第2四半期の家計信用リスク指数「42」は「カード大乱」当時並みの水準という話

ユンさんが訪米中です。今回は中身がどうこうというより「12年ぶりの国賓」という扱いに象徴的な意味があるのではないか、な気がしています。
本番の首脳会談はアジア時間の夜になるので、詳報は明日以降でしょうね。ただ韓国メディアは早くも「お土産」に興味津々ですが。

本日はまたぞろ経済ネタです。韓国の経済がヤヴァイというのはもう分かっていることとは思いますが。韓国が日韓関係や米韓関係に気を使うときは大抵経済がヤヴァイときです。そういう意味では、韓国でも「安保」と「経済」は「日米頼み」で一致していますね。

以前、何かの時に触れましたが「カード大乱」とか「カード事態」と呼ばれる出来事が2003年~2006年頃に起こりました。IMFからの流れの中で起こったことです。このとき、何次か知りませんが「韓流ブーム」とかFIFAとか、日韓友好(すり寄り)が盛り上がってた時期ですよね。

なにがあったか乱暴な言い方をすると「カードをジャンジャン使いましょう」政策により、多数の信用不良者を生んだ出来事です。最大370万人が信用不良に陥ったとされています。その時の信用危険指数は44でした。
本日、韓国銀行が展望値として出した今年第2四半期(4月~6月)の信用危険指数は42。随分近づいてきました。

 



毎日経済の記事からです。

「借金に苦しむ」...家計信用危機の見通し、カード自体以来「最高」


(前略)

韓国銀行が26日発表した2023年第1四半期動向および第2四半期展望を盛り込んだ「金融機関貸出形態サーベイ結果」によると、今年の第2四半期中に国内銀行が住宅担保貸出と信用貸出がある家計に対して展望した信用危険指数は42を示した。

これは10%を超えた延滞率で信用危険が大きくなった2003年の第2、3四半期(44)のカード事態水準に匹敵する水準であり、COVID-19 の影響が本格化した2020年の第2四半期(40)より高い数値だ。

第1四半期の家計信用危険指数は39で直前四半期の昨年の第4四半期(39)と同じ水準を維持した。

(中略)

パク・ジャンホ韓銀金融安定局金融リスク分析部銀行リスクチーム長は「貸出金利上昇に伴う利子負担の増大、最近の脆弱階級層を対象とした包容金融拡大戦略推進などの影響を受け、家計の信用リスクが前四半期より高くなると予想された」と話した。

実際、家計貸出金利と信用リスクを測る延滞率を見れば、まず家計貸出金利(残高基準)は2021年12月末で年3.01%、昨年の12月末で年4.66%、今年2月末で年4.95%と上昇している。

同期間の家計貸出延滞率は0.16%、0.24%、0.32%と同様に上昇傾向を見せている。このうち受託ローンを除いた家計融資(信用融資など)の延滞率は2月末基準で0.64%で前月末と比べ0.09%ポイント上昇した。

(中略)

パクチーム長は「家計貸出の場合、しばらくの間減少傾向が続いたうえ、最近政府が規制地域多住宅者に対する住宅担保貸出LTV上限を0%から30%に緩和するなどの影響で国内銀行は住宅資金貸出を中心に緩和的態度を継続するものと見られる」と説明した。

(後略)



毎日経済「“빚에 시달린다”…가계신용위험 전망 카드사태 이후 ‘최고’(「借金に苦しむ」...家計信用危機の見通し、カード自体以来「最高」)」より一部抜粋

「カード大乱」の時とは状況も規模も違うとは思います。
しかし、韓国政府が現時点で何か具体的な経済対策を取っているかというと疑問です。記事中でも触れられていますが、多住宅者...つまり不動産を複数所有している人に対してムン政権が課した規制を緩和することで落ち込んだ不動産市場を活性化させようとしているだけです。やっていることは「国民が借金して経済を回せ」と。今までと同じです。
遠からず限界が来ると思うのですが...。