韓国、G7サミットに正式招待される話

去年の6月頃でしたでしょうか、トランプさんがG7サミットに韓国ご招待!と言い出して韓国内で一時期「G7を拡張」と大盛り上がりを見せていた件ですが正式に招待が決定したようです。
もちろん、正式国ではなくゲスト国です。G7の拡張が必要かどうか(もしくはD10に置き換わるか)は、6月の首脳会議の結果次第ではないでしょうか?

私的には良かったと思います。前にも言っていますが、韓国にはぜひ招待を受けて頂きたいと思っていましたので。
というのも、今回のG7サミットでは対中国に関する内容が話されることはまず間違いないですし、北朝鮮問題も取り上げられる可能性があります。
韓国がどのような立場を取るのか(北ビラ禁止法についてとか)、また中国や北朝鮮からの反発にどう対処するのか、このあたりに興味があります。


中央日報の記事からです。

英国、ムン大統領をG7サミットに招待...中国牽制D10の可視化


ムン・ジェイン大統領が来る6月に開催されるG7(主要7ヵ国)首脳会議にゲストの資格で招待された。今年、会議を主管するボリス・ジョンソン英首相が韓国や豪州、インドの首脳を議長国の資格で招待したものによる。

16日(現地時間)、BBC放送、ロイター通信などによるとG7首脳会議は6月11日から13日までの3日間、英国南西部の休養地であるコーンウォールのカービス・ベイで開催される。

(中略)

会議が予定通り開催されれば、米国、日本、ドイツ、英国、フランス、カナダ、イタリアなどG7加盟国首脳は2019年にフランスのビアリッツで開催されて以来、2年ぶりに直接会い主要懸案について意見を交わす。バイデン次期大統領と菅首相のG7会議初出席の舞台でもある。

(中略)

今回の会議は特にジョンソン首相が言及してきたD10(民主主義10ヵ国)協議体発足の試金石になる見通しだ。中国を牽制する自由陣営国家協議体に対する必要性が提起される中で、韓国・オーストラリア・インドを含む10ヵ国首脳が一堂に会するためだ。
昨年、ドナルド・トランプ米大統領はG7に韓国・オーストラリア・インド・ロシアを加えた新体制を構想したが、加盟国の直接的な反対にあった。日本は韓国を、英国とカナダはロシアを反対した。ドイツも韓国を単発で招待する事は歓迎したが、既存のG7正式加盟国を増やすことについては留保的な立場を示した。

ジョンソン首相が今回、G7に3カ国をゲストとして招待したのはロシアを除き、トランプ大統領の案を引き継いだことになる。ただ、韓国などにG7の扉を開いたというより、中国牽制の性格のD10協議体を立ち上げる目算が濃いというのが外交関係者の評価だ。

(後略)

中央日報「영국, 문 대통령 G7 회의에 초청…중국 견제용 D10 가시화(英国、ムン大統領をG7サミットに招待...中国牽制D10の可視化)」より一部抜粋


「D10」とは「民主主義10ヵ国(Democracies 10)」のことです。この枠組みは米国のシンクタンクである太平洋評議会が主導したものが既に存在しています。
オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、韓国、英国、米国、欧州連合の9ヵ国+1連合を指します。(オブザーバーとしてインド、インドネシアポーランド、スペイン)
2014年から毎年フォーラムが開催されています。ただ、あくまでシンクタンクが開催する大使級の円卓会議ですから各国首脳が列席するG7ほどのインパクトはありません。

記事の中で触れられている「D10」は新たに最近、英国下院の「中国研究グループ」が発表した報告書の中で「中国の影響力に対抗する民主主義10ヵ国」の結束を求めており、その中でG7+インド、韓国、オーストラリアを加えたものを「D10」としています。
流れとしては米国とのものと繋がっている、というか同調したものと思います。太平洋評議会の関係者からもG7拡張の声が上がっていたので。

個人的な考えですけれど、今回ジョンソンさんが「D10」構想を強く推し進めるのには、対中国牽制だけではなく、EU離脱後の英国の国際社会における主導権掌握を見据えた動きなんじゃないかと思っています。
EUという大きな枠組みを出てしまう以上、国際秩序を作る側のイニシアティブを取っておきたいと考えるのは当然でしょう。

韓国としては「G7に招待された(ゆくゆくは正式メンバー)」的なwktk感があったかもしれませんが、先行きはそれほど明るくなく、対中・対北への対応はどんどん難しくなると思うのですけど、どうです?まあ、大統領が変わればすべて「リセット」と思っているのかもしれませんが。