サムスンとLGの昨年第4四半期の暫定営業利益が公示されました。市場の事前予測よりかなり悪いです。サムスンは12月頭には7兆ウォン前半(ゴールドマンサックスは12月半ばに5兆ウォン後半)と予想されていましたが、実際は4兆ウォン台。LGはさらにギャップが大きく、事前の市場予想が3193億ウォンだったのに対して655億ウォンでした。
どちらの企業も年間売上としては史上最高となっているので収益性がかなり低下していることが伺えます。また、第3四半期以降は景気低迷の影響で売上そのものが落ち込んでいることも大きな要因でしょう。1年の区切りを変えて昨年の第3四半期~今年第2四半期までで見ると様相が激変するかもしれません。
ソウル経済の記事からです。
サムスン半導体営業利益、昨年第3四半期5兆から第4四半期1兆に墜落...「今が底」下半期反騰期待度
サムスン電子(005930)が6日公示した4兆ウォン台の暫定営業利益は市場でも予想されなかった「衝撃」水準の結果だった。2021年第4四半期に13兆ウォンに達したサムスン電子の営業利益は1年で3分の1水準に急減した。サムスン電子が四半期で5兆ウォン以下の利益だったのは2014年第3四半期以来8年ぶりのことだ。
(中略)
サムスン電子の業績悪化は昨年第3四半期から本格的に感知された。金融情報会社エフアンドガイドによると、サムスン電子の昨年第4四半期の予想営業利益は第3四半期の暫定業績が出る直前の昨年10月初めまでは10兆ウォン水準だった。サムスン電子がその後発表した第3四半期暫定実績で半導体業況不振の中で約3年ぶりに逆成長を記録し、市場の期待値は下がり始めた。昨年11月6日基準のコンセンサス(証券会社の展望地平均)は8兆5821億ウォン水準に下方修正され、12月末には7兆ウォン前半台に再調整された。グローバル投資銀行ゴールドマンサックスは昨年12月19日に発表した報告書でサムスン電子の第4四半期の営業利益が5兆8200億ウォン水準に下がる可能性があると展望した。
(中略)
サムスン電子は「メモリー事業の場合、消費心理萎縮に対する憂慮で顧客会社が緊縮財政基調を強化し、全般的な在庫調整に乗り出した」として「このような影響で会い4四半期購買需要が予想対比で大幅減少し供給会社の在庫増加で価格下落幅も当初の展望対比で拡大した」と分析した。
業界では昨年第4四半期のサムスン電子半導体(DS)部門の営業利益を1兆ウォン半ばと見込んでいる。半導体好調期だった前年第4四半期の8兆8400億ウォンと比べると6分の1の水準だ。
(中略)
今年第1四半期から半導体部門の赤字転換の可能性も提起されている。NAND型フラッシュの場合、第4四半期にすでに赤字転換したという観測が出てもいる。
ここに消費低迷でスマートフォンと家電・テレビなど他の主力事業の業績も良くなかった。需要が不振なうえに原材料・物流費用が急騰したため収益性が大幅に悪化した。サムスン電子は「モバイル事業は需要劣勢でスマートフォン販売・売上が減少し利益が減り、家電事業は市場需要不振と原価負担が持続し収益性が悪化した」と明らかにした。
(中略)
サムスン電子の業績改善のキーポイントはやはり半導体だ。業界はサムスン電子の昨年第4四半期の暫定実績が低迷しているだけに、今年のメモリ事業部門で設備投資と生産量が調整される可能性が高くなったと見通した。不振な会い4四半期実績が「減産はない」というサムスン電子の経営基調に変化を与え、むしろ肯定的な効果を出すことになったということだ。
供給量調整を通じて収益性が改善され中国の「リオープニング(経済活動再開)」、米国の金利引き上げ終了など予想される好材料が実際に続くならば、早ければ今年下半期からは実績改善が現れる可能性があるという観測だ。
(後略)
ソウル経済「삼성 반도체 영업익 작년 3분기 5조서 4분기 1조로 추락···"지금이 바닥" 하반기 반등 기대도(サムスン半導体営業利益、昨年第3四半期5兆から第4四半期1兆に墜落...「今が底」下半期反騰期待度)」より一部抜粋
ものすごく楽観的な意見ですけど、記者は気が付いているでしょうか?サムスン電子が生産量を調整や設備投資を控えて、後はひたすらに「外部要因」が改善されることを耐えて待つしかない、と言っているのと同義だということを。
次はLGの話です。こちらも第4四半期の営業利益が前年同期比91.2%減というアーニングショックです。
国民日報の記事からです。
LG電子、第4四半期の営業利益655億ウォン...前年比91%減「アーニングショック」
(前略)
LG電子は6日、連結基準で昨年第4四半期の営業利益が655億ウォンで、前年同期より91.2%減少したものと暫定集計されたと公示した。四半期の営業利益が1000億ウォン以下に下がったのは2018年第4四半期(757億ウォン)以来4年ぶりのことだ。これは市場が展望した利益展望値(3193億ウォン)を79.5%下回った数値だ。
`第4四半期の業績急減はグローバル景気低迷による需要萎縮の影響でテレビ、家電など主力事業の業績が低迷したことによるものと分析された。原材料価格上昇、物流・マーケティング費用増加、第4四半期のウォン/ドル為替レート急落などが複合的に影響を及ぼしたという分析も出ている。
ただ、昨年1年間の営業利益は売上は83兆4695億ウォンで、前年比12.9%増加した。 歴代最高の年間売上を記録した2021年の記録を破り最高の年間売上を更新した。ただ、年間営業利益は3兆5472億ウォンで、前年より12.6%減少した。年間売上高が80兆ウォンを超えたのは今回が初めてだ。
国民日報「LG전자 4분기 영업이익 655억원…전년 대비 91% 감소 ‘어닝쇼크’(LG電子、第4四半期の営業利益655億ウォン...前年比91%減「アーニングショック」)」より一部抜粋
売り上げが上がってもその分営業利益が縮小していたら、売れば売るだけ赤字ってやつでは...?