韓国「3不は合意でも約束でもない」、中国「対外政策は連続性を維持すべき」という話

いわゆる「THAAD3不」...「THAAD追加配備せず、米国のMD(ミサイル防衛)システム不参加、日米韓3ヵ国軍事同盟なし」は、2017年10月、当時のムン政権下で出てきたものです。
これは中韓の非公式接触の下、韓国側が中国の「懸念」に対して行った「説明」とされており、韓国の公式見解として「合意ではない」となっています。

8月の訪中を控えてパク・ジンさんが国会答弁で3不について再び「3不は中国と約束したり合意したのではなく、私たちの立場を説明したもの」と話しました。ムン政権と同じ認識を示したことになります。
これに対して中国外交部の報道官が記者の質問に答える形で「政権が変わったからと言って背を向けることはできない」と、事実上の「約束履行」を迫っています。

ユンさんは候補者時代、THAAD配備について「韓国の主権の問題」と話していました。対外政策は対日から対中に移行しているとの報道が出たばかりでしたが、対日は「徴用・慰安婦」、対中は「THAAD問題」と、どちらも前途多難な予感です。

 



聯合ニュースの記事からです。

中国、「サード3不」維持要求...「新しい官吏が過去の負債に背を向けられない」(総合)


中国政府が韓国がムン・ジェイン政府時代の2017年に表明した「サード(THAAD・高高度ミサイル防衛体系)3不」(サードを設置せず、米国MD・韓米日軍事同盟不参加)を維持しなければならないという立場を明らかにした。

趙立堅中国外交部報道官は27日、定例ブリーフィングである中華圏メディアの記者から「3不政策は私たちが中国と約束したり合意したのではなく、私たちの立場を説明したと理解している」という最近のパク・ジン外交部長官の発言に対する論評を要求されると、「韓国は2017年のサード問題に対して慎重な立場を明らかにした」とし「これは両国間の相互信頼の深化と協力に重要な役割を果たした」と話した。

趙報道官は続いて「新しい官吏(指導者)は過去の負債に背を向けることはできない」とし「隣国の安保と関連した重大かつ敏感な問題に対して韓国は引き続き慎重に行動し、根本的な解決策を模索しなければならない」と主張した。

彼は「どの国であれ、どの党が執権しても、対内的にどのような政治的需要があっても対外政策は基本的な連続性を維持することが歴史尊重であり自己尊重であり隣人間の疎通として当然あるべき道理であることを強調する」と話した。

(中略)

続いて「中国は対話と協力を通じた韓半島問題解決を一貫して主張し、長年韓半島非核化の実現と韓半島の恒久的平和体制維持樹立のために絶えず努力し、韓半島の全般的平和と安定局面を維持した」とし「中国側は引き続き責任ある態度でこのために建設的役割を果たす」と述べた。

(後略)



聯合ニュース「중국, '사드 3불' 유지 요구…"새 관리가 과거부채 외면못해"(종합)(中国、「サード3不」維持要求...「新しい官吏が過去の負債に背を向けられない」(総合))」より一部抜粋

私は中国(中共)とは価値観を共有出来ないと思っておりますけれど、太字にした部分に関しては同意します。
条約や協定などの公式合意、約束が無かったとしても基本路線(スタンス)としての一貫性は大事です。路線を変更するのであれば何かしらの不利益を被る覚悟があってこそ、と思います。
そういう決断が韓国政府に出来るのかどうか...ユンさんは候補者時代はそこそこ威勢の良いことを言っていましたけれども徐々にトーンダウンしてきて、中国側から「踏ん切りは付かない」と見なされたのではないでしょうか?

3不が合意や約束ではなく韓国の「立場(努力目標?心意気?)」とするのはムン政権の頃から言っていたことではありますけれども、その都度都度で都合の良いことを言ってその場を何とかやり過ごすことが内外に不信しか生まないという例ですね。