候補者時代、ユンさんは米→日→中→北朝鮮の順に首脳会談を行うと公言していました。これは単に順番の話ではなく、ユン政権の外交政策の軸足の置き方を明らかにしたものでもあります。
米韓首脳会談は先日行われたので、次は日韓首脳会談となります。来月スペインで行われるNATO首脳会議にオーストラリア、ニュージーランドと共に日本と韓国もお呼ばれしているので、そこでの開催の可能性が取り沙汰されています。恐らくその調整のために韓国外交部長官が日米を訪問する計画があるそうです。
どうでしょう?米はともかく、日韓なんてご近所、わざわざスペインで会わなくても良いんじゃない?と思っちゃいます。せっかくなら、NATO加盟国と首脳会談をする方が良い機会でしょうに。
ニュース1の記事からです。
「米・日・中・北」の順で会うとしたユン大統領...韓日首脳会談はいつ?
(前略)
外交界ではひとまず、来月29〜30日にスペインのマドリードで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議出席を契機に、韓日首脳会談が開かれる可能性が大きいと見ている。今回、NATO首脳会談には韓国と日本、豪州、ニュージーランドなどアジア太平洋地域の非加盟国4カ国首脳も招待された。
今回のNATO首脳会議期間にユン大統領と岸田総理の公式会談が実現すれば、2019年に中国の成都で開かれた韓中日首脳会議の時、ムン・ジェイン当時大統領と安倍晋三総理の会談以来2年ぶりの韓日首脳会談となる。
このような中、パク・ジン外交部長官が今回のNATO首脳会談を前に米国と日本に相次いで訪問する案を協議中であることが分かり、これを通じてNATO首脳会議を契機に韓米・韓日および韓米日首脳会談の開催が調整される見通しだ。
(中略)
ユン大統領は就任前か日帝強占期強制動員および日本軍慰安婦被害者問題などをめぐって悪化した韓日関係と関連し、日本側の「正しい歴史認識」を注文しながらも「未来志向的協力」の必要性も強調してきた。
岸田内閣もひとまず「韓日関係改善が必要だ」という側面ではユン・ソンニョル政権と意見を共にする格好だ。
(中略)
ジョー・バイデン米政府が北韓・中国など域内安保脅威に対応するために韓米日3ヵ国協力の重要性を強調している点もまた、韓日両国が関係改善に気を使うほかはない背景にあげられる。
しかし専門家たちは「韓日間には依然として関係改善基調を原点に戻すには暗礁が多数存在する」と指摘している。独島が自国の領土だという日本側の強引な主張が代表的な例だ。
(中略)
今年7月の参議院選挙を控えている日本の政治状況も「変数」として作用する可能性がある。岸田総理率いる日本の政権自民党(自由民主党)は保守性向の支持層を意識せざるを得ないという点からだ。
しかしチョ・ジング慶南大学極東問題研究所日本センター長は「NATO首脳会議に韓日首脳が出席する場合、『プール・ア・サイド(略式会談)』形式でも短い時間会うことが重要だ」とし「会う機会があるのに逃せば、韓日両国いずれにも問題になりかねない」と述べた。
ニュース1「'미·일·중·북' 순으로 만나겠다던 尹대통령… 한일정상회담은 언제?(「米・日・中・北」の順で会うとしたユン大統領...韓日首脳会談はいつ?)」より一部抜粋
この記事に限った話ではありませんが、日韓の関係改善の必要性を訴えるものには「なぜ」が抜けている気がします。この記事で「なぜ」があるのは「米国からの3カ国協力圧力があるから」だけです。
しかも、日韓間の暗礁を日本が竹島を自国領土と主張していることを原因に揚げています。長々書いていますけれど、この記事の本題はやっぱりココだと思います。日韓関係が改善しないのは「日本のせい」。(しかし奔走しているのは韓国だけのように見えますが...)
パク・ジンさんはユンさん就任前に米国と日本に送られた政策協議団のメンバーだった人です。(米国行きではリーダー)
外務省出身でアメリカ留学経験があり「アメリカ通」とされているそうです。ちらっと日本留学経験もある「知日派」と、どこかの記事で見たような気がしますが、学歴一覧を見てもどれのことか分かりませんでした。
とにかく、「アメリカ通」であり「知日派」であるパク・ジンさんは対米・対日外交政策を同時に進められる人物と見なされています。しかし、外交官としての手腕が如何ほどのものかはよく分かりません。
過去2008年には、日本メディアとのインタビューで「日本に歴史問題で謝罪しろ、反省しろ、と求めない」と話した事があります。(その後、公職選挙法違反で有罪となり一旦議員職から遠ざかりました)
政策協議団リーダーとして米国に送られた時点では、日韓関係は「リセットする」としています。
「リセット」とは果たして「改善」の意味なんでしょうか。