超技術格差の象徴だった折りたたみスマホ、1年で中国シェア半減…最下位という話

半導体やバッテリーの話でよく出てくる言葉ですが、 「超技術格差」 というものがあります。特に半導体関連では日本の半導体産業復活や中国の猛追などについて報じつつ、韓国の立場としては「超技術格差があるから問題ない」という結論に着地するための非常に便利な言葉です。

一般的にこの「超技術格差」は、メモリなら高帯域幅メモリ(HBM)、スマートフォンならプルタブルフォン(折りたたみスマホ)を指します。
特に折りたたみスマホに関しては、サムスンが先行企業ということもあり大きなシェアを占めていました。
ほんの半年とか1年ほど前まで、韓国メディアの論調からも「自信満々」という印象を受けたのですけど、中国国内で圧倒的1位だったサムスンのプルタブルフォンのシェアがあれよあれよという間に半減、最下位に転落したのだそうです。

 



ヘラルド経済の記事からです。

圧倒的な1位だったのに...「最下位墜落」、信じていたサムスンまで「ふらふら」


(前略)

27日、市場調査会社IDCによると、今年第1四半期、中国プルタブルスマートフォン市場でサムスンプルタブルフォンが5.9%のシェアを記録し、5位に墜落した。昨年11%のシェアを記録したことと比べると半分に減った。5位なら事実上最下位レベルだ。 まだフォルダブルフォンを作るメーカーは少数だからだ。

復活した中国ファーウェイが44.1%で1位に上がった。続いてオナーが26.7%で2位に上がり、ビボが12.6%で3位、オッポが9%で4位を記録した。

(中略)

サムスンスマートフォンは世界最大市場の中国で苦戦している。市場シェアが0~1%水準だ。にもかかわらず、プルタブルフォンは中国に大きくリードしているという評価を受け、波乱を起こした。

しかしプルタブルフォンまでサムスン製品をコピーしていた中国に完全にやられた。サムスン製品をコピーしていた中国が予想より早く技術力でサムスンに追いつき、ここに「愛国消費」の余波が大きいと分析される。

中国だけでなく、全世界市場でもサムスン電子が中国に1位の座を明け渡すという衝撃的な調査も出た。中国の脅威にサムスンにも赤信号が灯った。

全世界の市場調査業者DSCCは、中国ファーウェイが強大な自国市場を前面に押し出し、サムスン電子を抜いてプルタブルフォン1位に名前を上げるものと予想した。

(中略)

一方、中国の「愛国消費」でiPhoneも墜落している。中国スマートフォン市場で1位だったiPhoneは4位に墜落した。IDCによると、今年第1四半期、中国スマートフォン市場で中国のオナーが17.1%で1位を占め、ファーウェイ(17.0%)、オッポ(15.7%)、アップル(15.6%)の順だった。



ヘラルド経済「압도적 1위였는데…“꼴찌 추락” 믿었던 삼성마저 ‘휘청’(圧倒的な1位だったのに...「最下位墜落」、信じていたサムスンまで「ふらふら」)」より一部抜粋

ちなみにですけど、高帯域幅メモリ(HBM)についても先日、2026年の生産開始を目指してファーウェイが政府支援を受けて動き出しているということが報じられました。
中身ではなく、「超技術格差」という言葉だけで全てを片付けてしまおうとするから、こういうズレが起こるんですよ。

あと、ちょっと意地悪な言い方かもしれませんけれど...他に選択肢があるなら、わざわざサムスンを選ぶ必要がないと感じる消費者が多いということかもしれません。
「忠実な消費者」 というやつ、あまり好きな表現では無いのですが、韓国メディアの記事でたまに見かける表現です。「リピーター」と同義と考えていいと思います。こういう人たちが少ないんじゃないでしょうか?

記事中ではiPhoneのシェアも「墜落」としていますが、1位とのシェアの差は1.5%です。これを「墜落」とするのは「?」です。
それに、サムスンは名前が挙がっていませんから(関係が悪化している米国企業産の)iPhoneにすら負けているということでしょう。iOSには他に選択肢がないけれども、Androidには国産の選択肢が加わったということが大きいのじゃないでしょうか?