2020年の対日貿易赤字200億ドル超え、不買運動の弱化?な話

韓国の対日貿易赤字は昨年10月の時点で既に165億ドルを突破していました。結局、昨年1年で200億ドルまで膨らみました。昨年より8.7%増です。
輸入は3.5%と微減で、輸出は11.8%減です。不買運動をやっているのが日本なら分からなくもないのですが...。

記事の分析によると、輸出が減ったのはコロナの影響により主力製品の輸出量が減ったためで、日本からの輸入が増えたのは日本製品がプロモーションを強化したため、としています。つまり日本製品消費財の需要が回復しつつある、と見ていることになります。
しかし、その一方で「不買運動の継続が必要である」と回答した成人男女が69.3%という市場調査の結果が紹介されており、なんとも支離滅裂な記事になっています。


アジア経済の記事からです。

対日貿易赤字、200億ドル突破..輸出不振・不買運動弱化の影響

(前略)

2日、産業通商資源部によると昨年、韓国は日本との貿易で208億4000万ドルの貿易赤字を出した。前年の191億6000万ドルより16億8000万ドル増えた金額だ。

日本に向かった輸出量は前年より11.8%減少した250億8000万ドルだったが、日本から輸入した輸入量は3.5%小幅減少した459億2000万ドルと集計された。

(中略)

昨年、対日貿易赤字が再び増えたのは韓国の主力品目の輸出がコロナ19の影響で低迷したためだ。
石油化学製品の日本への輸出額は前年比25.1%減少した。鉄鋼(-23.3%)、車部品(-34.9%)、石油化学製品(-32.5%)も大幅なマイナスとなった。日本国内の自動車、建設などの需要が一部回復しているものの、依然として前年より低調で、影響を受けた。

一方、日本からの輸入は下半期になるほど増えている。月別の輸入金額増減率を見ると、昨年4 - 8月は減少傾向が続いたが、9月に0.6%増に転じた後、10月に4.6%、11月に15.9%、12月に18.7%と拡大した。
日本製品不買運動がやや緩んだ上、日本製品が販促行事などを強化したことによるものだ。特に、不買運動の主要ターゲットとなったビール類や自動車需要が徐々に回復しているものとみられる。

国内では依然、不買運動が必要だという認識が高い方だ。
市場調査専門会社エムブレイン・トレンドモニターが最近、成人男女1000人を対象に日本製品不買運動に対する認識を調査した結果、71.8%が不買運動に参加した経験があると答え、「不買運動が(続けて)必要だ」という回答も69.3%に達した。

アジア経済「대일 무역적자 200억 달러 돌파..수출 부진・불매운동 약화 영향(対日貿易赤字200億ドル突破..輸出不振・不買運動弱化の影響)」より一部抜粋


不買運動が弱化したことにより、日本からの輸入は増えている...このことは認めざるを得なかったのでしょうが、最後の一文がせめてもの抵抗のように見えます。
でもこれって、ものすごく矛盾しているんですけどね。7割近い人たちが不買運動の継続を支持しているのに不買運動が鈍っているんですから。
「不買をやるべき」と言いつつやっていない人たちがそれだけ居るということでしょうか?

個人的にはもっと広く見るべきだろうと思います。
韓国の主要輸出品のメモリ半導体、昨年はコロナの影響でパソコン需要が伸びているはずです。これに必要な原材料や機械など、日本に依存している物品の輸入量の動きまで見るべきなのではないかと。
しかし、韓国ではこれらの「対日依存を減らす」を国家目標に掲げ、「出来た出来た」と大はしゃぎの記事も上がったりします。実は言っているほど効果が出ていないことがバレる恐れがあるのでボカシているのかもしれません。そのせいでなんだか的外れ記事になっていますが。

ちなみに半導体関連の例の三品目ではフッ化水素は頑張ったみたいですけれど、フッ化ポリイミドとフォトレジストは相変わらず日本依存が続いているようです。