WP、「誤訳」騒動を受け異例の原文公開した話

ユンさんのワシントン・ポストとのインタビュー記事が大きな騒動になっています。
この中でユンさんは「100年前の歴史のせいで(日本人が)跪いて(許しを請わなければならない)という考えは受け入れられません」と発言しています。
英語の原文ではこの部分

「I can't accept the notion that because of what happened 100 years ago, something is absolutely impossible [to do] and that they [Japanese] must kneel [for forgiveness] because of our history 100 years ago.」

となっています。
「I can't accept」が「受け入れられない」で、主語が「I」なので当然ユンさんが「受け入れられない」となります。「to do」や「Japanese」は英訳の過程で記者が入れた注釈になります。

当然と言えば当然ですが、この発言が大炎上しています。野党はもちろん、与党内からも発言の撤回と謝罪を求める声が高まると、大統領室はこの発言を「誤訳」と発表しました。「受け入れられない」のは「日本が」だ、と。
つまり「I can't accept」ではなく「Japan can't accept」だと。それはそれで、韓国大統領がなんで日本の立場を代弁してるの?という別の問題が持ち上がりそうですが...。

それはともかく、大統領室はインタビュー内容をハングルで公開してまで「誤訳」を強調しています。ハングルでは主語を省略した文章だったから誤訳が生じたという趣旨の主張です。

ところが本日、該当記事のインタビュアーだった記者(名前から恐らく韓国系と思われる)が録音データから起こした「ハングルの原文」記事を公開しました。その中身は大統領室が公開したものと異なります。

 



オーマイニュースの記事からです。

「誤訳」主張に原文を公開したWP...大統領室のハングル公開版とは違った


(前略)

ユン・ソンニョル大統領の<ワシントン・ポスト>インタビュー後、暴風が連日続く中、該当記事を作成した記者本人が当時の大統領発言原文を公開した。国民の力は韓国語で行われたインタビューが英文に訳される過程で<ワシントン・ポスト>の誤訳の可能性を提起し鎮火に注力してきた。しかし同日、ユン大統領が直接発した内容が明らかになり、主語省略、または誤訳の可能性は基本的に無くなった。

(中略)

ワシントン・ポスト>のミシェル・リー記者(韓国名:イ・イェヒ)は25日午前、自身のツイッターに「Regarding questions of translation error, I cross-checked with audioagain, here it is word-for-word」と書き込んだ。「翻訳エラー(translation error)」に対する疑念が提起され、ユン大統領のインタビュー当時の録音内容を再度確認(cross-checked)したとし、波紋を呼んでいる文章全体を公開したのだ。

彼女のツイートによると、ユン大統領は当時「本当に100年前のことをもって、今ヨーロッパでは戦争を何度も経験しその残酷な戦争を経験しても未来のために戦争当事国が協力していますが、100年前のことで『絶対にだめだ』、『無条件に跪け』という、これは私には受け入れられません」と語った。

(中略 ※WPが公開した記事の内容と、それにより激しい糾弾があったことに触れ)

すると、龍山大統領室海外広報秘書官室は、ユン大統領の発言背景について「このようなやり方での接近が未来の韓日関係の役に立たないという趣旨から始まったもの」とし「韓日関係正常化は必ず行わねばならず遅らせることはできない」と追加説明した。

(中略)

特に「インタビュー記事で引用されたユン・ソンニョル大統領の発言は以下の通りだ」とし、ユン大統領の韓国語発言をマスコミに公開した。大統領室が公開した文章は「今、ヨーロッパでは残酷な戦争を経験しても未来のために戦争当事国が協力しています」とし「100年前のことで『絶対だめだ』、『無条件に跪け』というのは受け入れられません。これは決断が必要なことです」だった。「受け入れられない」という述部の主語が省略されている。

(中略)

国民の力は大統領室が公開した内容を元に野党の攻撃を積極的に防御してきたが、該当論旨が崩れることになった。ユ・サンボム首席報道官は24日、「大統領室の発言ごとに偽ニュース扇動に利用する民主党。どうか理性を取り戻しなさい」というタイトルの論評を通じて「大統領室が公開した韓国語インタビューによれば、ユン・ソンニョル大統領は欧州の未来志向的協力を強調し主語を省略したまま該当文章を使った」と強調した。

彼は「該当文章は『無条件にだめだ、無条件に跪け』というのは(日本が)受け入れられない、と解釈しなければならない」とし「すぐ後ろに『これは決断が必要だ』と言ったことを見ればこれが常識的だ」と主張した。

(中略)

ユ・サンボム報道官は25日午前、MBCラジオ「キム・ジョンベの視線集中」とのインタビューでも「ハングル原文を見れば主語が抜けている」として「これによって解釈で英語翻訳が多少誤解の余地があるように翻訳された」と強調した。

(中略)

国民の力関係者らは同日、同じ趣旨のメッセージを発信した。さらに「ワシントンポスト」のせいにした。

(中略)

キム・ジョンジェ国会議員もまたYTNラジオ「ニュースキング・パク・ジフンです」に「『日本』という主語が解釈から外れたようだ」として「マスコミにも問題を提起しなければならない」とまで話した。

(後略)



オーマイニュース「'오역' 주장에 원문 공개한 WP... 대통령실 한글 공개본과 달랐다(「誤訳」主張に原文を公開したWP...大統領室のハングル公開版とは違った)」より一部抜粋

ユンさんの発言とされるハングル原文は以下です。

「정말 100년 전의 일들을 가지고 지금 유럽에서는 전쟁을 몇 번씩 겪고, 그 참혹한 전쟁을 겪어도 미래를 위해서 전쟁 당사국들이 협력하고 하는데, 100년 전에 일을 가지고 '무조건 안 된다', '무조건 무릎 꿇어라'라고 하는 이거는 저는 받아들일 수 없습니다

太字の部分を直訳すると「私は受け入れること出来ません」になります。


WPもフェイクニュース呼ばわりされたらたまりませんし、記者も記名記事ですから。反論するのが当たり前です。
何かあるとすぐ人のせい、非難されればすぐバレるその場しのぎの嘘で乗り切ろうとする...ダメな大人の見本みたいになっていますね。
これがあるから韓国ウォッチは止められません。本当に良い反面教師です。