香港ELS大爆死...年始5営業日だけで1000億ウォンの損失、上半期最大5兆ウォン損失の可能性の話

香港ELSが大騒ぎになっています。金融商品の一つ(詳しくは以下で説明)ですが、今月満期を迎える商品が沢山あるそうです。

少し前から一部で「顧客が金融リスクをきちんと把握していなかったのではないか?」な報道が出ていました。販売過程でちゃんと説明がなされていなかったのなら元本を保証すべきだ、そんな話も出ていました。

多くの人が損失を出すと見られているからです。今年に入ってすでに1000億ウォンの損失が確定しています。上半期中に5兆ウォンに膨れ上がるかもしれません。

 



先に香港ELSをザっと説明しておきます。
香港ELSとは、香港証券取引所に上場している中国企業の中から40銘柄で構成されるH株(ハンセン指数)に連動するよう設計された金融商品です。(韓国で発行されたELSの40%がH株連動と言われるほど人気です)

ELSはEquity-Linked Securityの略で、株価連携証券などと訳されるようです。仕組みはオプション取引と似ています。
満期までに複数回(大体6ヵ月毎)償還日が設定されています。
この償還日(SQ)に基準となる価格を超えていれば元本+利子が早期償還されます。基準価格を満たしていなければ早期償還されず、次の償還日に持ち越されます。満期までこれの繰り返し。

基準価格を満たしていないということは、利益が出ていないということです。その場合、繰り越されると聞くとどうですか?「満期までには上がって利益になる」「元本割れのリスクが少ない」...多分、こう考える人が少なからず居たんでしょう。韓国では「リスクの低い金融商品」として人気だったようです。

でもね、コレ...もし満期に基準価格を上回っていても利益は20%までに制限されるし、逆に下回っていたら...50%以上、最悪の場合、全額返ってこないという悪夢もあり得る超高リスクな金融商品なんです。

そしてこの「悪夢」が今月、続々と現実のものになる予定です。

ハンギョレの記事からです。

香港ELS、今年に入ってすでに1千億ウォンの損失確定...上半期最大5兆に達する可能性もある


(前略)

14日、4大銀行(KB国民、新韓、ハナ、NH農協)の今年(1月8~12日)の香港ELS満期現況を確認した結果、満期到来金額は2105億ウォン、損失確定金額は1068億ウォンだった。銀行別元利金対比損失は47.8~51.3%に達した。

(中略)

銀行毎に異なるが、この期間に満期を迎えた香港ELS商品は2021年1月4~8日の間の加入者が大部分だ。当時、香港H指数は平均1万829.85だった。この指数は2月18日に1万2271.60で最高点を記録したが、それ以降下落傾向を持続し、2022年10月31日に4919.03で最低点を記録した。12日、指数は前日対比で0.23%下落した5481.94で取引を終えた。

銀行圏で残っている香港ELS満期は今年上半期(56.6%)に集中している。8日、金融監督院の発表によると、昨年11月15日基準の銀行圏の香港ELS総販売残高は15兆9千億ウォン(24万8千口座)だった。満期到来予定の残高を四半期別にみると、今年第1四半期に3兆4千億ウォン(21.4%)、第2四半期に5兆6千億ウォン(35.2%)、第3四半期に2兆8千億ウォン(17.6%)、第4四半期に1兆6千億ウォン(10.1%)、2025年以降が2兆5千億ウォン(15.7%)などだ。

今後、損失規模はさらに増える見通しだ。上半期にも香港H指数水準(5000台半ば)が維持される場合、損失区間進入額を推定してみると、銀行圏で販売した香港ELSの元金損失規模は今年上半期だけで5兆ウォンに達する可能性もある。

(中略)

金融監督院は8日から銀行など金融圏を対象に香港ELS販売過程で関連法違反があったかについて現場検査を行っている。オンラインコミュニティ「香港H指数関連-ELS加入者会(被害者)」会員たちは19日、金融監督院前で元金復旧などを要求する2回目の場外集会を開く予定だ。



ハンギョレ「‘홍콩 ELS’ 올 들어 벌써 1천억 손실 확정…상반기 최대 5조 이를 수도(香港ELS、今年に入ってすでに1千億ウォンの損失確定...上半期最大5兆に達する可能性もある)」より一部抜粋

「売った側が悪い」と、記事のコメントでもそのように認識されているようです。

ビットコインより危険なものを第1金融圏で販売するなんて。それも銀行員たちのノルマのために善良な忠誠顧客にきちんとした説明なしに販売した。これがファクト」
「銀行を信じて任せたので、最後まで責任を持たなければなりません。被害者が泣いています。早急に解決策を提示してください」

こんな感じです。