「1965年の請求権協定で韓国政府が個人請求権を一括代理した」という話

WBC優勝しましたね。ドキドキし過ぎで観てらんなくって...スマホで速報チェックしながら最後2アウトからTV点けました。
いやー、良かったです。村上選手の絶不調は準決勝・決勝のための布石だったんですね。


閑話休題
昨日、ユンさんが国務会議の場で日本の「過去の謝罪」と「歴史認識の継承」さらには「1965年の日韓基本条約と請求権協定」にまで踏み込んだメッセージを国内向けに発信しました。
特に請求権については驚いたことに「韓国政府が国民の個人請求権を一括代理して~」と、日本の賠償処理を韓国政府が「引き継いだ」との認識を示しています。

 



韓国日報の記事からです。

ユン大統領「日本はすでに我々に数十回過去史反省と謝罪をした」


ユン・ソンニョル大統領が21日「日本はすでに数十回にわたって韓国に過去史問題に対して反省と謝罪を表明している」と述べた。

ユン大統領は同日、龍山大統領室で行われた閣議で「最も代表的なのが日本が韓国植民地支配を別に特定して痛惜な反省と心からの謝罪表明をした1998年の『金大中-小渕宣言』と2010年の『菅直人談話』だ」と述べた。

ユン大統領は「今回の韓日首脳会談で日本政府は『金大中-小渕宣言』をはじめ歴史認識に関する歴代政府の立場を全体的に継承するという立場を明確にした」と強調した。また「1965年の韓日基本条約と韓日請求権協定では韓国政府が国民の個人請求権を一括代理して日本の支援金を受領するとされている」とし「このような基調の下、歴代政府は強制徴用被害者の方々の痛みを治癒し、適切な補償がなされるよう努力してきた」と説明した。

(後略)



韓国日報「윤 대통령 "일본, 이미 우리에게 수십 차례 과거사 반성과 사과했다"(ユン大統領「日本はすでに我々に数十回過去史反省と謝罪をした」)」より一部抜粋

この記事で注目したいところは太字にした部分です。まさかここまでハッキリ言うとは思っていませんでした。(他にも中国で日本軍が行ったとされる行為について言及しているのですが、韓国メディアはそちらはあまり注目してないみたい?です)
もっと早く...例えば、徴用賠償解法とか官民協議体とかでゴチャゴチャやっているときに言えなかったのだろうか、と思わなくもありませんが。解法発表→日韓首脳会談→G7招待...と、勢いに乗せて進めるために機を狙っていたのでしょうか?だとしたら意外と(?)策士かもしれません。
問題はこれで国内の反発を鎮められるとは思えないところです。逆に油を注いだような気がします。それでも押し通す覚悟があるということでしょうか。だと良いのですが。


日韓関係改善に関してもう一つ、ホワイト国関連でも動きがあったようです。
今のところ日本側の措置としては、韓国によるWTO提訴の取り下げを受けて「三品目の運用見直し」の段階です。これらの先端技術素材の包括許可は相互となっているので、韓国がホワイト国に再度指定されるためには韓国側も日本をホワイト国に戻さないといけません。そのための行政手続きに入るそうです。
記事の説明をそのまま信じるなら、「単純手続き」であり「内部決済などお決まりの流れ」であるらしいです。

 

 



アジア経済の記事からです。

「韓日復元」スピード戦...「ホワイトリスト」今週の立法予告


(前略)

22日、大統領室などによると政府は前日午後から相互輸出手続き簡素化の恩恵を与えるホワイトリストに日本を再び含めるための「戦略物資輸出入告示」改正に着手した。大統領室関係者は「今週中に立法予告まで直ちに入るというのが目標」として「日本をホワイトリストから排除したことを復元する単純手続きであるだけに内部決済など決まった意思決定過程を素早く推進する方針」と明らかにした。

(中略)

しかし政府は意思決定のような内部行政手続きを最小化した後、立法予告を急いで韓日経済分野の回復の起爆剤として使う方針だ。韓日関係断絶の象徴だったGSOMIAとホワイトリストがまず解決されてこそ、本格的な復元過程を始めることが出来るという計算だ。

(中略)

産業通商資源部と中小ベンチャー企業部など経済産業省長の後続措置も早い。産業部は日本と製造業ネットワーク協力拡大のための通商政策モデル研究に直ちに着手し、中小ベンチャー企業振興公団などと素材・部品・装備輸出のための貿易使節団派遣を準備中であることが確認された。

(中略)

大統領室も韓日両国の共同利益を議論する協議体を対象に復元手続きに乗り出した。国家安全保障会議NSC)レベルの韓日経済安保対話が代表的で、核心技術とサプライチェーンなど主要イシューに対する協力が細部的に扱われる機構だ。このほか産業部と経済産業省間のエネルギー協力対話、韓日外相定例協議体、開発協力政策協議会なども再開を議論しているという。



アジア経済「'韓日 복원' 속도전… '화이트리스트' 이번주 입법예고(「韓日復元」スピード戦...「ホワイトリスト」今週の立法予告)」より一部抜粋

人によって思惑はそれぞれでしょうが、経済的繋がりを強化することが、韓国をこちら(西側)に留めておく手綱になる、と信じている人が一定数いるであろうことは予測できます。安保を経済で買っているように見えなくもありません。
その是非はともかくとして、であれば韓国内の親北派の人たちに対しても何らかの措置を講じてもらわないと、また同じことの繰り返しでしょう。
ユンさんは就任後、安保は米国としていますし日韓関係改善には意欲的ですけど、北や北寄りの勢力に対する直接的な措置や立場と言うのはあまりはっきり示されていないように感じます。