IAEA、福島処理水放流の影響検証から「韓国」を除外した話

福島第一原発の処理水放流について、IAEAが検証から韓国と中国を外し、日本近海のみに限定するそうです。
普通に考えれば放流地点の近くで影響が出ていなければ1年近く経ってから到達する地点ではより影響が少なくなります。時間も経費も省ける合理的な案です。

が、韓国に言わせるとこれは「日本に肩入れ」したからなのだそうです。...IAEAの議長国は韓国なんですけどね。

 

 

韓国日報の記事からです。

IAEA、福島汚染水検証書、韓国への被害は「排除」...「日本にだけ肩入れ」


日本の福島原発汚染水放出の影響を調査する国際原子力機関IAEA)が最も近い隣国である韓国に及ぼす被害の可能性は評価対象から除外したことがわかった。

(中略)

5日、原子力安全委員会などによると、IAEAは近く福島第一原発の汚染水放出に関する日本政府の管理能力と影響について検証を始める予定だ。

本来は今月中旬に予定されていたが、コロナ19の新たな変異ウィルス「オミクロン」の拡がりで一時延期された。しかし、IAEAが韓国と中国などに及ぼす影響は排除し、調査対象を福島原発の汚染水が直接放出される日本近海に限定したため論議が少なくない。これに先立ち東京電力が先月17日に発表した「原発処理水放出放射線影響評価報告書*1」でも韓国の被害については評価対象から除外されていた。

中国清華大の研究チームが最近発表した海洋シミュレーションの結果によると、日本政府が従来の計画通り福島第一原発の1キロ離れた海域に汚染水を放流した場合、280日以降に韓国の南海岸に、1年後には東海と西海まで到達することがわかった。

しかしIAEAは現在、日本政府の海洋放流を後押しするために日本近海だけに調査を限定したのではないか、という疑惑が提起されている。国際通商の専門家のソン・ギホ弁護士は「日本の原発汚染水放出による韓国被害の可能性をIAEAは慎重に考慮しなければならない」とし「日本側は今回のIAEA検証を最後に放流に入るという方針であり、懸念の方が大きい」と伝えた。

原発委の不透明な情報公開も、日本の原発汚染水の不安をさらに膨らませているという指摘が出ている。原発委は今年8月、日本の原子力規制委員会から福島原発汚染水関連の資料を受け取ったが「国の重大な利益を著しく害する恐れがある」という理由で公開を拒否している。

(後略)



韓国日報「IAEA, 후쿠시마 오염수 검증서 한국 피해는 '배제'… "일본만 편드나"(IAEA、福島汚染水検証書、韓国への被害は「排除」...「日本にだけ肩入れ」)」より一部抜粋

「国の重大な利益を著しく害する」...興味深いですね。韓国政府は資料非公開の理由として、「資料が公開されれば今後、日本から情報が入ってこない可能性がある」と、日本のせいにしています。

 

今年、韓国はIAEAの議長国になりました。韓国原発委は当初より福島処理水の海洋放流に「影響なし」の立場で、反日を政治利用している政府と違い科学的判断を行っていました。
その点では韓国がIAEAの議長国になったとしてもIAEAの「処理水放流支持」の立場がどうこうなるとは思っていませんでしたが、もし資料が公開されれば韓国政府が今まで散々行ってきた「ショー」のツケを払わなければいけなくなります。 資料が非公開のままなら「疑惑」のまま残せます。
対外向けと国内向けをこれでバランス取っているつもりなんじゃないでしょうか?

*1:正式名称「ALPS処理水の海洋放出に係る放射線影響評価報告書(建設段階)」