「日米と中が韓国を引き留めようと動き始めた」という主張の話

予想された事態ではありますが、早速出てきた「韓国モッテモテ」記事をご紹介します。

※ユン(尹錫烈)さんの名前の表記についてですが、日本外務省が「ユン・ソンニョル」表記であることに加え、NHKの表記が5月10日以降、「ユン・ソンニョル」に変更になったようなので、当ブログもそれに合わせて「ユン・ソンニョル」とすることにします。

 



聯合ニュースの記事からです。

ユン政府引き入れる米日・中は牽制..周辺国の神経戦本格化


(前略)

ユン・ソンニョル政府が米中競争構図で米国に傾く外交的方向の再設定を予告した中で、自由主義陣営に韓国を確実に取り込もうとする米国・日本と、これを警戒する中国の綱引きが可視化するのだ。

ユン大統領の就任式を機に韓国を訪れた外交使節や各国の政府の発言からこのような様相が窺い知れる。

米国は韓米が「価値」を共有する同盟であることを強調している。
ライス国務省報道官は9日(現地時間)、ユン大統領就任と関連して「韓米同盟が持続し、共通の利害を追求し、共有する価値を保護することを共にできると確信する」という立場を示した。

(中略)

日本も米国主導の同盟連帯に韓国を積極的に引き込もうとする動きを見せている。
就任式使節として韓国を訪問した林芳正日本外相は「規則に基づいた国際秩序が脅かされる状況で韓日、韓米日の戦略的協力が必須」と強調した。
「規則に基づいた国際秩序」が脅かされるという文言は通常、米国が中国の影響力拡大を批判するために使う表現だ。韓米日3ヵ国が協力を強化し、中国との競争の高まりに共に対応しようという趣旨と解釈される。

(中略)

ユン・ソンニョル政府発足に伴う新しい韓米日協力は、バイデン大統領の今月20〜22日の訪韓と、その直後に行われる訪日およびクアッド(Quad)首脳会談を通じて具体的に姿を現す見通しだ。

特にバイデン政府の反中国経済構想である「インド太平洋経済フレームワーク」(IPEF)が今回の韓日歴訪を通じて本格的に第一歩を踏み出す可能性が提起されている。

(中略)

外交部当局者はバイデン大統領の韓日歴訪でIPEFが公式スタートする可能性について「まだ決まっていない」と明らかにした。

ただし、この当局者は「政府はずっと開放的、包容的で透明な域内協議体に参加できる、という立場を堅持してきた」とし「IPEF参加もまた、そのような次元で肯定的に検討中であり、米国をはじめとする主要関係国と協議進行中」とも付け加えた。
IPEFに発足段階から積極的に参加するという意思を示したものと分析される。

中国は歴代最高人事であり、習近平国家主席の側近である王岐山国家副主席を就任式に派遣し、韓国の対米密着を牽制した。
特に王副主席が前日、ユン大統領を表敬訪問した席で「中韓経済は相互補完性が強く、互恵協力の潜在力が大きく、両国間の産業供給網は切っても切れない関係を持っている」と言及した部分は意味深長だ。

(中略)

王副主席は、韓国が議長国の順番である韓中日首脳会議を主催することを尊重するとし、韓国側とともに「中韓日+X」協力を推進するという発言もした。「中韓日+X」とは、従来の韓中日3カ国の協力体制に加え、もう一カ国参加させて拡張しようという趣旨の提案と見られる。

(後略)



聯合ニュース「尹정부 끌어들이는 미일·中은 견제..주변국 기싸움 본격화(ユン政府引き入れる米日・中は牽制..周辺国の神経戦本格化)」より一部抜粋

記事中、林さんの発言箇所で「韓日」「韓米日」と変更(林さんは「日韓」「日米韓」と言ったはず)されているのに、王さんが「中韓」と言った箇所がそのままなのは原文ママです。こうした細かいところの統一が取られていないのは韓国メディアではよくあります。うっかりなのか、染み付いた序列意識なのかは分かりません。

しかし、韓国はモッテモテ...というか、「選ぶ権利は韓国にある」との願望が透けて見えるようです。太字にした箇所はまさにそうした色が濃く出た部分ではないでしょうか?
クアッド首脳会談で、米国が何か韓国のために口利きをしてくれる、とか、IPEFは外交部関係者は「まだ決まってない」と言っているが、韓国がその気にさえなればすぐにでも受け入れられる...そんな見方の書きっぷりに思えるのです。

その根本にあるのは「韓国は何もしなくて良い」との考えでしょう。韓国は何もしなくても周りが良きに計らってくれる...現代の両班思想とも言えるものです。

 

そいえば、「韓国モッテモテ」説が出てくるたびに思い出すイラストがあります。




元ネタがどこか分からないのですけど、2017年にムンさんが就任後、初の国際舞台であるG20に参加した時のものです。
タイトルは「みんなが羨む大統領」。
これはムンさんの絵ですが、ムンさんに限らず韓国の自画像はいつも「こう」です。だから相手にされなかったとき、その理由はいつでも相手の「嫉妬」になります。