家計向け融資残高、企業向け融資残高ともに上昇傾向と言う話

韓国の家計負債は2021年12月以降、前月基準ではずっと減少傾向にありました。韓銀が利上げを始めたのが2021年8月です。このときの引き上げは0.25%で(0.5%→0.75%)、引き上げ後の金利は2020年5月以前の水準と同じだったため、ほとんど影響は無かったはずです。

しかし11月に基準金利が1.00%に引き上げられると話が変わってきます。桁が一つ上がったことで借り手側の心理的ハードルも一段上がり、これによりそれ以降の家計負債の増加傾向が止まったと思われます。
基準金利は2022年を通して上がり続け、今現在は3.5%でとりあえず3ヵ月間据え置かれています。
据え置かれているだけで下がったわけではないのですが、5月から家計負債貸出残高が再び増加傾向になっていることが分かりました。今月は22日基準で既に先月比6000億ウォン(≒600億円)ほど増えているとのことです。

 



デジタルタイムズの記事からです。

5大銀行の家計融資、今月だけで6000億増加...緊縮も終わっていないのに


(前略)

25日、金融界によると5大銀行(KB国民、新韓、ハナ、ウリ、NH農協)の22日基準の家計貸出残高は678兆2162億ウォンと集計された。5月末(677兆6122億ウォン)より6040億ウォン増えた。

先月、5大銀行の家計向け融資は4月(677兆4691億ウォン)比1431億ウォン増え、2021年12月(+3649億ウォン)以来、1年5ヵ月ぶりに初めて前月より増加した。

家計向け融資のうちジョンセ資金融資を含めた住宅担保融資(510兆1598億ウォン)が22日までに4834億ウォン増えた。昨年末以降、高い金利などに減少傾向を見せていた信用貸出(109兆7766億ウォン)も1035億ウォン増加した。

このような傾向から見て全体銀行圏と金融圏の家計貸出は4月から6月まで3ヵ月連続で増加傾向を見せるものと見られる。

韓銀によると、全体預金銀行の家計融資は今年3月まで減り続けたが、4月と5月にはそれぞれ2兆3000億ウォンと4兆2000億ウォンずつ前月より増えた。ノンバンクを含めた金融圏全体の家計向け融資は4月に8ヵ月ぶりに2000億ウォン増え、増加傾向に転じた。

(中略)

23日基準で5大銀行の住宅担保貸出混合型(固定)金利(銀行債5年物基準)は、年4.230~6.985%水準だ。5月12日と比べ相当数の貸出者に適用される下限金利が0.350%p上がった。同期間、指標金利である銀行債5年物の金利が0.390%p(3.843→4.233%)高くなった影響だ。住宅担保貸出変動金利(新規取扱額コピックス連動)は約1ヵ月間で最低水準が4.090%から4.230%に0.140%p上昇した。

(中略)

韓銀が21日に発表した「金融安定報告書」によると、中長期的観点から金融不均衡状況と金融機関復元力を総合的に反映した金融脆弱性指数(FVI)は、今年第1四半期に48.1で、昨年の第4四半期(46.0)より上昇した。2007年の第4四半期以降の長期平均(39.4)と比べても高い。キム・イング韓国銀行金融安定局長は金融安定報告書説明会で「今回の報告書の分析対象時期が第1四半期までで、4月に家計貸出が増えたことなどを反映すれば、第2四半期には金融脆弱指数がさらに高くなると予想する」と話した。

(中略)

5大銀行の22日現在の企業向け融資残高は計731兆5866億ウォンで、前月(726兆9887億ウォン)より4兆5979億ウォン増えた。中小企業向け融資が1兆2073億ウォン(608兆6395億ウォン→609兆8468億ウォン)、大手企業向け融資が3兆3906億ウォン(118兆3492億ウォン→121兆7398億ウォン)とより増えた。

韓銀金融安定報告書によると、コロナ期間(2020~2021年)に適用された加算金利は、以前の長期平均(2000~2019年)と比べて、平均1.06%p引くかった。

韓銀は「実際の危機を反映した利子費用適用時、営業利益で利子すら耐え難い脆弱企業(利子補償倍率1未満)の与信比重が2021年基準で全体大企業と中小企業与信の中で、各々21.6%、54.8%と推定される」と話した。

潜在リスクの現実化と共にグローバル景気鈍化などまで加わり、国内企業の不良リスクがさらに大きくなりかねないという分析も出てきた。これを仮定したストレステストの結果、銀行の企業貸出不渡り率は0.29~0.65%p高くなることが分かった。

韓銀は「国内銀行は景気回復遅延の可能性、潜在信用損失の現実化などに備えて貸倒引当金と資本金積立をより一層増やさなければならない」と要請した。



デジタルタイムズ「5대 은행 가계대출 이달만 6000억 증가...긴축도 안끝났는데(5大銀行の家計融資、今月だけで6000億増加...緊縮も終わっていないのに)」より一部抜粋

この記事だと増加傾向にあるという事実は分かっても、なんで増えているのかは分かりません。ローンの借り換えによるものなのか、それとも3ヵ月据え置かれた3.5%という数値に慣れてしまった(喉元過ぎた)からなのか...。

それと、もう一つ気になるのが企業向け残高の増加です。営業利益で利子すら返せない企業が(予測値ではあるものの)大企業で5社に1社、中小企業では2社に1社とされています。(ちなみに自営業の集計はまた別なのでココには含まれていません)
こうした状況であるのに、韓国労総と民主労総は来年25%の賃上げ要求を出しています。韓国のインフレが日本以上の水準だとしても、さすがに20%超えはやり過ぎに感じます。