PF貸出残高130兆ウォンのうち最悪70兆ウォン分が不良債権化する可能性の話

プロジェクト・ファイナンス(PF)の貸出残高は130兆ウォンと推算されています。このうち30兆ウォンがブリッジローンで100兆ウォンが本番PFと見られています。
この推算を出した建設産業院によると、最大で70兆ウォンが不良債権化する可能性があるとの試算が出されました。
これは建物の競売や分譲など、一部でも回収できる可能性がある資金があったとしても、それを「無い物」として考えた場合のものです。しかし部分的には回収出来たとしても、それでも50兆ウォンくらは不良債権化するかもしれない、そんな話が出ています。

 



アジア経済の記事からです。

「不動産PF、最大70兆ウォンの不良債権を懸念...経営不振事業所の整理が必要」


(前略)

6日、建設産業研究院は「建設動向ブリーフィング」で主要信用評価機関と政府発表などを総合すると、昨年の国内不動産PF貸出残額規模は130兆ウォンであり、このうちブリッジ・ローンが30兆ウォン、PFが100兆ウォンと推算されると明らかにした。

建産研は昨年上半期に証券会社などノンバンクが厚かったPFの満期延長比率は、ブリッジ・ローンが70%、本PFは50%程度と予想され、PFの最大不良可能性規模は70兆ウォン以上に達する可能性があると推算した。分譲代金や土地公売など、回収金額を考慮しない極端な予想値という点を前提にした。

(中略)

2022年下半期のレゴランド発信用梗塞以後、不動産市場が低迷し多数の事業場で収益性が悪化した。このため、昨年ずっとPF供給がまともに行われない状況が続いた。2023年中旬頃、大型建設会社と系列会社、政策金融機関の信用補強を土台に一部有料事業場のみPF供給が部分的に行われた。

分譲市場が低迷し、新規PF貸出はほとんど中断され供給環境まで悪化し、潜在的な不良規模は拡大した。

先月、政府が不良事業場に対する整理の可能性を示唆し、PF供給は再び委縮、テヨン建設がワークアウト申請に乗り出すと流動性リスクのある建設会社を巡る懸念も高まっている。

大多数のPF事業場が今後竣工を控えており、PF債務履行請求が期間中に集中するものと予測されるのも負担となる点に挙げられる。

建産研は「貸出償還請求が本格化する場合、多数の建設会社が不渡り状況に直面する恐れがある」として「不渡り建設会社が参加していた色々な事業場が連鎖不良化し.、少なくない数の金融機関が同伴不良化する可能性もある」と展望した。

(中略)

建産研は危機事業場の収益性を高めるための実効性のある支援装置が用意されなければならないと指摘した。事業継続可否に対する市場の自律的判断を誘導し、不良判定事業場に対しては迅速に整理がなされるよう政府支援がなされなければならないということだ。

(中略)

施工会社と施工会社、貸主団が事業持続可否を決定できるよう誘導し、事業性が確保されなかった事業場はPF正常化支援ファンドと国土交通部の「土地銀行」等を活用して迅速に整理するよう誘導しなければならないと建産研は説明した。

(後略)



アジア経済「(「不動産PF、最大70兆ウォンの不良債権を懸念...経営不振事業所の整理が必要」)」より一部抜粋

一部の証券会社は「東部建設」と「ロッテ建設」についてリスク診断で流動性低下の危険性を指摘する報告書を作成しましたが、東部建設、ロッテ建設それぞれが「問題ない」と反論しています。

特に東部建設については昨年第3四半期末基準で現金資産が583億ウォンだったのに対し、短期借入規模が4000億ウォンを超えていたことから「第2のテヨン建設」候補と見られていましたが、約3500億ウォンが韓国土地住宅公社LH)の公共宅地買い取りのための借り入れで、事実上「国家等級の信用度を持つ債権」であるため「ノーリスク」と反論しているそうです。

ロッテ建設は未着工(ブリッジ・ローン)分3兆2000億ウォンのうち2兆4000億ウォン分が今月中に本PFに切り替わるし、残りの8000億ウォン分も第1四半期中には本PFに転換されるから解消される、としています。
...まあ、ブリッジ・ローンじゃなくなったら安全か?というと、そんなわけでは全くないのでロッテ建設の言っていることは意味がよく分かりませんが。(本PFに切り替わったら事業成功...ってこと?)


はてさて、どうなりますやら。
一昨年、レゴランド事態で信用市場梗塞が起こって以降、一度は「回復傾向」とされてきた中でのコレです。影響は時間差で出るものとすると、今年の暮れから来年にかけて、まだまだ引きずりそうな話題です。
建設産業研究院はかなり難しいかじ取りを政権に要求しているように思えます。正直、ユン政権に何かどうこうできるとは思えません。
今年は総選挙があります。総選挙後はレームダックが本格化するものと思われますので、それこそ手も足も出せないかと...。楽しみに(?)待つとしましょう。