韓国オンラインゲームの有料アイテムで特定の組み合わせの排出率が「0%」だった話

大したネタが無いので小ネタです。

最近のソシャゲには「ガチャ」がお馴染みですよね。
ガチャの確率表記はいろいろと問題になりつつも、日本では現在、CESA*1やJOGA*2などが定めたガイドラインに沿って提供割合がわかる表示をするようになっています。

ところが世の中にはレアアイテムの排出率が「0%」に設定されており、そもそも出ないというものがあったらしいです。
日本でもサービス展開されている「メイプルストーリー」。今はどうなのか分かりませんし、日本でどうだったのかも分かりません。けれど少なくとも、韓国国内サービスではこうした事が行われていたそうです。


KBSの記事からです。

「2列が出ない」..18年の国民的ゲームの裏切り


いわゆる「確率型アイテム」、確率によって運が良ければ取れるオンラインゲームのアイテムです。

(中略)

いいアイテムほど確率が低いですよね?以前から確率型アイテムがギャンブル性や過剰消費を助長したりゲーム会社とユーザ間の情報不均衡を招き、獲得できる確率が低すぎるという指摘と不満がありました。利用者らは大統領府の国民請願を通じて確率型アイテムの確率公開を促したり、トラックを利用したデモも展開しました。

国会も答えました。昨年12月、民主党のイ・サンホン議員が確率型アイテムの確率を公開する内容を盛り込んだ「ゲーム産業振興に関する法律全改正案」を発議しました。

2021年3月、売上高3兆1千億ウォン*3規模の韓国最大手ゲーム会社ネクソンも答えました。ネクソンは全面的に確率を公開することにしました。そして去る3月5日、累計ユーザ1,800万人の2003年に発売された国民的ゲーム「メイプルストーリー」の確率型アイテム、キューブの潜在能力再設定「ロジック」と確率が公開されました。

ところで、より大きな問題が生じました。ユーザが望んだ性能のアイテムを獲得できる確率が0%だったのです。 簡単に言えば、7が3つ出てこそジャックポットが起こるスロットマシンで、そもそも7が最大2つまでしか出ないように設計されていたのです。

ネクソン社のお知らせ一部抜粋
「一部、潜在能力オプション(いわゆる『ボボボ』、『バンバンバン』など)が同時に複数登場しないようにロジックを設定した理由は、2011年8月にレジェンダリー潜在能力が初めて追加された当時のボス狩りやアイテム獲得のバランスの基準点を過度に超える状況を防止するという目的でした」

(中略)

■「2列が出ない」...2020年9月5日の嘆き

昨年9月、「メイプルストーリー」ユーザのオンライン・コミュニティに投稿されました。特定の性能のアイテムを得るために数十万ウォンを使ったが、アイテムを獲得できなかったという嘆きと残念さを吐露した文でした。筆者が望む性能2つをアイテムに入れたかったのですが、いくら試みても1つしか入らないという内容でした。

ところがこの文章はネクソンの確率公開以降、見直されます。筆者が望んだ性能のアイテムは数十万ウォンではなく、数百億ウォンを使っても獲得できないアイテムだったことが明らかになったからです。

(後略)

KBS「“두 줄이 안 나와”…18년 국민게임의 배신(「2列が出ない」..18年の国民的ゲームの裏切り)」より一部抜粋


メイプルストーリー」やったことないんで書かれていることがちょっとピンと来なかったのですけど、どうやら「キューブ」というのは装備品に追加能力(ドロップ率アップとかHPアップとか)を設定するための有料の消費アイテムみたいです。

色んなランクのキューブがあって、それを装備に使うことで一度に複数(最大3つ?)の能力が付くみたいなんですけど、追加能力はキューブを使うたびに総入れ替えになるみたいです。この時にどの能力の組み合わせになるかがガチャ要素(確率性)となっているんですね。
そして今回の確率公開によって「特定の組み合わせ」は絶対に出ないようにシステム側で設定されていたことが分かったと、まあこういうことのようです。

ちなみに「ボボボ」というのは「ボスモンスターへの攻撃ダメージ」関連の能力を3つ付けること、「バンバンバン」は「モンスターの防御力無視」関連の能力を3つ付けることを意味するらしいです。

たま〜に、ガチャで爆死する人は自制心が足りないんだ的な意見も聞きますし、部分的には同意できるところもありますけれども、ちょっとコレはそういう次元の話じゃない気がします。
一言「この組み合わせは出ませんよ」って書いといてあげればいいのに。

*1:一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会

*2:一般社団法人日本オンラインゲーム協会

*3:約2千986億円