1000万回分のワクチン支援要請が55万人分(110万回分?)に化けましたけれども「韓米首脳会談は大成功だった」的な見方以外は許されない(?)聯合ニュースさんなどでは、製薬メーカーから有償で買ったものより、米政府が無償で提供する方が価値がある、という理屈で高く評価しているようです。
韓国メディアがどのように受け取り、どのように報じるかはある意味勝手なのですけれど、米国務省のスポークスマン曰く、あくまで「在韓米軍の兵士のため」だそうです。
しかも提供されるワクチンによって安全が確保されれば新型コロナを名分に縮小していた米韓合同訓練が「正常化」される可能性も高いようです。
韓国経済の記事からです。
合同演習、「コンピュータゲーム」から脱皮?...米国務省「ワクチン支援、米国保護のため」
米国務省は韓国軍に対する米国のワクチン支援の約束が「米軍を保護するための決定だ」と強調した。韓米連合軍事訓練については韓米相互防衛条約履行のための核心要素だ、と強調した。米国が韓国軍に対するワクチン支援を皮切りに3年間、野外活動演習なしに実施している合同演習の正常化に乗り出す、という分析が出ている。
米国務省は24日(現地時間)、ワクチン提供の約束が下半期の連合訓練に備えたものなのか、という自由アジア報道(RFA)の質疑に「バイデン大統領が韓半島で韓国側の相手と密接に接触する空間で勤務する米軍たちを保護するために下した決定」とし、このように明らかにした。続いて「今回の決定は非武装地帯を含め、韓国軍と米軍が共に勤務する特別な状況を反映する」とし「有事の際、韓国軍は米国政府の作戦指揮を受けるため、ワクチンを通して生命保護を韓国軍に提供することは米国の利益」と強調した。
米国務省のカービー報道官も同日、大規模な合同演習再開に関し「今後の具体的な計画は明らかにしない」としながらも「同盟国である韓国との訓練は韓国に対する防衛条約を履行する重要な要素」と強調した。また「どのような訓練が最高で最も効果的な方法に移行できるかを絶えず評価し検討する」と付け加えた。
韓米連合訓練の「ベスト・フォーメーション」をを改めて強調し、野外機動訓練再開の可能性を残した。今年3月の上半期の訓練に先立ち、ロバート・エイブラムス在韓米軍司令官は「韓米連合軍事演習がコンピュータゲームのようになっては困る」とし、機動訓練再開の必要性を強調していた。
(後略)
韓国経済「연합훈련, '컴퓨터게임' 탈피?..美국방부 "백신 지원, 미군 보호 위해"(合同演習、「コンピュータゲーム」から脱皮?...米国務省「ワクチン支援、米国保護のため」)」より一部抜粋
合同軍事訓練の野外訓練再開となると、中国からも北朝鮮からも反発が予想されます。55万人分の無償支援で果たして割に合うんでしょうか?
軍事関連で言うともう一つ、ミサイルの制限解除があります。
韓国軍が保有するミサイル射程を800キロまでに制限する米韓ミサイル指針が撤廃される、という話です。
日本にとっては韓国の「ミサイル脅威論」になりそうですが、韓国にとっては「自主防衛力強化」として一見良いニュースのように思えます。
ですが米国側からはどうでしょう。VOAによると、ランド研究所のベネット上級研究員はミサイル指針撤廃について「米軍のミサイル配備と密接に連携している」としています。
韓国軍のミサイル射程が撤廃されれば、在韓米軍のミサイル配備に関して韓国側が文句を言う筋合いもなくなる、とする見方です。
こちらも中国、北朝鮮からの反発を招きそうな事案ですね。