テヨン建設、会社更生法適用か...今月満期の融資がすでに3900億ウォンという話

PFの危機続報です。
イヴの日に「PF危機の現況」としてお伝えした件で少し触れた業界16位のテヨン建設について、企業改善作業...日本で言う「会社更生法」の適用申請に踏み切るかもしれないという話です。

第3四半期末時点でテヨン建設の負債比率は478%に達していたといいます。その上で、今月中に満期を迎える融資がすでに3900億ウォンを超えており、今日からさっそく480億ウォンの満期が到来するそうです。来年にはその規模が3兆ウォンを超えます。

 



東亜日報の記事からです。

テヨン発の危機遮断...年明けに「建設構造調整」を発表


請負順位16位のテヨン建設が不動産プロジェクト・ファイナンス(PF)貸出を返済できず、早ければ28日にも「ワークアウト(企業改善作業)」を申請する可能性が高まっている。不動産PF不良と工事費の急騰で主要建設会社55社のうち17社の平均負債比率が300%を超えるなど、建設会社が財政構造の悪化に直面し、建設業界の危機が経済全般に広がりかねないという憂慮が出ている。金融当局も早ければ来年初めに建設会社の構造調整案などの対策を打ち出すものと見られる。

27日、韓国信用評価によると今月までにテヨン建設が返済しなければならない融資は3956億ウォンに上る。28日、ソウル城東区聖水洞の建設現場で480億ウォン規模のPF貸出が満期を迎える模様だ。来年は偶発債務(将来発生する債務)3兆6027億ウォンの満期が到来する。

(中略)

テヨン建設は昨年の第4四半期(10~12月)のレゴランド事態に触発された不動産PF市場梗塞以後、持続的に危機企業に挙げられた。テヨン建設が保証を提供した事業場でPF借入金の借り換え対応問題が浮上し、これに対応する過程で財務負担が大きくなったのだ。

(中略)

テヨン建設の今回のリスクは住宅市場好況期の2019年以降、攻撃的に受注した開発事業から始まったという分析が出ている。その後、金利引き上げにともなう調達費用増加、資材価格引き上げなどで不動産景気が冷え込み、事業の不確実性が高まり未着工の開発事業がテヨン建設を圧迫し始めた。利子費用が発生しているが工事費の増加で着工も難しくなり進退窮まったためだ。

韓国投資証券は最近の報告書で「テヨン建設の第3四半期末基準純借入金は1兆9300億ウォン、負債比率は478.7%に達する」として「施工能力評価35位内の主要大型・中堅建設会社を合わせて負債比率が最も高い」と指摘した。

(中略)

テヨン建設がワークアウトを申請すれば「企業構造調整促進法(企促法)」により、2週間債務が猶予される。

(中略)

問題は、ワークアウトが債権団の75%以上が同意してこそ開始されるという点だ。金融界ではテヨン建設のワークアウト申請を債権団が受け入れるかどうかについて異なる見方が出ている。金融界関係者は「PF貸主団協約が実際にうまく稼動しないのも利害関係者ごとに相反する考えを持っているため」とし「テヨン建設と債権団が最後まで気争いを繰り広げるものと見られる」と展望した。

テヨン建設のワークアウトが現実化する場合、PF危機は建設業界と金融界全般に広がるものと見られる。 金融委によると9月末基準の金融圏PF貸出残高は134兆3000億ウォンで昨年末比4兆ウォン増加した。

テヨン建設は借入、持分売却などで急場しのぎに力を入れている。 今年1月には持株会社のTYホールディングスから4000億ウォンを借り入れており、本社社屋の担保融資(1900億ウォン)、物流会社テヨンインダストリーの売却(2400億ウォン)、火力発電所フォーチュンパワーの持分普通株全量売却(264億6000万ウォン)などを続けている。 今月初めにはテヨングループのユン・セヨン創業会長が経営に復帰したりもした。持株会社のTYホールディングスはSBSメディアネットの持分のうち70%を担保に資金760億ウォンを借り入れた。最悪の状況ではSBSの持分を売却するシナリオもあるが、可能性は低いと予想されている。



東亜日報「태영發 위기 차단… 연초 ‘건설 구조조정’ 발표 (テヨン発の危機遮断...年明けに「建設構造調整」を発表)」より一部抜粋

東亜日報が独自に第3四半期に財務報告書を提出した55社の建設会社の状況を調査したところ、17社で負債比率が200%を超えていたそうです。それらの平均負債率は323.3%。

テヨン建設がギリギリまで待ったのは、どうも「企業構造調整促進法」の再施行待ちだったようです。
この法律、今年10月にサンセット条項によって消滅していたそうです。それが今月8日に再立法されて26日から再施行されたとのことで、これを待っていたんでしょう。

急場しのぎで持ち株を売っているようですが、こういうドサクサに紛れて基本インフラやメディアに外資が入り込んでくると、またヤヤコシイんですよね。