【バンダーさん】「日本で祝福される円安と、韓国で災いとなるウォン安」の話

5月6日付けの投稿です。

 

 

趙甲濟ドットコムよりバンダービルドさんのコラムから「日本で祝福される円安と、韓国で災いとなるウォン安」です。

日本で祝福される円安と、韓国で災いとなるウォン安

日本に祝福される円安と、韓国に災いとなるウォン安
2022.5.2 Wow Korea(バンダービルド寄稿)

インフレ(物価上昇)抑制のため米国の攻撃的金利上昇の動きからドル高が進んでいる。これにより、ドルに対する円貨とウォン貨がそれぞれ下落(円安、ウォン安)している。2021年末に115円水準に達した円ドル為替レートは現在130円水準に達した。ウォンドル為替レートは5月2日、ソウル外国為替市場で1265.1ウォンを記録した。1月始めに心理的マジノ線である1ドル=1200ウォンを超えて以来、持続的に上昇(ウォン安)している。

このような形で円貨とウォン貨の劣勢(円安、ウォン安)が続けば、日本と韓国にはそれぞれどのような状況が展開されるだろうか?

一言で言えば、円安は日本に再跳躍の機会を与え、ウォン安は韓国に災難に繋がるヘルゲート(地獄門)に近付くことになる。日本の通貨危機とは1980年代の好況のような状況が再び到来することを意味し、韓国の通貨危機IMF)のような状況が再び到来することを意味する。

円貨とウォン貨が同じくドルに対して弱含みを見せる状況なのに、どうしてその結果は正反対の姿で展開されるのだろうか?理由は簡単だ。日本と韓国は当初から置かれている状況が違うからだ。日本はもともと基礎体力がしっかりしていて、韓国はもともと基礎体力が弱い状態が続いているということだ。日本の場合、「バブル崩壊」や「失われた10年」など過去数十年間、少なからぬ困難を経験したが、依然として経済が堅実だ。一方、韓国は過去数十年間、通貨危機を何度も経験した。日本経済が海千山千をあまねく経験したベテラン水準なら、韓国経済は主に温室の中だけでかろうじて支えられている不安な水準のものと見られる。

日本の代表的な長所の一つは打たれ強いという点だ。日本の打たれ強さは想像以上だ。米国は貿易赤字解消のために自国の輸出競争力を高める目的で、日本など主要国通貨を切り上げるよう措置したのがまさに有名な「プラザ合意」(1985年)だった。これにより当時240円水準だった円ドル為替レートはわずか3年で120円水準に暴落(円高)した。日本の輸出競争力が3年ぶりに半分になったのだ。当時、日本企業は海外進出(現地生産)にあまり関心がなかったため、主として日本国内で物を作っt輸出する方式を固守した。したがって、当時の大部分の日本企業は例外なく大災難に見舞われた。大抵の国家であれば、その経済が焦土化し今頃再起不能の2流、3流国家に転落しただろう。だが、日本はその時も今も変わらない経済強国として存在している。むしろ円高のおかげで日本は付加価値の高い分野(素材・部品・装備など)により集中することになり、当該分野のグローバル市場支配力をさらに強化することができた。同時にしかkりとした内需市場が存在することも日本の大きなメリットとなる。

円貨の場合、過去1970年代には円ドル為替レートが350円を超えることもあった。350円なら今の130円水準より2.7倍も高い超円安状態になる。逆に2011年には円ドル為替レートが70円台を記録した。70円台なら今の130円に比べてほぼ半分程度しかない円高になる。

もし韓国のウォンドル為替レートが円が見せたのと同じように今の水準(1265ウォン)の2.7倍になると仮定すると、どんなことが起こるだろうか?2.7倍なら3415ウォン水準だ。2000ウォン(1997年)、1462ウォン(2008年)、1296ウォン(2020年)にも耐えられず、米国と日本の支援を受けてようやく通貨危機から脱した韓国の場合、ウォンドル為替レートが3415ウォンに達することは絶対に無いだろう。なぜなら、ウォンドル為替レートが3000ウォンどころか、2000ウォンに到達するよりも前にすでに国家不渡り事態を迎えることになるためだ。逆に、ウォンドル為替レートが今の半分水準になると仮定するならば、どんなことが起こるだろうか?1265ウォンの半分なら632ウォン水準だ。そうなれば韓国の輸出企業は価格競争力を完全に失い、ほとんど滅びることになるだろう。

このように円ドル為替レートとウォンドル為替レートの変動に対する日本と韓国の耐性だけそれぞれ見てみても経済の堅実さにおいて韓国は初めから日本の競争相手になれないという事実をすぐに知ることができる。

韓国は「不足している外貨準備高」と「高い貿易依存度」により不安な状態が続いている。世界金融市場が少しでも動揺すれば、その度に韓国は苦境に立たされている。1997年、2008年、2020年の通貨危機は端的な事例だ。始まったばかりの米国の利上げ基調は当分続く可能性が高い。過去の事例から見て、韓国は今後再び聞き状況に直面する可能性が高い。

1997年、韓国の危機(IMF)は根本的に1994年から始まった米国の攻撃的金利引き上げの影響で発生したものだった。そして今の状況はあのときと全く同じだ。4月現在、韓国の外貨準備高は4580億ドルで国債決済銀行(BIS)勧告金額である9000億ドルに比べて半分の水準に過ぎない。外貨準備高が不足しているため米国の利上げの動きに手をこまねいてウォン安ドル高が進んでいるのだ。

結局、韓国は対策として金利を引き上げざるを得ない状況に追い込まれている。もし韓国が金利を上げなければ外貨(ドル)は大量に流出し、すぐに通貨危機に見舞われることになる。政府関係者やマスコミなどは韓国のこのような対応(利上げ)と関連して「インフレ( 物価上昇)を抑えるための措置」というように表現しているが、実は「外貨流出を防ぐ苦肉の策」という方がより正確な表現だろう。

ここで問題は、このような事情で金利を上げることになれば、今回は韓国の時限爆弾である家計負債がバブル崩壊するように爆発する可能性が高くなるという点である。韓国はGDP対比家計負債比率が106%と、世界最高水準だ。金利引き上げが続けば貸出者の利子負担が荷重され延滞比率が増加し、最悪の場合、大規模不良債権が発生する。そうなれば金融機関の不良化と共に消費が萎縮せざるを得ない。金融機関の不良化は経済全般に大きな影響を及ぼし、消費の萎縮は資本主義市場経済にとって最大の致命打になる。

主要企業の技術的限界も明らかになった状態で。例えば、サムスン電子などがメモリー半導体分野で奮戦しているが、高度な技術力を必要とするシステム半導体分野では振るわない状態だ。サムスン電子などが米国や日本、台湾企業のような高い水準の厳選技術力を持てなかったためだ。台湾のTSMCのシステム半導体歩留まり(生産品のうちで良品の割合)は70〜90%を上回るのに対し、サムスン電子の歩留まりはわずか35%前後に留まる状況だ。サムスン電子が技術力の限界に達し、未来展望が良くないという事実は最近のサムスン電子株価にそのまま反映されている。

一言で言えば、今の韓国は金利を引き上げなければウォンドル為替レートがさらに上昇することになり、外貨(ドル)が本格流出する状況に置かれるだろうし、逆に金利を引き上げることになれば家計負債の不良債権化が進む可能性が高まる進退行き詰まった状況に陥った。どうすることも出来ず詰んだのだ。

これに対し日本は余裕のある状況だ。米国の攻撃的な利上げにもかかわらず、日本は利上げにあまり関心がない。金利引き上げをしなくても充分耐えられるためだ。日本は過去数十年間足踏みしている物価上昇率を少なくとも2%水準以上まで引き上げることで経済を活性化させようとする方針を貫いている。世界の主要国が物価上昇を抑制するために差し迫っている状況だが、日本はむしろ物価を上昇させるために努力しているのだ。物価を上昇させるためには市中に資金をさらに供給しなければならない。結局、今の円建て現状は事実上、日本政府の幇助ないし故意的な助長によるものと見られる。ただし、急激な円安は副作用が伴うので、速度調節に乗り出す可能性はある。

今年2月の物価上昇率統計を見ると、日本は0.9%と世界主要国の中で最も低い水準となった。米国が7.9%、英国、ドイツ、イタリア、カナダなどが5%以上、そして韓国が3.7%となったのに比べると、日本がけが唯一別世界を生きている。国際通貨基金IMF)が今年1年間の物価上昇率見通しを発表した所、日本は年間1%と世界最低水準の物価上昇率が予想された。韓国は年間4%と予想された。これはすなわち、韓国国民が日本国民に比べて全年対比ではるかに高い生活費を支出しなければならない状況になったという話だ。物価上昇で生活費が高くなれば、当然生活の質は落ちることに成る。物価上昇が激しくなれば苦痛を伴わざるを得ない。物価上昇が深刻な国で暴動が発生するのはこのためだ。韓国は物価上昇率が2月の3.7%に続き、3月には4.1%、4月には4.8%となり、ますます懸念される段階に入っている。

結局、日本は世界で唯一低い物価が維持されるお陰で日本の国民は韓国など他の国の国民より相対的に低い生活費で過ごせる「余裕のある状況(「相対的に幸せな状況」)」を享受しているのだ。

世界主要国が米国の金利引き上げに危機感を感じながら緊張する中、日本は今回「バブル崩壊」、「失われた10年」など過去数十年の不振を挽回する絶好の機会を迎えている。円安は一部の輸入物価の上昇はあるが、メリットがはるかに多い。円安が続けば日本の輸出企業は当然恩恵を受けることになる。価格競争力が高まり、海外市場でのシェア拡大に有利になるのだ。円安により輸入原材料が高くなる短所は独占的地位を享受する高品質製品(素材・部品・装備など)を主に輸出する日本企業の場合、このような費用を製品価格にいくらでも反映することで充分カバーできる。

さらに円安は「観光大国日本」を実現させる強力な武器となる。観光客があまりにも押し寄せれば不便な点も生じるが、経済活性化という大きな恩恵を受けることになる。日本を訪問した観光客は2015年に1970万人、2016年に2400万人、2017年に2800万人、2018年に3119万人、2019年に3188万人と着実に増加した。2020年は4000万人を目標としたが、新型コロナウィルス感染症により411万人に留まった。観光客1人の支出額は15万円程度だった。新型コロナウィルス感染症の前になる2018年と2019年に日本を訪問した観光客が日本で4兆5千億円ほど支出したという話になる。観光客4000万人を誘致すれば6兆億円の内需刺激効果が発生するのだ。円安がさらに加速すればこのような観光客誘致はさらに弾みがつく。したがって円安による日本経済再跳躍において、このような観光分野は今後相当寄与するだろう。

日本は4月28日開かれた通貨政策会議で短期金利を-0.1%(マイナス0.1%)に据え置き、長期金利(10年物国債)を0%(ゼロ)にする方針をそのまま維持した。あわせて市中の10年物国債を無制限に買い取ることを決めた。政府が国債を買い取るということは、市中に金を追加供給することを意味する。日本は米国とともに通貨危機のような状況に直面する可能性が全く無い国家に属したおかげで、このような政策を自信を持って展開できるのだ。世界主要国が過度なインフレ(物価上昇)のため、景気萎縮まで覚悟し、やむを得ず利上げに乗り出さなければならない厳しい状況だが、むしろインフレを促進するため低金利を固守し、市中に金を無制限に供給する日本は最近、花見劫でもって表情管理していると見られる。

米国の攻撃的金利引き上げが今後持続すれば、現在として韓国は危機に直面する可能性が濃厚だ。1997年の通貨危機当時は幸い、米国(IMF)と日本が韓国を助けたおかげで再起に成功したが、今回もし危機が訪れた場合、果たして米国と日本が再び韓国を助けるのか疑問だ。過去数十年間、韓国は米国と日本に向け恩知らずの行為を繰り返してきた。600億ドル規模の韓米通貨スワップと、700億ドル規模の韓日通貨スワップが終了したのも実は韓国の恩知らずに対する米国と日本の対応措置だったと見ることができる。

さらに懸念されるのは、ますます激しくなる韓国の反日だ。今日の韓国は事実上、日本に向けた巨大な「ヘイトスピーチ集団」として存在している。無論、最近の韓国では日本の円安現象についてほとんどお祭りムードだ。もちろん、円安によって日本が再躍進することを祝うものではない。円貨が暴落、日本がすぐに敗れるようになったという錯覚と誇大妄想に捕らわれ、嬉々楽々しているのだ。反日洗脳に陥ればこのようなやり方で経済学の基本さえ忘却することになり、迷信に近い偽りと扇動だけに縛られることになるのだ。「日本は滅びる」という妄想が流行している韓国の最近の状況はまるで「狂牛病シーズン2」が始まったような雰囲気だと言える。

今日、韓国がGDP10位にまで上がったのは事実上、米国と日本の支援によるところが大きい。ところが、このような現実も知らず誇大妄想のようなものに陥っている韓国は残念だが、その幸運はここまでだと思う。普段、教養を備え謙虚な態度で隣人と円満な関係を維持してきたとすれば、たとえ危機に見舞われても隣人から同情や助けを得ることもできる。しかし普段から意地悪な態度で恩知らず行為を繰り返したとすれば、危機の瞬間に隣人から同情や助けを受けることは難しいだろう。韓国人たちが依然として気付かず、妄想に陥って迷う中、米国の攻撃的金利引き上げが続くとすれば今後数年間、日本の再躍進に加え、韓国の没落という極と極の状況を同時に見守るドラマチックな事態が展開される可能性を排除できない。



趙甲濟ドットコム「日本에 축복이 되는 엔低와, 韓國에 재앙이 되는 원低(日本で祝福される円安と、韓国で災いとなるウォン安)」より一部抜粋

「花見劫(はなみこう)」とは囲碁用語で、自分は勝っても負けても痛くも痒くもないけれど、相手は一目の取り合いが決定的な勝ち負けに関わるような状態のことだそうです。
表情管理は感情が表に出ないようにすることなので、ポーカーフェイス的な意味でしょうか。