教皇庁、ローマ教皇の訪朝について公式発表で言及しなかった話

G20で欧州訪問中のムンさんがローマ教皇と会談して「訪朝」を要請した件は昨日お伝えしました。教皇が「正式に招待されれば〜うんぬん」と答えたのは、3年前と同じで形式的な返答だろうとも。また、韓国メディアでは根拠なく3年前と同じく「訪朝」への期待感が盛り上がっていることもお伝えしました。

その後、当の教皇庁がムンさんとの会談に関する公式発表を出したのですが、案の定というか「訪朝」への言及は一切なかったそうです。

 

 

ペンアンドマイクの記事からです。

教皇庁、「教皇訪朝」言及せず...大統領府の「教皇が招待状を送ってくれれば喜んで行く」発表とは異なる


文在寅大統領が29日午前(現地時間)、フランシスコ教皇に訪朝を公式提案した。青瓦台教皇が(北韓が)招待状を送ってくれれば「喜んで行く」と言ったと明らかにした。しかし教皇庁の公式発表には教皇の訪朝関連の言及はなかった。教皇の訪朝問題については教皇庁で現在検討中の事案もないという。

(中略)

パク報道官によると、文大統領は教皇に「韓国人が大きな期待をしている」とし「次は必ず韓半島でお会いできることを願っている」と述べた。

これに対しフランシスコ教皇は「北朝鮮との対話努力が続くことを願い、韓半島の平和と統一のために祈っている」とし「招待状を送ってくだされば皆さんを助けるために、平和のために私は喜んで行く。皆さんは同じ言葉を使う兄弟ではないか、喜んで行く」と答えた。

文大統領は2018年の教皇庁訪問の際も教皇に訪朝を提案している。当時、教皇は「北韓の公式招請状があれば出席できる」と述べたが、北韓は公式招待状を送っていない。

(中略)

一方、ローマ教皇庁がこの日発表した報道資料には教皇の「訪朝」関連への言及がなかった。青瓦台教皇が「招待状が来れば(北韓に)喜んで行く」と強調したが、いざ教皇庁の公式発表にはこれに関する言及がなかった。

教皇庁は報道資料で、両者は「対話を促進するためのカトリック教会の役割について話し合った」とし「共同の努力と善意は連帯と博愛主義の支持を受け、韓半島の平和と情勢に役立つという希望を共有した」と述べた。

(中略)

教皇庁の報道官室は29日(現地時間)、文大統領の教皇面談について質問したVOAに、2人の指導者の対話の中で「両国間の相互の友好関係とカトリック教会が社会に提供する肯定的な貢献に対する謝意が示された」と明らかにした。また「南北対話増進と和解のために展開される特別な不断の努力も喚起され、このような側面で共同の努力と善意が連帯と兄弟愛の支援を受け韓半島の平和と発展をもたらすという希望が共有された」と述べた。教皇庁報道官室は「対話は現在、地域の懸案と人道的問題に関する一部のテーマに対して意見を交換することにつながった」と述べただけで教皇の訪朝について全く言及しなかった。

文大統領の無理な教皇訪朝推進に対して、ワシントン政界でも憂慮の声が出ているという。韓半島の緊張緩和の役割よりも南北の政治的目的に利用される公算が大きいという指摘だった。

ロバート·キング元米国務省北韓人権特使はVOAに「法王の訪朝が金正恩に多くの影響を及ぼすか疑わしい」とし「金正恩が非常に欲しがっている地位と威信、関心を与えるだけ」と述べた。

グレッグ·スカラチューブ北韓人権委員会(HRNK)事務総長は「教皇平壌でミサを執り行うことができるのか」とし「カトリック神父は北韓の偽カトリック信者や神父に聖餐式を行うこともできないという問題が発生する」と指摘した。教皇は自国民を抑圧して搾取する強力な体制の頂点にいる指導者と握手することはできない」とし「教皇は過去には人権侵害国家を訪問してそんな国家と関与したが、北韓のように信者を残忍に根絶したりしないカトリック国家であり、北韓政権水準の反倫理的犯罪を犯す国ではなかった」と指摘した。 実際、教皇は現在まで、教会や司祭のいない国を訪れたことは一度もない。

(後略)



ペンアンドマイク「교황청, ‘교황 방북’ 언급 안 해...청와대의 "교황이 초청장 보내주면 기꺼이 가겠다고 해" 발표와 달라(教皇庁、「教皇訪朝」言及せず...大統領府の「教皇が招待状を送ってくれれば喜んで行く」発表とは異なる)」より一部抜粋

昨日の記事では「法王」で書いていますが、2019年の来日に合わせて日本は政府としての呼称を「教皇」に統一することにしたようなので倣うことにしました。

 

仰られてますよね、「北朝鮮から招待状が来たら行く」って。なんで「韓国」大統領が依頼するのよ?って話です。遠回しにやんわりと勘違いを指摘してくれていたようにも思えます。