MBCが誤訳?意図的?福島原発処理水放流に対する香港人のインタビュー内容の話

ロイタージャーナリズム研究所の「デジタルニュースレポート2023」で、韓国人が最も信頼するメディアに選ばれたMBC(58%)ですが、福島原発処理水放流に関する香港人のインタビューで本人の発言とは全く異なる翻訳をしたそうです。
ニュアンスが違うとか、意図的な切り取りで意味を捻じ曲げたとか言うレベルではなく、全く関係の無い発言「塩を入れて4日間漬ける」を、「(福島)汚染水があちこちに広がるはずなのに、そして1日や2日で広がるのではなく、長く続くものだから...」と翻訳して記事にしたというのです。
誤訳を通り越して意味が分かりません。

 



ペンアンドマイクの記事からです。

[単独]MBC「汚染水翻訳操作」、ハッキリばれた...広東語のインタビュー「創作」


MBCが福島汚染水放流に反対する香港世論を報道する過程で広東語インタビュー内容を「創作」水準に脚色する形態を見せ衝撃を与えている。

この報道は26日、MBCニュースデスクに<日本産原産地を剥がした。汚染水に強硬な香港>というタイトルの放送記事だ。

該当記事では色々な香港人のインタビューが含まれたが、その中で「ライ」という名の漁民の発言が問題になっている。ライ氏が実際に言った内容とMBC側の翻訳内容が違いということだ。

MBCはライ氏が「(福島)汚染水があちこちに広がるはずなのに、そして1日や2日で広がるのではなく、長く続くものだから...」と話したと翻訳した。

しかし、ライ氏の実施の発言内容は「成揸放鹽煮, 醃咗四日」で、この広東語を正常に翻訳すれば「塩を入れて4日間漬ける」だ。ライ氏は続けて「私たちはこれをどこかに保管するが、この作業を座って行う」と話した。

この発言はライ氏が漁民であることを勘案した場合、魚の塩漬けや塩辛製造のことを述べたものと見られる。すなわち、福島汚染水放流とは全く関係のない発言だ。

(中略)

これとは別に、この放送記事の根拠となる香港の世論調査に対しても指摘が出ている。

この世論調査は香港公会連合会(FTU)が実施したもので、香港住民の80%が日本汚染水放流計画に反対していることが明らかになったと23日、香港サウスチャイナモーニングポストが報道した。

ところが、公会連合会、略して公会連は親中派政党であり、労働組合団体だ。通常、香港の他の労働組合団体が「民主派」であることと比較される性向だ。

このような親中の公会連が実施した世論調査をそのまま引用して、まるで事実であるかのように報道した点についてもMBCに対する批判が高まっている。

(後略)



ペンアンドマイク「[단독] MBC '오염수 번역 조작', 딱 걸렸다!...하다하다 광동어 인터뷰 '창작'하나([単独]MBC「汚染水翻訳操作」、ハッキリばれた...広東語のインタビュー「創作」)」より一部抜粋

テキトーな映像素材に都合の良い「テロップ」を付けて作ったとかでしょうか?それにしても仕事が雑いですね。

元のMBCの記事はこちらです。
ポータル(Daum)の方の記事にはコメントが付けられないようになっています。MBCのサイトの方にはチラホラと「翻訳操作」について書き込まれていますが、あまり大きな問題にはなっていない印象です。

ちなみに元記事の方では、ライさんの発言の前に次のような一文があります。

할아버지부터 아들까지 4대째 여기서 배를 타고 있는 라이 씨는 후쿠시마 오염수 얘기를 꺼내자 격앙된 반응을 보입니다.
(祖父の代から息子まで、4代ここで船に乗っているライさんは、福島汚染水の話を持ち出すと激高した反応を見せます)


記事の指摘するように発言内容の翻訳が「ウソ」なら、これも「ウソ」ですよね。激高しているというより、単に記者が岸にいてライさんが船の上で答えてるから大声を張っているだけに見えますが。