北京五輪開会式に中国少数民族の衣装として「韓服」が登場、韓国「公式に講義はしない」という話

昨日、北京冬季五輪の開会式が行われました。私は今回の五輪は視聴予定はありません。
別にボイコットというわけではなく、冬季競技は夏季に比べて興味のある種目があまりないのです。別件でちょっと忙しくしていることもあり、残念ながら視聴に時間が割けません。平日昼間だし。

それはともかく。開会式から早々、敏感な話題がいくつか持ち上がっているようです。
まずは台湾。当初、大会側が準備した入場プラカードは「中国台北」でした。
これを受けて台湾選手団は開会式欠席を表明していましたが、IOCの仲裁で「中華台北」での入場が最終的に認められました。(ちなみにNHKのアナウンサーは昨年の東京五輪同様「台湾」で紹介しています)

次に韓国。開会式セレモニーのパフォーマンスに「中国の少数民族の衣装」として韓服が登場したそうです。民族衣装に身を包んだ人々が共に中国国旗である五星紅旗を掲げ持つシーンです。
韓服(というか朝鮮服?)を中国起源とする「韓服工程」(東北工程の亜種)の一部ではないかとの見方が持ち上がっています。これに対して韓国体育観光部は公式に抗議する意思はないとのことです。

 

 

中央日報の記事からです。

「韓服論難」の質問にファン・ヒ長官「独島問題とは違い」


ファン・ヒ文化体育館胸部長官は4日、浮き彫りに鳴った2022北京オリンピック開幕式での韓服論難に対し遺憾の意を表明した。ファン長官は中国に対して公式に抗議はしない、という意思を明らかにした。強硬な態度を示した昨年の東京オリンピックとは違う立場を示し議論が予想される。

ファン長官は5日、北京オリンピックメディアセンターを訪れ韓国取材陣と会った席で開幕式の韓服論難について質問を受けた。ファン長官は「中国側は朝鮮族少数民族の一つとみなしているが、朝鮮族自治区があるのは事実だが、大韓民国は世界文化の中心地であり世界10位圏の経済大国だ。少数民族に転落するようなことがあれば両国関係にも誤解を招く」と述べた。

4日、北京国立競技場で開かれた北京五輪開幕式では中国内の56の民族代表が中国国旗である五星紅旗を渡すパフォーマンスが披露された。その中には朝鮮族を象徴する韓服を着た女性が含まれている。

(中略)

中国内部でも熱い反応が増えている。台湾出身の中国人歌手、黄安は自身が「微博(中国版ツイッター)」に「開幕式直後に韓国のメディアがなぜ韓国の韓服が中国の少数民族衣装に登場するのかと報じた」とし「高麗○子*1(韓国人を卑下する単語)、なぜそうなのか分からないのか」と表現した。黄安は過去、TWICEの台湾人メンバーであるツウィが青天白日旗(台湾の国旗)を振ったことを問題視した人物だ。

ファン長官は「東京五輪独島問題に比べて消極的」という質問には「領土部分とは違うようだ。揺るぎない部分だ。侵○した国家が謝罪し、配慮すべき相手に痛みを訴える地域で紛争を起こすことは容認できない部分だ」と答えた。

(中略)

黄喜長官は「気分通りに話すことはできない」とし「中国との関係において、さまざまな国益に対する部分も考えなければならない。国民世論や感情も考慮しなければならない困難もある」と述べた。続いて「中国が五輪開幕式を通じて何を知らせようとしているのか理解している。しかし重要な隣国である韓国のことを考え、さらに細心の注意を払ってほしいと思う」と語った。

ファン長官は公式に抗議する意志について「その必要性までは考えていない。ただし両国に誤解の余地がある部分については中国の体育相など政府関係者らと会った席で、国内世論などについて言及する必要があると考えている」と述べた。

(後略)



中央日報「'한복 논란' 질문에 황희 장관 "독도 문제와는 다르다"(「韓服論難」の質問にファン・ヒ長官「独島問題とは違い」)」より一部抜粋

「領土問題とは別問題」としつつも随分トーンが違います。
侵○した国家が謝罪うんぬんについては、竹島に関しては○略したのは韓国側です、としか言いようがありませんね。

記事中で「高麗棒○」と訳した部分ですが、原文は「가우리방쯔」と表記されています。でも「가오리방쯔」の間違いだと思うのでこう訳しました。
「高麗○子」は中国風の漢字表記で韓国風の漢字表記は「高麗奉者」となるそうです。中国で韓国人や朝鮮族を卑下する意味で使われます。
「방쯔」は「パンズ」と読みます。中国語で「頭の硬い知識人」を揶揄する呼び方だそうです。「頭でっかち」」みたいな感じですかね。

*1:後述