【バンダーさん】「一部の韓国知識人の中途半端な対日分析」の話

2015年11月19日に書かれたものです。
昨日紹介した朝鮮日報の昔のコラムに対するツッコミです。突然2015年の記事を持ち出したのは実はこのためでした。一応、文中でも触れられているのですけれど、前後の繋がりを含めて全体がざっと分かる方が良いかと思いましたので。

 

 

趙甲濟ドットコムよりバンダービルドさんのコラムから「一部の韓国知識人の中途半端な対日分析」です。

一部の韓国知識人の中途半端な対日分析

在特会」という一介の「極性団体」と日本の(保守)右翼を混同するような論理を展開した文章らしく、結論部分は率直に隣国に対する「大げさでおこがましい訓戒」としか見えない。


多くの韓国人の日本観は感情的で表面的だ。客観性や論理に欠けている。学者などの知識人も例外ではない。対日本分析として出てきたが、内容を見ると恣意的で非論理的な場合が少なくない。

18日に朝鮮日報が掲載したある教授の文(「日本の戦後秩序否定、欧州極右民族主義と通じる」)も同様だ。文中の日本に関する内容を見ると「一般化」と「飛躍」などの誤謬が目立つ。

文は、ISテロなどに対する反発から欧州では右翼情緒が台頭しているが、その右翼情緒というのは、難民流入否定、イスラム教徒に対する差別、移民統制、異文化に対する優越感、国境封鎖による排除的な国民国家再建などであるとした。

そして<日本の右翼思想の根底にも... 差別と排除、相手に対する否定が根付いている。在日韓国人を特権階級だと責め立て、「嫌韓流」を造成した。人種や国籍、性別などを理由に相手を非難するヘイトスピーチも厭わない>と書いた。
日本内の「在特会」という団体について書いたものと思われる。ところで「在特会」という団体は日本の右翼思想を代表する団体ではない。「在特会」は一介の「極性団体」に過ぎない。日本の右翼政治の本山と言える「自民党(政府)」でさえ、「在特会」の形態を批判している。さらには韓国側が日本極右政治家として名指しした「橋本徹」(大阪市長)という人物さえ、「在特会」の行動を露骨に批判し、互いに衝突している状態だ。事情がこうであるにも関わらず、文章は「在特会」が見せる行動が、すなわち日本(保守)右翼の性格をそのまま代弁する、といった具合に書かれている。

慰安婦強制動員を認めた河野談話を検証するとし、談話がまるで政治的妥協の結果であるかのように本質を歪曲し、日本は過ちを犯した国ではない、と弁明する。自分たちが必要なときは自国民だと動員し、戦争が終わった後は徹底的に排除する右派思想の発現だ。>とも書いた。

日本政府は河野談話そのものを検証したのではなく、談話の作成過程を検証した。作成過程の検証を通じて当時、韓日間で談話の文言を巡り事前に意見を調整した、という状況があったという。<日本は過ちを犯した国ではない、と弁明する>と非難調に書いたが、それならばこのように破廉恥な国がこれまで歴代首相や天皇が何度も韓国に対して公式に謝罪したことをどのように受け止めるべきか。

<自分たちが必要なときは自国民だと動員し、戦争が終わった後は徹底的に排除する右派思想の発現だ。>とした部分は、「徴用」と「慰安婦」を念頭に置いた内容のようだ。すると、こうしたトボけた国が1965年の請求権協定の際、なぜ3億ドルも韓国に与えたのか?また、こうした国が元慰安婦に対する各種補償や支援を1965年以降も実施したことをどう受け止めるべきか?

なお、文章は東京裁判を取り上げ、これを検証しようとする日本の最近の動きを、戦後体制を否定しようとする意図であるというふうに書いている。しかし検証関連の内容は別途発表せず、党(自民党)内部だけで進めた後に終了すると日本側は明らかにしており、好みに合うように過去史を書き直す意図を目的としたものでないことを明らかにしている。視点を変えて今日の主権国家が過去にあった事件にスポットを当てることはおかしなことではない。どの国でも現在、日常的に起こることだ。主権国家の日本に向け、「他の国は大丈夫でも日本は絶対ダメだ」といつまでも押し付ける事は出来ない。

文はこのように結論付ける。
<欧州と日本の右翼思想は... 似ている。差別と排除、相手の否定があるだけで、共存と和合、寛容と配慮がない。文明の衝突を擁護するだけで、文明と文明の対話と和解の余地はない。相手の文明に対する対等な価値付与もない。何よりも、文明圏を超えた人類普遍の価値に対する尊重が見えてこない。開放と和合、相互尊重と共生こそ人類文明が作り出した歴史的発展の産物であることを忘れている。日本の右翼も欧州の右翼も見逃しやすい落とし穴だ。>

簡単に言えば、日本の自民党など保守右翼が示すものが、差別と排除、相手の否定があるだけで、共存、和合、寛容、配慮が無く、人類普遍価値に対する尊重のようなものが見えない、ということだ。文章の結論が事実であれば、一体今日、世界各地で行われる各種アンケート結果として、ほぼ良い方で着実にランクインされる日本という国は、であれば「虚像」でもある、ということか?地球村の全ての人々は騙されていて、ただ韓国人だけが日本をまともに見ているということか?

在特会」という一介の「極性団体」と日本の(保守)右翼を混同するような論理を展開した文章らしく、結論部分は率直に隣国に対する「大げさでおこがましい訓戒」としか見えない。



趙甲濟ドットコム「일부 韓國 지식인의 섣부른 對일본 분석(一部の韓国知識人の中途半端な対日分析)」より一部抜粋

いわゆる「在特会」というのは「在日特権を許さない市民の会」のことですね。元記事がコレを指して書かれたのかは分かりませんけれど。