韓国自営業者延滞率過去最大の7兆3000億ウォン、7割が多重債務者という話

韓国の自営業者の延滞率が急増しています。今年6月末時点で1ヵ月以上延滞した金額は7兆3000億ウォン。このうち1兆ウォンが第2四半期(4~6月)のみで増えたそうです。
2020年のコロナのときでも3兆5500億ウォン程度だったそうなので、ほぼ倍です。
コロナ禍にとられていた元金と利子返済猶予措置でそれだけ延命されていたんでしょう。
この措置は9月末に終了しましたが2025年まで満期延長措置が取られるなどするそうです。とはいえ今月から最長5年間最大5兆2000億ウォンの返済が発生します。
小商工人連合会のアンケートによると、約9割の自営業者が返済に対する負担程度を「大変」と回答しているそうです。

 



朝鮮日報の記事からです。

自営業者の返済が遅れた借金は7兆3000億ウォンに増え過去最大の負債となった


(前略)

4日、共に民主党のヤン・ギョンスク議員が韓国銀行から受け取った資料によると、第2四半期(4~6月)末基準で国内自営業者の貸出額の中で1ヵ月以上延滞した金額は7兆3000億ウォンに達した。 歴代最大規模だ。これはコロナ事態が起こった2020年自営業者延滞額の四半期別平均である3兆5500億ウォンの2倍を超える。

延滞が急増し、第2四半期の自営業者延滞率は1.15%で2014年第3四半期(1.31%)以来8年9ヵ月ぶりの最高を記録した。一方、自営業者のうち3件以上の融資を保有している多重債務者の割合は71.3%で歴代最大だった。多重債務を負った自営業者は平均4億2000万ウォンの借金を抱えていた。

一方、第2四半期末の自営業者の全金融機関向け融資残高は1043兆2000億ウォンと集計された。市場金利の上昇にもかかわらず第1四半期末(1033兆7000億ウォン)に比べ3ヵ月ぶりに10兆ウォン近く増えた。

(中略)

韓国銀行は背熱の金融安定状況報告書で「自営業者貸出の全般的質が低下しているだけに、脆弱借主に新しい出発基金などを通じた債務再調整を促進しなければならない」として「中長期的には正常借主の自発的貸出償還および債務構造転換を誘導する必要がある」と指摘した。



朝鮮日報「자영업자 못 갚은 빚, 7조3000억으로 불어 역대 최대(自営業者の返済が遅れた借金は7兆3000億ウォンに増え過去最大の負債となった)」より一部抜粋

全金融機関向け融資残高とされている1043兆2000億ウォンは、韓国銀行が家計負債データベース(約100万人のデータ)に登録されている個人事業者ローン保有者を自営業者とみなして、これらの家計ローンを加えて分析しているのだそうです。あくまで推計値で、理論上どのていど実態を捉えているのかは私には分かりません。

他のソースによると、一番延滞率が高いのは中所得(所得30~70%)で2.2%です。

また、第2四半期基準で銀行圏の延滞率は0.41%、第2金融は2.91%となっていて、前四半期からそれぞれ0.04%と0.37%の上昇となり延滞率は銀行圏より非銀行圏(第2金融)での上昇が顕著です。
業種別に見ると貯蓄銀行が6.4%(相互銀行2.52%、与信1.97%)と頭抜けています。