米チップス法によるサムスンへの補助金が64億ドルに確定した話

米国がチップス法によるサムスンへの補助金を64億ドルと発表しました。
当初は60億ドルという話でしたので微増したことになります。しかし、一時言われていたようなTSMCを上回るというようなことにはなりませんでした。
補助金の規模でいうと、最大はインテルの85億ドル、次がTSMCの66億ドルとなっています。サムスンTSMCに次いで3番目の規模ということになります。

チップス法では補助金の金額は投資金に対する割合で算出されます。それによると、インテルの投資に対する補助金の割合は8.5%、TSMCは10.2%、サムスンは14.2%と、サムスンが一番高くなります。
韓国メディアはこの点に注目し「投資金に対して補助金の割合がインテルTSMCより高いという点で意味がある」としています。

 



ビズウォッチの記事からです。

サムスン電子に米補助金「9兆ウォン」の意味は


(前略)

今月15日(現地時間)、アメリカ政府はサムスン電子に64億ドル(約8兆8500億ウォン)の補助金を支給すると発表しました。 これは米国が2022年に制定した「半導体科学法(Chips and Science Act、以下半導体法)」に従ったものです。

(中略)

先月、米商務省は、自国の半導体メーカーであるインテルに最大85億ドル(約11兆7500億ウォン)の補助金を提供し、110億ドル(約15兆2000億ウォン)規模の融資支援を行うと発表しています。 さらに今月8日にはTSMC補助金66億ドル(約9兆1200億ウォン)と50億ドル(約6兆9000億ウォン)の低利融資を提供することにしました。

サムスン電子に支給される補助金はこれらよりは少ないですが、業界で推定した60億ドルよりは小幅に増えた水準です。また、米国に投入される投資金対比補助金の割合は、インテルTSMCより高いという点で意味があります。

インテルの場合、1000億ドル(約138兆2000億ウォン)を投資する条件で85億ドルの補助金を受けます。TSMC補助金決定前に400億ドル(約55兆3000億ウォン)だった投資額を650億ドル(約89兆8000億ウォン)に上方修正しました。これによるインテルの投資金に対する補助金の割合は8.5%、TSMCは10.2%です。

サムスン電子の場合、2021年にテキサス州テイラーに170億ドル(約23兆5000億ウォン)を投資することを決めました。これを450億ドル(約62兆2000億ウォン)規模に拡充しました。これによってサムスン電子の投資金に対する補助金の割合は3社の中で最も高い14.2%に達します。当初、米国商務部が「補助金を投資額に比例して決める」という原則を立てたことを考慮すれば、多少異例の結果であるわけです。

(中略)

業界によると、サムスン電子は現在、テイラーに建設中の半導体工場で来年から4ナノメートル(nm)および2ナノ半導体を生産する予定です。テイラーに2番目の工場を建て、2027年から4ナノ以下の先端半導体を量産する計画です。 パッケージングおよび研究開発(R&D)施設も新たに構築する予定です。

ただ、米国の高い人件費のせいで工場建設と運営に莫大な費用がかかると予想されるだけに、現地で期待以下の収益性を記録するという憂慮も出てきます。現在、米国はインフレの影響で人件費が持続的に増えている傾向にあるうえに、半導体人材を確保するためのインテルTSMCとの競争まで始まれば人件費上昇は避けられないと予想されます。

(後略)



ビズウォッチ「[인사이드 스토리]삼성전자에 미 보조금 '9조원' 의미는 (サムスン電子に米補助金「9兆ウォン」の意味は)」より一部抜粋

異例の結果なんでしょうか?サムスンが優遇されていると頑張ってアピールしていますが。
ただ単にインテルTSMCに用意されている低金利融資枠がサムスンには無いというだけのことではないでしょうか?
金利融資に何か別途条件があるのか、サムスン側が低金利融資枠を断ったのか、それとも記事に書いてないだけで本当は融資枠があるのかは分かりませんが、書かない理由が無いので「無い」のだと思います。
私見ですけど、その低金利融資枠分を補助金に上乗せして補完したと考えた方が自然なように思えます。