。