韓国教授「福島の水、用意すれば放流濃度で薄めて飲む」という話

数日前の話になりますが、福島原発の処理水について、韓国の大学教授が生物学研究情報センターの掲示板上で「処理されたものを持ってくれば放流濃度に希釈して飲む」と、実名と連絡先を開示した状態で書き込みました。韓国の学者がこの立場を取ったのは初めてだそうです。
この件を報じた朝鮮日報の記事によると、この教授は「放射性医薬品学」の専門家だそうで、福島処理水に含まれる三重水素が1リットルあたり1500ベクレル未満であるなら「飲んだ時に受ける実行線量は0.000027mSvであり、これはバナナ1本に含まれるカリウムによって受けることになる実行線量0.0001mSvの約4分の1」と指摘しています。
大手メディアではありませんが、教授に電話インタビューした記事がありましたので紹介します。

 



忠北日報の記事からです。

日本汚染水論争に飛び込んだパク・イルヨン教授「歪曲される真実を知らせ国民を安心させる」


(前略)

パク教授は12日、中北日報との電話インタビューで福島汚染水放流反対運動と関連し、2008年に起きた狂牛病事態と比較して説明した。

彼は「狂牛病事態は韓国政府の決定であり、国民の圧力で防ぐこともできた事案だったが、今回のことは日本の決定を韓国の圧力で防ごうというもので効果面では少し異なる可能性がある」とし「福島汚染水放流を防がなければ国民不審で韓国水産業界は倒れる『諸刃の剣』になってしまう」と憂慮を示した。

そして「国際法三重水素放流は防げず、よく知られていないが韓国も年に200TBq程度の三重水素を放流している」とし「(国際原子力機関IAEAが福島汚染水放流に問題が無いと結論を下せば)日本は福島汚染水を毎年海洋に放流するだろうし、誇張された恐怖が積もれば結局韓国水産業界は倒産することになる」と話した。

(中略)

パク教授は「政府機関の発表も信じずに専門家が話せば『何か受け取ったのか』という誤解に繋がっている」とし「韓国政府は日本の試験成績資料の公開と試料の直接採取を繰り返し要求し国民不安を減らさなければならない」と話した。

(中略)

パク教授は放送出演など対外的な活動を2度ほど行う予定とし、福島汚染水放流についてパク教授と反対の立場にある専門家たちが大討論会を提案すれば避けないと述べた。

続けて「福島の水を持ってきて薄めて飲む場が用意されればその水を飲む」と公表した約束を守るとも公言した。

その他一切の対談はせず、ただ説明を必要とするマスコミとのインタビューなどには応じると述べた。

パク教授は「勉強した知識は自分のものだけではないでしょう。必要な時に開放しなければなりません。(文で明らかにしたように)これからもずっとそう主張します。国民を安心させなければならない」と述べ、所信を維持するという意志を示した。

先立ってパク教授は「私は処理された福島汚染水を持ってくれば放流濃度で薄めて飲む」とし「科学と判断する事案を主観的な感じに歪曲するな」という文を生物学研究情報センター(BRIC)インターネットコミュニティに載せた。

彼はこの文で「汚染水を処理した後、三重水素を放流濃度である1リットル当たり1500ベクレル未満に希釈した水1リットルを飲んでも私が受ける実効線量は0.000027mSv(ミリシーベルト)」とし「これはバナナ1本を食べる時、バナナに含まれたカリウム-40などによって受ける実効線量0.0001mSvの約1/4」と主張した。

パク教授は「福島汚染水全体に含まれた三重水総量*1である780TBqを想定しても北太平洋海水に希釈され、韓国近海に戻る時の濃度水なら一生飲んでも問題ない」とし「人はすでにそれより高い放射線量が含まれた食べ物を毎日食べて飲んで生活している」と説明した。

(後略)



「일본 오염수 논쟁 뛰어든 박일영 교수 "왜곡되는 진실 알려 국민들 안심시키겠다"(日本汚染水論争に飛び込んだパク・イルヨン教授「歪曲される真実を知らせ国民を安心させる」)」より一部抜粋

本日12日は韓国の首相のハン・ドクスさんも安全が確認されれば「飲む」と言ったとか。
いや、飲まんでいいから。
安全=飲料水使用可ではありません。そこで妙な誤解がまた広がりそうです。
飲料用に処理(ゴミを取り除いたり殺菌したり)されていませんからね、人体には無害でもお腹壊すかもしれませんよ。その方が面倒くさいことになりそう。


記事を読んだ印象では「ノリノリ」での表明ではありません。ややこしいことには極力巻き込まれたくないタイプの人だと思います。
それが専門家として声をあげなければ、と思うほど集団ヒステリー化しているということでしょうか?

*1:原文「소량(少量)」だと意味が通じないので、「총량(総量)」の間違いとして解釈。