ルーマニアとのワクチンスワップに「国格」がどうこう言い出す話

昨年の12月頃、韓国が思うようにワクチン確保出来ていなかった(今もですが...)時期に「K-防疫は政権と親ムン派の合作」と痛烈に批判していた大学教授がいます。(当時記事を紹介しています→こちら

ソ・ミンさんという人ですけれど、この人が先日ルーマニアからワクチンを「都合」してもらうことになったことを「物乞い」と表現して物議を醸しているそうです。


マネートゥデイの記事からです。

ソ・ミン「ムン政権、しまいにはルーマニアにワクチン物乞い..国格が溶ける」


ソ・ミン檀国大医科大学教授は「ルーマニアワクチン」論議について「全世界が認める防疫後進国に転落した」とし「しまいにはルーマニアに有効期限が切れたワクチンまで頼むのか」と明らかにした。

ソ教授は22日、フェイスブックに「文在寅政権はググポンに酔い、ワクチン確保を怠った。国格がトロトロ溶けるという言葉が自然と出てくる」とし、このように書いた。

外交部は前日、「ルーマニア政府のモデルナワクチン無償供与」との外信報道について「事実ではない。韓国とルーマニア間のワクチンスワップ(交換)次元で協議が進行中」とし「政府はコロナ19発生初期の昨年3月、ルーマニアに診断キットなど防疫装備を支援し、両国間の信頼を築いてきた」と明らかにした。

(中略)

ソ教授は「今や私たちに残ったものは、他の国に比べ確定人数が少ないということが全て」とし「他の国はワクチンの大部分を摂取し、コロナ19が風邪程度になってしまったため確定者がいくら出ても気にしないが、私たちはその国と確定者の数を比較しながら形骸化したK-防疫を宣伝している」と診断した。

続いて「K-防疫の実体は他の国より確定者数が少ないということだけ」とし「これは韓国国民の高いマスク着用率、そして距離を置くことに対する積極的な協力から成り立ったもの」と強調した。

(後略)

マネートゥデイ「서민 "文정권, 오죽하면 루마니아에 백신 구걸..국격 녹는다"(ソ・ミン「ムン政権、しまいにはルーマニアにワクチン物乞い..国格が溶ける」)」より一部抜粋


フェイスブックに投稿されている原文を読んだわけではありませんけれど、記事の印象からソさんの文章は「ルーマニアにワクチン頼んだ=国格が台無し」と読めなくもないです。
ソさんは政府批判を優先するあまり、せっかくワクチンを融通してくれたルーマニアに対してなんだか失礼な感じになってしまってますね。国格云々を絡めなければ単に政府のワクチン計画の杜撰さを批判しているだけで済んだのですが。

国格って肥大化したプライドって感じがします。
日本だとよく「国際社会に対する責任」みたいな文言を見かけます。これって「出来ること、やるべきことをやらないと恥ずかしい」みたいな意味だと思うのです。
一方で韓国で「国格」とは、「国格に相応しいことを相応しい態度でやるのが良い」みたいな意味なんじゃないでしょうか?
どっちが良いのか分かりませんけれども「出来ることをやる」と「相応しいことをやる」では随分違ってきますよね。

「国格が溶ける(原文:국격 녹는다)」ってのは面白い表現だと思います。日本語の語彙感覚にはちょっと無いですよね。
「溶ける」も「解ける」も同じハングル表記になるんですけど、今回の場合は「溶ける」の方が良い気がします。チョコレートみたいに、溶けてドロドロになって風味がトンで台無しになる、みたいな。