香港ELS損失額倍増…最大で損失率56.1%という話

香港H指数の下落が止まりません。
年初からすでに10%以上下落しており、香港H指数に連動している香港ELS(株価連動証券)の損失確定額は19日までで2296億ウォンに拡大しました。先週が1068億ウォンでしたから倍増です。
全体損失率は52.8%です(最大は56%)。これは元金が100万円だとしたら損失が52万8千円(資金が47万2千円に目減り)を意味します。

 



ノーカットニュースの記事からです。

「香港H指数」下落継続…ELS損失率最高56%↑


(前略)

21日、銀行圏によると5大市中銀行(KB国民・新韓・ハナ・ウリ・NH農協)で販売された香港H指数基礎ELS商品で、今年に入って19日までに2296億ウォンの元金損失が出た。

(中略)

具体的には満期到来元金約4353億ウォンのうち2057億ウォンだけが償還され、全体損失率は52.8%に達した。17日には一部商品で損失率が56.1%と確認されもした。

(中略)

国内銀行が販売したH指数基礎ELS商品は、該当指数が一定の「基準幅」を超えて下落しなければ、元金と約定利子を支給する構造で銀行は販売手数料を受け取る。

通常、基準幅は商品タイプ別に30~50%水準で、満期は3年だ。満期にならなくても6ヵ月毎に元利金を引き出すことが出来るが、期間別に決まった株価下落幅の基準が満たされてなければならない。

結局、「異例的な指数暴落」さえなければ加入者は元利金を回収できるが、今は指数が2021年初めと比べ60%近く下落した状況であるため、今年上半期の満期到来商品の大規模損失に繋がったのだ。

この商品が特に危険なのは基準幅を超えて指数が暴落すれば指数下落率だけ元金損失が発生するという点だ。

損失規模は引き続き増えるものとみられる。金融当局によると、H指数基礎ELSは主に銀行圏信託または発行証券会社の直接販売などを通じて個人投資家などに販売され、銀行圏販売規模が大きいことが分かった。昨年11月基準の総販売残高19兆3千億ウォンのうち、銀行圏での販売残高は15兆9千億ウォン(82.1%)だ。

残高全体の79.6%である15兆4千億ウォンの満期が今年到来するが、上半期(第1四半期に3兆9千億ウォン・第2四半期に6兆3千億ウォン)に満期が集中している。損失率が60%水準まで上がるとすれば、銀行圏商品の元金損失規模だけで上半期6兆ウォンを超える可能性もあるとの観測も出ている。

(後略)



ノーカットニュース「'홍콩H지수' 추락세 지속…ELS 손실률 최고 56%↑(「香港H指数」下落継続…ELS損失率最高56%↑)」より一部抜粋

金融当局は販売に際してリスク説明など十分になされていたか調査しています。
現場調査、という表現になっているのですが、いわゆる「監査」と呼べるほどのレベルの調査が行われているのかは分かりません。

が、調査は3月まで行われる予定です。それから報告がまとめられるとしたら、発表は総選挙後になりそうな気がします。