「ナヌムの家」を告発した日本人職員が慰安婦遺族に追い出された話

慰安婦支が集団生活を送っている「ナヌムの家」の日本人職員が追い出されました。

イ・ヨンスさんと正義記憶連帯がモメているのと同時期に、この施設からも不正会計の内部告発の声が上がっていました。(ただし、正義記憶連帯は施設の運営には直接関わっていないため、問題としては別個です)

追い出されたのは、この問題の内部告発者7人のうちの1人だそうです。


ソウル新聞の記事からです。

慰安婦」被害者遺族、公益通報した職員に「出ていけ」と悪言


(前略)

4日、ソウル新聞の取材内容を総合すると、前日の夜9時20分頃、京畿廣州市退村面のナヌムの家の生活館の職員用建屋で、日本軍「慰安婦」被害者故キム・スンドク(2004年6月死去)さんの息子ヤン某(72)さんが矢嶋宰(ヤジマツカサ)(49)日本軍「慰安婦」歴史館(以下、ナヌムの家歴史館)国際室長に「このXX、日本のヤローが何しにここに来やがった!*1」と罵倒した。
矢嶋室長はナヌムの家の問題を知らせた公益通報職員7人の1人にあたる。

ヤンさんは去る1日、パク・ツリ(2006年2月死去)さんの娘とナヌムの家の施設を訪問し、現在まで職員用建屋で生活している。公益通報の職員は「オ・ヨンホ施設長が2人を突然連れてきて『今から職員用建屋で生活する』といった」と明らかにした。
これについて、ナヌムの家法人(社会福祉法人曹渓宗ナヌムの家)法律代理人であるヤン・テジョン弁護士は「オ施設長が連れてきたのではなく、遺族が自発的にやっていたのだろう」と説明した。ナヌムの家の施設関係者も「最近のナヌムの家をめぐるいくつかの状況が気がかりで仲裁の役割をするために来られた」と伝えあt。

ところがヤンさんは昨日の夜、矢嶋室長に「日本は謝罪もしていないのに、日本のヤローがここにいる理由があるのか」とし「このXXが、よその国に来てなにXXしてんだ!出てけ!」と壁を叩いた。

建屋で大声がすると、すぐに当時ナヌムの家の生活館で勤務中だった公益情報提供職員が建屋に行って、興奮したヤンさんを宥めようとしたが、ヤンさんは職員に「韓国人がなぜ日本人をかばうのか」「売国奴のようなXX」という言葉まで出た。ヤンさんはまた、オ施設長を含む施設運営スタッフも呼び出すと「なぜ日本の職員をここで働かせるのか」と問い詰めた。

これにより矢嶋室長は宿泊施設として使用していた建屋から出て、現在は退村面のモーテルで生活している。

(後略)

ソウル新聞「‘위안부’ 피해자 유족, 공익제보한 직원에게 “나가라”며 욕설(「慰安婦」被害者遺族、公益通報した職員に「出ていけ」と悪言)」より一部抜粋


矢嶋宰さん、ちょっと調べたら簡単に見つかりました。写真家だそうです。
2003〜2006年にナヌムの家でボランティアスタッフとして働いた後、一旦離れ昨年13年ぶりに戻ったそうです。

ヤンさんは暴言を吐いた件について「一番悪いやつが日本人ヤローだ」と正当化しているそうです。
更に施設を所有している宗教法人から「許可」を受けて、そこで生活を続ける予定とのこと。

もう矢嶋さんは敷居を跨がせてもらえないんじゃないでしょうか?


直接の原因になったのは怒鳴り込んできた慰安婦遺族でしょうが、職員を守らなかったのは施設側です。
施設側にとって、内部告発者である矢嶋さんは裏切り者であり「ナム」なんでしょうね。

施設と内部告発者…元慰安婦の、ひいてはその遺族の味方は一体どっちだったんでしょう。
ごたごた解決のためにやって来たのであれば、遺族が問い質すべきは施設長を含む運営スタッフの方じゃないのかと思うのですけれど。


*1:原文「이 XX, 일본 놈이 어디서 와 가지고 이게!」。「일본 놈」は漢字で書くと「日本奴」で、「奴」は男性を貶める侮辱語。「日本の奴」じゃ、ちょっと弱い気がしたので「野郎」にしたけれど、イマイチかも。罵倒語の訳は難しい…。