15~29歳の青年層は49万7000人が就活せず...歴代最大という話

韓国の2月の就業者数は前年同月から31万2000人増加しました。増加とは言っても、昨年5月(93万5000人がピーク)の3分の1水準で、そこから9ヵ月連続で減少傾向が続いています。

更に2月に求職や就活をしなかった(就職放棄者)青年層(15~29歳)が49万7000人で統計を取り始めて以来最大人数であったことが分かりました。年齢層に関係なく全体でみると263万5000人となります。

この「求職や就活をしなかった(全年齢)」人たちは、2016年に162万8000人、2017年に173万6000人、2018年に185万5000人、2019年に209万2000人、2020年に237万4000人、2021年に239万8000人と、毎年最大値を更新しています。韓国のいつもの「悪化する速度が異常に早い現象」が確認できます。

 



ニュース1の記事からです。

青年49.7万人、求職や就活なしで枯れた...歴代最大値


(前略)

20日、統計庁国家統計ポータル(KOSIS)によると、2月の非経済活動人口の中で活動状態を「休止」と答えた15~29歳の青年層は49万7000人と現れた。

2003年1月の統計作成以来、月単位で最大値だ。

「休止」と答えた青年層は昨年2月(45万3000人)から9.9%増えた。今年1月(45万9000人)より大幅に増加した数値だ。

非経済活動人口は満15歳以上の人口のうち就職でも失業でもない状態にあった人を意味する。育児、家事、在学・受講、心身障害などがこれに該当する。

「休止」は非経済活動人口の中でその他に分類され求職活動や就職準備をせずに言葉通り休止という意味だ。

(中略)

先月の青年層就業者は前年同月比12万5000人減少し、385万3000人を記録した。2021年2月に14万2000人が減少して以来、2年ぶりに最大幅の減少だ。

(中略)

先月の全年齢帯の「休止」人口は前年同月対比で6.7%増加し263万5000人と現れた。統計作成以来、2月基準で最大だ。

先月の全体就業者数は31万2000人増加した。増加規模は昨年5月(93万5000人)にピークに達した後、9ヵ月連続で減少傾向を見せている。

ただし、先月の非経済活動人口の中で求職断念者は2月に35万8000人*1で、前年同月対比で15万5000人減少した。

求職断念者は就職を希望し、就職が可能だったが労働市場的理由で働き口を求めていない者のうち1年内に求職経験があった者を意味する。

(後略)



ニュース1「청년 49.7만명, 구직이나 취준 없이 쉬었다…역대 최대치(青年49.7万人、求職や終活なしで枯れた...歴代最大値)」より一部抜粋

日本語訳の補足です。
記事タイトルで「枯れた」と訳した部分の原文は「쉬었다」で、基本形「쉬다」には「休む」や「(声が)枯れる」という意味があります(쉬었다は過去形)。他にも「(食べ物などが)痛む」でも使います。
ただ日本語に訳した場合に求職や就活をしない状態を「休む」と表現するのに違和感を感じるので、タイトルは「(求職・就活への意欲が)枯れた」、本文は「活動状態を休止」と捉えた意訳にしています。

求職断念者の説明が分かりにくいのでこちらも補足しておきます。
心身の健康など特に問題が無く、本人にも働く気があるのだけれど、希望する条件を満たす募集がないために「様子見」をしている人たちの中で、過去1年以内に求職経験があった人を「求職断念者」と言います。「求職経験」の範囲がどの程度なのかはちょっと分かりません。仮に月に一回ハローワークで求人情報を見ていただけでも「求職経験」に該当するなら、相当緩い枠ですね。

で、記事ではこの「求職断念者」が1年前より15万8000人減少している、としています。
希望する職を見つけられて就業者になったのか、求職・就活を「休止」したのか…微妙なところです。

また、先月の全体就業者数は31万2000人増加としていますけれど、これは前年同月比(1.1%増)の話です。もうちょっと細かく見ると、就業者のうち60歳以上が41万3000人増え、60歳未満は逆に10万1000人減少しているという歪な構造が見えてきます。

*1:原文「35년8000명(35年8000名)」は意味不明のため「만(万)」の誤字と判断。