東京2020、トランスジェンダー(女性)選手は本当にフェア?な話

ニュージーランドの重量挙げの選手ローレル・ハバードさんは男性→女性のトランスジェンダーです。
既に東京2020へ代表として出場することが決まっています。

そんなハバードさんですが、男性の頃から国内トップクラスの重量挙げの選手として活躍されたいたそうです。(男性の頃の名前はGavin Hubbard)
2017年に女性に性別を変えてから圧倒的な強さを誇示しています。


男性→女性のトランスジェンダーに「女性」として大会出場権を与えることに、私はかなり否定的です。
例え性適合(転換)手術を受けていたとしても、既に男性として出来上がった肉体を持っていれば女性より有利だろうと考えるからです。
そこには単なる「個人差」では埋められない「性差」があります。
それに彼・彼女たちは「男性でも女性でもない」からこそ「トランスジェンダー」という第3(?)の性を自認するわけですから、「男性選手」でも「女性選手」でも無いはずだからです。


現在、男性→女性のトランスジェンダーに対してIOCが設けている規定は「12ヶ月間、男性ホルモン(テストステロン)のレベルを抑制すること」というものです。
二次成長期にあるならともかく、成長期を男性として過ごしたトランスジェンダーの場合、既に身体的には女性より優位なのでは?というのが素人考えですが、どうなのでしょう。
更に、性転換手術は肉体への負担・リスクが大きいという理由で必須ではありません。
つまりホルモン治療さえ受けていれば男性の肉体のまま「女性」として選手登録が可能になります*1
(ちなみに、女性→男性のトランスジェンダーの場合無条件で男性選手として登録可能です)


オリンピックではありませんが、下の写真は、2018年のマスターズ・トラック(自転車競技)の女子35-44才部門スプリントの表彰式のものです。
この中に、1人男性→女性のトランスジェンダーの方がいます。

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明らかに体格が大きいです。
スプリント競技は身長・体重・筋力のバランスが取れているなら大柄の方が(主にスタミナと瞬発力の面で)有利と言われています。


今年5月には、全米大学選手権(大学総体みたいな大会)の陸上400メートルハードルで男性→女性のトランスジェンダーが2位に1秒以上の差を付けて優勝しました。
去年まで「男性」として同大会に出場し、男子400メートル走では8位という冴えない結果だった人です。
彼女は性適合手術を受けていますが、現役のアスリートなどからも「アンフェア」との抗議があったようです。
抗議に対して大会側は「医学的証拠はない」としたそうですが…本当にそうでしょうか?

問題になるケースは男性→女性のトランスジェンダーのみで、女性→男性のトランスジェンダーに対しては騒がれていないのは、一般的に男性の肉体のほうが身体能力が高い、という認識があるからではないのでしょうか。

トランスジェンダーへの差別撤廃」ではなく、「優遇措置」であり「シスジェンダー*2への不当」と映ってしまっている今の状態を解消する責任はスポーツ大会運営側にあるように思います。


国家ぐるみでドーピングを支援(疑惑)してまでメダルを取りに行こうとする国があるご時世です。
男性としては国家代表枠から外れるものの、そこそこの記録の選手をトランスジェンダーの「女性」として送り出す、なんてことがそのうち堂々と行われるようになるかもしれません。


ジェンダーフリー枠」を設けるなり、医学的根拠による論争の終止符を打つなり、国際大会の実行委員が音頭を取って積極的に動いていただけないものでしょうかねぇ…。


*1:2016年リオ大会より

*2:生まれながらの性別と本人が自覚している性別が一致している人。