韓国経済「楽観論」を対外変数から見る話その2

先日の続きで、対外要因から韓国経済楽観論を分析したものです。
前回は「対外要因=中国の不振」に焦点を当てていましたが、今回は「ウォン安ドル高」と「ロシア‐ウクライナ戦争」です。

 



ザ・スクープの記事からです。

経済楽観論の裏側に流れる「国外」悲観論


(前略)

5日基準で1330ウォン台を超えたウォン・ドル為替レートも韓国経済の低迷の可能性を高める弱い輪だ。為替レートは輸出に直接的な影響を及ぼす。一時的にウォン・ドル為替レートが上昇傾向になるのは好材料と考える。企業が輸出で稼ぐ収益が増えるからだ。

しかし、このような図式は随分前から破られている。昨年から続いているウォン高相場にも関わらず貿易収支は昨年3月から今年5月まで15カ月連続赤字を記録した。ウォン安ドル高のために急騰したっ原材料価格がかえって収益性を蝕んだ結果だ。輸出企業の意見も同様だった。

中小企業中央会が中小輸出企業304ヵ所を対象に実施したアンケート調査結果によると、中小企業が望んだ適正為替レートは1ドル当たり1262ウォンだった。5日のウォン・ドル為替レート(1333.5ウォン)より5.3%低い。

(中略)

チョン・ヨンテクIBK投資証券首席研究委員は「韓国の為替レートは中国経済の変化を敏感に反映している」と話した。「グローバル投資家は中国と経済的繋がりが高く、市場が開放された韓国を中国の代替市場と認識する傾向がある。中国経済危機の可能性に、韓国の為替レートがより大きく動く理由だ。中国経済が不安になるほどウォン安ドル高への圧力は大きくならるを得ない。これは景気の流れが良好で金利を高い水準に維持する米国への資金移動をさらに加速する要因だ。為替レートが今の水準から下がるのは難しそうだ」。

昨年2月24日に始まり1年6ヵ月を超えたロシア‐ウクライナ戦争も韓国経済の弱い輪の一つだ。

(中略)

実際、ロシア‐ウクライナ戦争が原材料価格に及ぼした影響は相当だ。これは7月17日、ロシアの黒海穀物協定終了の便りが市場に及ぼした影響を通じて垣間見ることができる。

(中略)

今年7月12日、ブッシェル(27.2キロ)当たり632ドルまで下落した小麦先物価格は、ロシアが黒海穀物協定終了のニュースを受けて760ドル(7月25日)へと垂直上昇した。 ロシアの全世界小麦市場シェアは27.0%に達する(国際貿易開発会議基準)。

(中略)

ロシア‐ウクライナ戦争の長期化は韓国経済にも得にならない。韓国貿易協会の輸出統計によると、韓国はNAFTAをはじめ原油、柔軟炭、天然ガス、無煙炭などの原材料をロシアから輸入している。ウクライナも2021年基準で穀物(8位)とひまわり種油(9位)などを輸入する韓国の主要取引国の一つだ。

ソン・テユン延世大学(経済学)教授は「地政学的リスクによる原材料価格上昇は、わが国に費用増加という否定的影響を及ぼす」として「戦争がいつ終わるか予想しにくいということも下半期の景気回復期待感を低くする要因」と批判した。



ザ・スクープ「경제 낙관론 뒷편에 흐르는 '나라 밖' 비관론 [視리즈](経済楽観論の裏側に流れる「国外」悲観論)」より一部抜粋

「中国と経済的繋がりが高く、市場が開放された韓国を中国の代替市場と認識する」...つまり、韓国という「窓」を通じて中国市場に投資していたということですね。
サラっと言っていますけど、コレ「韓国経済は中国経済の影」と言われているようなもので、韓国的には屈辱的な見られ方ではないでしょうか?