拡大する「ノー〇〇ゾーン」の話

世代間対立、支持政党対立、地域間対立...多かれ少なかれどの社会にもある程度の「分断構造」はあるものです。日本ももちろんそう。
ただ、韓国の様々な「対立」「分断」を見ていると、日本のはなんだかんだ「お互い様」精神が根底に残っているような、どこか致命的分断と言い切れないような気分になります。

それほど韓国の社会分断が私の目には熾烈に見えるということなのですが、それが表れていると感じるのが今日お伝えする「ノー〇〇ゾーン」。韓国のあちこちで見ることの出来る「〇〇お断り」の看板のことです。代表的なものに「ノーキッズゾーン」、「ノーシニアゾーン」などがあります。
日本にも(主に劇場などで)「未就学児不可」とされていたり、店舗内の構造(通路の幅など)がベビーカーを想定した作りになっていなかったりしますが、韓国の「ノーキッズ」は未就学児や幼児を対象としたものだけではありません。12歳未満お断りや10代お断りなどです。しかも、これが街中の普通のカフェでの話で、全国的に400~500ヵ所ほどあります。

今回、CNNが「ノーキッズゾーン」について取り上げ、これが韓国の少子化対策に「逆効果」と指摘したそうです。

 



YTNの記事からです。

CNN「出生率最低の韓国で『ノーキッズゾーン』が盛ん...逆効果になるだろう」


(前略)

米CNN放送は24日(現地時間)、「世界で出生率が最も低い国でノーキッズゾーンの妥当性についての疑問が頭をもたげている」と報じた。

CNNは「大人たちが邪魔されない環境を作ろうとするノーキッズゾーンは、ここ数年間、韓国で目立って人気を集めた」として「カフェと食堂で子供たちを防ぐのは出産奨励に逆効果になるだろう」と指摘した。

CNNは、ノーキッズゾーンが済州島だけで80ヵ所あり、全国的には400ヵ所以上運営されていると伝えた。また韓国の昨年の出生率は0.78で、日本(1.3)や米国(1.6)よりはるかに低く、世界で最も早く進行する高齢化問題により労働可能人口が減り、年金・医療費問題が大きくなっていると指摘した。

それと共に「すでに韓国の若者たちは天井知らずに急騰した不動産価格と長時間勤労、経済的不安感などで圧迫を受けている」とし「ノーキッズゾーン批判者たちは社会が子供たちに対する態度を変えるよう政府が努力しなければならないと話す」と言及した。

CNNは2021年11月に韓国リサーチが施行した世論調査を引用して「事業主が行使する正当な権利であり、他の客に対する配慮」という理由でノーキッズゾーン運営を許容できるという応答が71%に達するほどになったと伝えた。当時「許容できない」という比率は17%に止まった。

また、子供のいない成人はもちろん、一部の子供を持つ親たちさえノーキッズゾーンに賛成すると伝えた。

2歳の息子を持つキム某氏はCNNとのインタビューで「公共施設と他人に被害を与える子供たちの行動を管理しない親が多くいるだけに、ノーキッズゾーンがなぜあるのか理解できるところがある」と話した。

反面、キム某氏は「店に露骨に『ノーキッズ』の看板が貼られているのを見ると攻撃されている感じがする」と不快感を表し「韓国には『マムチュン*1』のような言葉があるほど母親たちに対する嫌悪があり、ノーキッズゾーンがこういう情緒を正当化しているようだ」と指摘した。

CNNは出入り制限対象は子供に限定されないと説明し「ノーティーンエイジャーゾーン(10代出入り禁止)」、「ノーシニアゾーン(お年寄り)」、「ノーアジェゾーン(中年)」、「ノーラッパーゾーン」、「ノーユーチューバーゾーン」、「ノープロフェッサーゾーン(教授)」などを例に挙げた。

オランダのライデン大学の韓国専門家ボニー・ティランド教授は「韓国の20代と30代は個人的空間に対する概念が強い傾向がある」とし「彼らはますます騒がしい子供と老人に耐えられずにいる」と分析した。

ティランド教授は「このような心構えは公共の場で自分と他の誰も包容できない偏狭さを示すもの」とし「皆に『各自の位置』があるという根深い態度が、母親と子供たちは外の公共の場所ではなく、家に居なければならないという考えこそ、若い女性たちに子供を持つことを敬遠させる要因」と話した。

(後略)



YTN「CNN "출산율 최저 한국에서 '노키즈존' 성행...역효과 낼 것"(CNN「出生率最低の韓国で『ノーキッズゾーン』が盛ん...逆効果になるだろう」)」より一部抜粋

CNNは「少子化」にスポットを当てて主に「ノーキッズゾーン」に的を絞っていますが、ティランド教授の言う「自分と他の誰も包容できない偏狭さ」というのは、「ノー〇〇ゾーン」全体に言えることでは無いでしょうか?


記事へのコメントは102件。反応は「良い情報:1 興味深い:2 非常に共感:35 良い分析:0 続報期待:5」です。

「誰がノーキッズゾーンがを見て『子供を産むのは止めよう』なんて言うんだ?無概念の親たちが公共の場で自分の子供たちが大声で叫んで走り回り迷惑を掛けるのを、教育せずに他人に被害を与えるから、そのようなことが嫌な顧客たちのニーズを把握したものであり、社長も無概念の親子の横暴に耐えられないからだよ?」(共感215 非共感48)

「子供を放置しておく親たちがまず問題」(共感72 非共感2)

「最も急がれることは、このような態度を変えようとする努力が教育的に行われなければならない。幼い頃から利己的な生活に慣れる教育を受けた人々が一夜にして変わることは難しい」(共感65 非共感0)

「ノーキッズゾーンと出産率?!バカが?!これもニュースだと...。ノーキッズゾーンは賛成だ。やられてみないと分からない…。重要なのは親も何が間違っているか分からない」(共感49 非共感18)



*1:母親(Mom)+「蟲(チュン)」。子連れの母親に対する侮蔑語。