日米韓首脳会談で福島処理水は議題に含まれないという話

今月18日からキャンプデービッドで日米韓首脳会談が行われます。「議題は多岐に渡る」そうです。とりあえず分かっていることは「キャンプデービッド原則」として日米韓の包括的な戦略を明記した文書が出るらしいことと、経済安保など複数の分野での協力方針を盛り込んだ共同声明が出されるらしいことです。

もう一つ注目されていることに、福島処理水の件が議題になるか否かがあります。今更、米国が掌を返して反対することは無いでしょうから、仮に議題として取り上げられると2対1でユンさんは不利になります。うっかり共同声明に「福島処理水放流を支持」なんて盛り込まれては、ユンさんの立場的に大変困ったことになります。一部の韓国メディアも「1人で反対できるのか?」と不安視していました。
これに対して韓国大統領府が処理水問題が「議題に含まれていない」と発表しました。これでうっかり共同声明に放流支持と載せられる心配はしなくて良くなりましたが、韓国メディア的には手放しで評価できることではないようです。なぜなら、議題にならないのはそもそも「議論するようなことが無いから」で「今後の日程は日本がIAEAを通じて決定すること」としたためです。

 



ニュース1の記事からです。

政府「日本、汚染水の韓国側要求を大部分受け入れ...細かな調整が残っている」


政府は14日、福島第1原資浴発電所の汚染水放流計画と関連して日本が韓日首脳会談および政府の科学技術的検討に伴う要請事項を大部分受け入れ、調整する作業が残っていると明らかにした。

(中略)

前日(13日)、大統領府高官は18日に米キャンプデービッドで開かれる韓米日首脳会議に日本の汚染水問題が議題に上がらなかった理由について「韓国国民の安全のために日本に要請したことは日本が認知しており、大部分を受けれて追加的な議論が行われるとは思わない」と話した。

パク次長は韓日両国が先月25日の局長級協議と7日の実務者級技術協議を通じて「首脳会談で提案された内容3つ、科学的・技術的検討により出てきた4つの提案などについて議論し、相当部分の進展があった」と明らかにした経緯があるとし「細かな内容のみ互いにもう少し調整をする作業が残っている」と説明した。

(中略)

ユン・ソンニョル大統領は先月12日、岸田文雄日本総理との首脳会談で福島原発汚染水の海洋放流を開始する場合、△モニタリング情報をリアルタイムで共有、△放流点検過程に韓国専門家が参加、△放射性物質濃度基準値超過時に直ちに放流中断の3点を要求した。

また、科学技術的検討を経て△多核種除去設備(ALPS)のクロスフローフィルタの故障反復による点検周期短縮、△年1回のアルプス出口濃度測定時に、測定されない5つの核種を追加で測定、△各種別放射能量の過小評価時の放射線影響評価再推考、△実際の排出量を基にした住民被ばく線量評価なども勧告した。

合わせてパク次長は汚染水放流計画と関連した韓日両国の最終協議に対し「私たちが日本側に具体的な提案をしてからまだ最終返事を受けていない状態」として「私たちの側の提案に対して最終承認がなされていないと理解して欲しい」と説明した。



ニュース1「정부 "일본, 오염수 우리 측 요구 대부분 수용…디테일한 조율 남아"(政府「日本、汚染水の韓国側要求を大部分受け入れ...細かな調整が残っている」)」より一部抜粋

「話すような内容がないのだから議題に含まれるはずがない」と言う感じでしょうか?
しかし、韓国大統領府のこの説明は、言ってしまえば韓国側の提案が容れられるのであれば処理水放流自体に問題は無い、というスタンスです。日本の処理水放流に対して「反対」「中止」こそが正義であると考えている人たちがコレで納得するとは思えません。