中国「韓国は対外的に3不1限宣誓を正式に行い...」の表現を修正、韓国「表現の軟化は韓国への配慮」という話

韓中外相会談の発表が尾を引いています。
中国がサード関連の報道資料を「一部」修正したらしいです。報道官が公式記者会見で3不1限について韓国政府が過去に「宣誓を公式に行い...」と発言していた部分を「宣示」という表現に変えた、と。
「宣示」は日本語ではあまり使われない表現かと思いますけれど、「宣言」くらいの意味で良いかと思います。「こうします!」と広く意思表示をした、そんなところです。

一方、最初の「宣誓」だと「公式の約束」との意味合いが強い表現だとのことで、この表現の修正を「韓国政府の立場に配慮した」「韓国の主張が受け入れられたもの」と受け取っているようです。

ですが、中国語では「宣誓」と「宣示」が同じ発音(声調も一緒)なのだそうです。...単に間違い(誤字)を修正したと考えた方が無理がなさそうですが...。

 



聯合ニュースの記事からです。

中国外交部「サード3不1限宣誓」を表記したが「宣示」に修正


(前略)

11日、外交筋によると中国外交部はホームページに掲載した汪文斌報道官の前日のブリーフィングの質疑応答録に当初「韓国政府は対外的に3不1限宣誓を正式に行い...」と記載したが、これを「政策宣示」に修正した。
宣誓と宣示は中国語では発音と声調が同じだ。

アン・ウンジュ外交部副報道官も同日の定例ブリーフィングで「韓国が『3不1限政策』を公式に宣示したという中国の主張は前政権が対外的に立場を明らかにしたことを指すものと理解される」と述べた。

宣誓は対外的な公式の約束というニュアンスが強い反面、宣示は人々に立場を広く表明したという意味に近い。
中国外交部は英語の発言録では該当部分を公式発表という意味の「officially announced」と表記した。

(中略)

中国は韓国が「3不1限」を守らなければならないと主張し拘束力を付与しようと試みてきた。一方、韓国政府は「3不1限」が約束や合意ではなく韓国が従来持っていた立場を一方的に明らかにしたものだと強調している。

中国が当初「宣誓」と表記していたが、一歩遅れてニュアンスが緩和された「宣示」に変えたのはこのような韓国政府の立場を考慮したのではないかという解釈が出ている。
外交筋は「中国も状況を管理しようとする側面があると見られる」と話した。
別の外交当局者は「中国がまだ3不1限を取り上げることには強く対応しなければならないが、既存の合意や約束表現ではなく(ニュアンスが)弱い「宣示」表現を使ったことは、私たちの主張が受け入れられたもの」と話した。

ただ、中国側が最初に意図した表現が「宣誓」だったのか「宣示」だったのかは依然として不確実だ。

(中略)

外交部当局者は前日、「中国側も3不は合意ではなく了解程度で考えているようだ」とし「パク・ジン外交部長官が韓中外相会談で『互いに見解が異なることを認め、未来志向的に考えなければならない』と話した」と伝えた。



聯合ニュース「中외교부 "사드 3불1한 선서" 표기했다가 "선시"로 수정(中国外交部「サード3不1限宣誓」を表記したが「宣示」に修正)」より一部抜粋

いや、韓国の立場を考慮したとかではなく単なる間違いでしょう。中国と北朝鮮相手だとすぐに物事を「好意的」に「(韓国への)配慮」と解釈しようとしますね。

間違いというのは、「3不1限」に合意文書が無いから「宣誓」と表現できないというだけのことです。
じゃあ、合意文書がなければ過去に言ったことでもクルクル翻意していいのか?というと、公式に発した言葉であれば、そこは外交基調や国家間の信用に関わる部分ですから慎重になるべき部分でしょう。

だから中国も、韓国は「口約束」であれ自分たちの立場表明として「公式に(officially)」述べたことは事実なのだから基調路線として一貫すべきだ、と言っているわけです。韓国の副報道官は「前政権が対外的に立場を明らかにしたこと」と、受け取りようによっては「政権が変わったからリセット」とも聞こるようなことを言っていますが...。