ナヌムの家の慰安婦追悼公園に設置されたお墓が実は違法だった話

2017年に慰安婦支援施設「ナヌムの家」が、亡くなった慰安婦のお墓を敷地内に建てていたのですが、実は違法だったことが判明し、移設するよう行政命令を受けたそうです。
ナヌムの家側は該当の法律を「知らなかった」とし、異議申し立てをしたようです。特例を認めてくれ、ということでしょう。


中央日報の記事からです。

権益委、慰安婦被害者「遺骨箱移転」関連現場の調査に着手


国民権益委員会が4日、慰安婦被害者支援施設であるナヌムの家に安置された遺骨箱移設の命令と関連し、現場調査に着手した。
権益委は「行政処分の対象者であるナヌムの家が苦情を受けたことにより担当調査官を配置し事実関係の確認のためナヌムの家の現場を訪問して調査を実施した」と説明した。これに先立ち、京畿道広州市はナヌムの家の追悼公園に慰安婦被害者たちの遺骨を安置するのは「商売などに関する法律」違反とし、10月1日までに遺骨を他の場所に移すよう行政命令を下した。<中央日報5月4日付2面報道>

ナヌムの家一体は漢江上水の水源保護のための水辺区域に指定されているが葬儀法上、水辺区域には墓地や納骨堂*1の設置が禁止されているからだ。ナヌムの家側は1995年からナヌムの家で生活し、死亡した慰安婦被害者らの遺骨を安置してきたが、このような法律規定を知らなかった。
現在、ナヌムの家追悼公園には故人の遺言により被害者9人の遺骨箱が安置されている。遺族らは「生涯苦痛を経験した母親らは目を閉じた後もゆっくり休めない」と苦しんでいる。このため、ナヌムの家側は「事案の特殊性などを考慮して移転命令を再考してほしい」 と先月28日、権益委に苦情を申し入れた。
権益委は同日、ナヌムの家を訪れ被害者らの遺骨が安置されている追悼公園の現場を確認し、ナヌムの家の関係者らの意見を聞いた。権益委は今後、関連法令や関係機関の立場などを幅広く調査する予定だ。

(後略)

中央日報「권익위, 위안부 피해자 '유골함 이전' 관련 현장조사 착수(「権益委、慰安婦被害者「遺骨箱移転」関連現場の調査に着手)」より一部抜粋


「遺骨箱」って何やねん?って感じですけれど、写真で見た感じ普通のお墓でした。恐らく「お墓」と聞いて日本人が一番に想像するであろう、仏式の御影石の墓石とよく似たものが石畳の上に設置されていました。

ナヌムの家の言い分を意訳(異訳?)すると「だって知らなかったんだもん。しようがないよね」です。
いい加減ですねぇ...これが認められるならまさしく「やったもん勝ち」。
けれど多分、「問題なし」として特例が認められるんじゃないでしょうか?なんとなくそんな気がします。

*1:原文「봉안시설(泰安施設)」。「納骨堂」は日本式漢字語に指定されているので韓国の法律上は「泰安堂」と言うそうで、「泰安施設」は一般に納骨堂や墓地を含む埋葬施設全般を指す。