300議席中90議席が選挙法違反容疑で捜査中の話

昨日の韓国の選挙は与党の圧勝でした。まあ分かっていたことですし、どちらが勝っても日本の行動原則を変える必要はありませんが…。

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画像は聯合ニュースからのキャプチャです。
青が現与党である共に民主党議席、赤が最大野党の未来統合党の議席です。
野党が多くの議席を取れている地域は慶尚道で、歴史的に右派が強い地盤を持っている地域になります。(韓国の地域間対立は日本とは比べ物にならないほど強い)

ここに比例の傘下政党の議席が加わり、最終的に与党(共に民主党、共に市民党)は180議席を獲得しました。
議席は全部で300です。与党で過半数を取りました…んですけど、300議席の内、90議席の関係者が現在、選挙法違反の容疑で捜査中だそうです。


中央日報の記事からです。

300名のうち90名が選挙法捜査中…21代国会ナイフで狙った検察


21代国会議員に当選した 300名のうち90名が公職選挙法違反の疑いなどで捜査を受けていることが分かった。選挙法上、懲役以上または100万ウォン以上の罰金刑が確定すれば当選無効となる。過去には20代国会議員選挙でこれにより7名が議員職を失った。(中略)

最高検察庁公共捜査部(部長ペ・ヨンウォン検事長)は、総選挙の開票が本格化していた前日夜12時頃、21代国会議員当選者のうち94名を立件し、二重不起訴処分*1とした4名を除く90名を捜査中だと16日に明らかにした。当選者立件の理由は黒色宣伝が62名(66%)と最も多く、金銭授受が5名(5.3%)、世論操作が3名(3.2%)、その他が24名(25.5%)の順であった。

(中略)

今回の総選挙で、これまでに立件された選挙事犯は合計1270名である。1451名立件された20代選挙に比べて12.5%減少した数値だ。これは新型コロナウィルス感染症(コロナ19)の影響でオフライン選挙運動と、候補者と有権者間の対面接触が大きく減少したためと分析される。

中央日報「300명 중 90명이 선거법 수사 중···21대 국회 칼 겨눈 검찰(300名のうち90名が選挙法捜査中…21代国会ナイフで狙った検察)」より一部抜粋


「黒色宣伝」とは、「マタドール」とも言うらしいです。根拠が乏しい、あるいは事実無根の情報で相手を貶める宣伝戦略のことです。要は虚偽情報によるネガティブ・キャンペーンですね。


単純な比較は出来ませんが、参考までにe-Statで公開されている平成26年衆院選の結果から日本の選挙犯罪数をチェックすると、検挙数87件、検挙人数105名となっています。
内訳は買収が57件(72名)、自由妨害が14件(11名)、文書違反が1件(2名)、投票干渉が4件(10名)、詐欺投票等が6件(6名)、投票偽造が1件(1名)、その他4件(3名)です。


*1:厳密に言うと、恐らく重複起訴による不起訴処分。既に同罪で起訴されている可能性あり。