サード運用正常化に動き出したユン政権の話

ユンさんがサード正常化に向けて動き出しました。上手くいくかどうかはともかく。

外交部長官の訪中前に「ちゃんと話して分かってもらう(意訳)」と言い出した(これはチップ4についてですが、広義の意味ではサードも含まれるでしょう)ときは「大丈夫かこの人...」と思いましたが、とりあえず「安保」については完全に米韓同盟に軸足を置く心構えだけは決まっているようです。

ただ、具体的にいつ正常運用となるのか、どうなれば正常運用なのかはよく分かりません。
今のところ発表されているのは今月中に敷地の供与手続きを正式に終えて仮設置となっている砲台をきちんと据え置くことだそうです。
これをもって「正常運用」と言うのであれば「今月中」ということになります。土地供与という手続き(書類)の問題であるのなら、まあ出来なくもないと思います。
しかし環境影響評価が終わっていないようで、これがいつになるのかは分かりません。

 



世界日報の記事からです。

サード議論に..ユン「外交の原則は国益、韓米同盟はグローバル外交の基礎」


ユン・ソンニョル政権は12日、「韓国外交の原則と基準は国益」とし、「韓米安保同盟を越え、経済安保まで網羅する同盟は韓国が全世界を相手に追求するグローバル外交の基礎だ」と明らかにした。サード(THAA ・高高度ミサイル防衛システム)の配備をめぐる中国の牽制・圧迫に対し、国益の観点から対抗するという意味と解釈される。

ユン大統領は同日、龍山大統領室への出勤途中、「韓国が米中間で選択を求められるような局面だが、韓国外交の原則は何か」という質問にこのように答えた。それとともに「不必要にどこかの国と摩擦を生じさせたり誤解を生じさせることがないよう常に相互尊重と共同利益を追求していく」と強調した。

(中略)

ユン・ソンニョル政府はムン・ジェイン政府の3不の立場継承を拒否し、慶北星州の在韓米軍サード基地正常化にも速度を上げている。政府は星州基地の地上接近が常時可能になるよう今月中に敷地供与手続きを終え、現在、臨時に配置されたサード砲台を正式配置する「基地運用正常化」のために環境影響評価手続き進行にも速度を上げるものと見られる。

(後略)



世界日報「사드 논란에.. 尹 "외교 원칙은 국익, 한미동맹은 글로벌 외교 기초"(サード議論に..ユン「外交の原則は国益、韓米同盟はグローバル外交の基礎」)」より一部抜粋

「誤解や摩擦が無いように」と言いますが、ここで言う「誤解」は、中国ではなく北朝鮮を警戒してのもの、という意味でしょう。ですが、そんな簡単な話でしょうか?

例えば、隣家が防犯のために設置した防犯カメラが自分の家の寝室、リビング、浴室等々の窓から室内を映せる画角になっていたら...生活が監視されているようで落ち着きませんよね。いくら「防犯ため」と言われても納得いきません。
この「防犯」の部分を「北朝鮮」に置き換えると、韓国が中国に「わかってくれ」と説明している内容になります。

韓国は「目的(北朝鮮 not 中国)」のためにサードが必要ですが、中国はそれがもたらす「結果(中国領土内も監視できる)」のために見過ごせないわけです。

場当たり的に調子よく「3不」などとテキトーぶっこいた前政権のために大変そうですね。