(自称)元・慰安婦が「支援金不正受給」で訴えられた話

慰安婦」と言うと、日本では基本的に「従軍売春婦」です。一部、職業詐欺や親に売られた、などで必ずしも本人の意思ではなかった人も居たかもしれません。が、韓国が主張するような日本政府、あるいは日本軍による「強制連行」は立証されていません。

一方で、韓国では「日本軍慰安婦(被害者)」と言えば「日帝によって強制的に動員されて性的虐待を受け、慰安婦としての生活を余儀なくされた被害者」と定義します。その上で「被害者」たちの生活支援のための支援金を支給する法律が整備されています。

「日本軍慰安婦」として申請し、この法律による支援金を受け取っているイ・ヨンスさんとキル・ウォンオクさんの2人について、保守系市民団体が「日本軍慰安婦の要件を満たしていないのに支援金を不正に受給している」として刑事告発しました。


ペン・アンド・マイクの記事からです。

「日本軍慰安婦被害者ではないのに支援金受領」...市民団体、イ・ヨンス、キル・ウォンオクを刑事告発


(前略)

慰安婦廃止国民行動(代表キム・ビョンホン)は27日午後、青瓦台前の噴水広場で記者会見を開き「日本軍慰安婦」被害者の事実を訴えてきたイ氏とキル・ウォンオクさんをそれぞれ刑事告発したと明らかにした。

これらは「日帝下における日本軍慰安婦被害者に対する保護・支援及び記念事業などに関する法律」(慰安婦被害者法)は「日本軍慰安婦」について「日帝によって強制動員され性的虐待を受け、慰安婦としての生活を共用された被害者のことを言う」と定めているが、イ氏とキル氏は実は強制的に動員された事実がないため「慰安婦被害者法」が定めた「日本軍慰安婦」の条件に該当しないにも関わらず、自分たちを「日本軍慰安婦」として国家に虚偽申告し、不正な方法で支援金を受けてきたと主張した。

更にこれらは過去1993年に発行された「日本軍慰安婦」の証言集<強制連行された朝鮮人慰安婦(1)>(韓国挺身隊問題対策協議会韓国挺身隊研究所編)などに掲載された証言を根拠とした。

証言集でイ・ヨンス氏は「(友人の)ブン・スニが我が家の窓を叩いて『出ておいで』と囁いた。私はこっそりブン・スニについて外に出た。母にも話さないまま、そのままブン・スニの後を追って家を出た。(中略)行ってみると、川辺で見かけていた日本人の男性が出ていた。彼は40に少し足りないように見えた。国民服に戦闘帽を被っていた。彼は私に服の包みを一つ渡しながら、その中にワンピースと革靴があると言った。包みをチラっと見てみると、赤いワンピースと革靴が見えた。それを貰って子供心にどんなに嬉しかったか。それでつい他のことも考えずに付いていくことになった」とし「大邱から私たちを連れてきた男が慰安所の主人だった。私たちは彼を『親父』と呼んだ」と語った。

またキル・ウォンオク氏も証言集<<歴史を作る話(日本軍慰安婦証言集6>>(戦争と女性人権センター研究チーム編)で検番(妓生専門教育機関)に通っていた友人たちとたまに会ってはあれこれ話をして「中国に行ってみよう。中国に行けば楽にお金をたくさん儲けられる」という話が出て「酒場で歌を歌い、酒を売りに行くと思い15歳の年に華北に渡った」と証言したと指摘した。

そうしてイ氏とキル氏は、いずれも自分たちが「慰安婦被害者法」で規定した「日本軍慰安婦」条件に該当しないという事実を知りながらも女性家族部に「日本軍慰安婦」被害者として申告し、「生活安定支援対象」の対象者に成り各種支援を受けてきたため、これは「補助金の管理に関する法律」に違反したものだと主張した。

補助金の管理に関する法律」第40条(罰則)は「虚偽の申請、その他不正な方法により補助金若しくは間接補助金の交付、または支給を受けた者、もしくはその事実を知りながら補助金もしくは間接補助金を交付、または支給した者は10年以下の懲役または1億ウォン以下の罰金に処する」と定めている。

これらはまた「被告人たちの虚偽申告に関与した勢力があった可能性を排除できない」として「その点について徹底した捜査も必要だ」と強調した。

ペン・アンド・マイク「"일본군 위안부 피해자 아닌데 지원금 부정 수령"...시민단체, 이용수·길원옥 형사고발(「日本軍慰安婦被害者ではないのに支援金受領」...市民団体、イ・ヨンス、キル・ウォンオクを刑事告発)」より一部抜粋


このキム・ビョンホンという人は国史研究所の所長でもあります。過去にも「『慰安婦被害者法』に定義されている『日本軍慰安婦』は居ない。だからこの法案に意味はない。破棄せよ」的な主張を行っています。(参考) まあ、効果は出ていませんけど。

今回のもどうでしょうね、微妙な気がします。
会見の後、さっそく鐘路警察署に告発状を提出し、具体的な措置が取られない場合は担当部署である女性家族部を追加告発する、と強く迫っているようですけれど。