NYTとガーディアンが「K防疫」を皮肉った話

韓国のワクチン接種完了率は26日までで国民の13.5%です。日本は25.54%と、およそ2倍の水準だそうです。私が調べたわけではなく「韓国 vs 日本、接種完了率格差2倍」という形の記事で報じられていた数字です。

4〜5日前に、韓国の防疫当局はとうとうワクチン受給に問題が生じていることを公式に認めました。当初4000万回分と言っていたのが、実際には115万回分しか入ってきておらず、下半期に残りの3885万回分が入ってくるとはにわかには信じがたい話をずっと押し通してきていましたが、流石にこれ以上は無理と思ったのでしょうか?
ただ問題はモデルナ側にある、としただけで具体的な内容までは分かりません。

待っていたかのように韓国メディアは一斉に「不備」を批判する記事を載せました。そして当初は「K防疫」を絶賛していた外信も掌を返すように韓国でのワクチン接種の遅延を皮肉気に伝えたそうです。


東亜日報の記事からです。

「K防疫」皮肉ったNYT「ワクチン接種希望?111時間待ってみて」


ニューヨーク・タイムズ(NYT)と米紙ガーディアンが「K防疫成功」を自画自賛していた韓国の文在寅大統領と政府が新型コロナウィルス感染症(コロナ19)ワクチンの確保に失敗して国民が大きな苦痛を受けていると相次いで報じた。

同紙は28日(現地時間)、「韓国でワクチン接種予約を希望?111時間待ってみて」というタイトルの記事で、最近、韓国で起きたワクチン予約遅延事態を伝えた。予約待機者の一人は「先行待機者40万1032人、予約待機時間111時間23分52秒」という案内メッセージに挫折し、韓国人はワクチン予約を「(無意味な労働を無限に繰り返す)シーシュポスの神話」や「BTSのコンサートチケットの確保」に喩えていると同紙は伝えた。

コロナ19の流行初期の防疫効果に酔った韓国政府がワクチンの確保に二の足を踏んでいたのが根本的な問題だ、と同紙は指摘した。同紙は「政府は『K防疫』という名前まで付け、昨年12月には『韓国は開発されたワクチンが効果的で安全かどうか見守ることができる』と述べた」とし「ワクチン確保に積極的で無かった結果が最近は悲惨なほど明らかになった」と報じた。

(中略)

ガーディアン紙も29日、「韓国が今年の夏、デルタ変異で冷や汗をかいている」と報じた。ガーディアン紙は7月に入り強化された街頭規制で飲食店が開業以来最悪の状況に直面した、というある自営業者の事例を伝えながら「大流行初期、韓国は積極的な検査と接触者追跡を通じて防疫に成功したという賛辞を受けたが、1年余り経った今、最悪のコロナ19拡散を経験している」とした。

(後略)

東亜日報「‘K방역’ 꼬집은 NYT “백신 접종 원하는가? 111시간 기다려보라”(「K防疫」皮肉ったNYT「ワクチン接種希望?111時間待ってみて)」より一部抜粋


「K防疫」って名前を付けたこと自体は別に良いんですけどね、ある程度の封じ込めに成功していたことは事実でしょうし。
ただ封じ込めはあくまで時間稼ぎでしかないって意識が弱かったのかもしれません。ワクチンという、恐らく現代において最も効果的な予防措置を講じないうちに「K防疫」という虚像が勝手にどんどん大きく育ってしまった感じです。
早すぎたんですよ、自慢するのが。結果も出ていない内に鼻高々だったから、当時苦々しい思いで母国へ報じた外信がへし折りに来たんじゃないでしょうか?

なにより「日本」に対する対抗心・プライドが邪魔してワクチン確保の課題・問題点をきちんとオープンに出来ていなかったことこそが最大の問題でしょう。

「韓国14% vs 日本26%...ワクチン接種完了率格差2倍」...引用はしませんでしたが、28日付けのソウル経済の記事のタイトルです。
このタイトルを見てワクチン接種を「競う」ことに異常性を感じる韓国人はどのくらい居るんでしょう?

日本は虚像や見せかけに誤魔化されたりせず粛々と堅実に進めていって欲しいです。