専攻医の集団辞職、20日22時時点で8816人...全体専攻医の約7割という話

韓国の専攻医の71.2%にあたる8816人が辞表を提出していることが分かりました。
ユン・ソンニョル政権が進める「医大生増員」政策に反発してのことです。

これに対して「何らかの法的処罰」を科せられないか、と検討する動きが出ているようです。

 



朝鮮Bizの記事からです。

専攻医の集団辞職、処罰できないか?...法曹界「診療拒否と認められれば処罰」


(前略)

21日、保健福祉部によると、前日午後10時基準で主要100の修練病院を点検した結果、専攻医の71.2%にあたる8816人が辞表を提出した。これら100の病院に全体専攻1万3000人余りの約95%が勤務する。勤務地離脱者は所属専攻医の63.1%にあたる7813人と確認された。福祉部は、これまで専攻医の計6228人に業務開始命令を下し、3377人に対しては所属の修練病院から命令不履行確認書を受け取った。

医療法第89条第1号には「医療関係者は診療や助産要請を受ければ、正当な理由なしに拒否できない」と規定している。

(中略)

今回のように、医大増員反対を理由に診療を拒否する場合は、正当な理由に該当しない。一部の医師は一身上の理由で辞職届を提出したり現場を離れただけで診療拒否はしていないため法的処罰の対象ではない、と主張している。チョン・ヒョンファン法務法人YK弁護士は「医師増員反対という共通目的と全国的な団体行動などを考慮すると、『同盟休業』や『集団辞職』が診療拒否と解釈される余地が大きい」と述べた。

患者を疎かにし、健康が悪化したという因果関係が立証されれば業務上過失致傷罪も成立する可能性がある。

(中略)

2000年に医薬分業に反対して医師がストライキをしたときは、手術が遅れた患者に対して病院の損害賠償責任が認められたことがある。当時、8歳のパク某くんの両親は「2000年の医療分業に反対する医師のストライキで手術が遅れ、子供が精神遅滞を体験した」として慶北浦項市のとある病院を相手に訴訟を提起した。4年後、裁判所は病院が患者に5億5000万ウォンを賠償するよう判決した。

(後略)



朝鮮Biz「전공의 집단사직, 처벌 안된다?... 법조계 “진료거부로 인정되면 처벌”(専門家の集団辞職、処罰できないか...法曹界「診療拒否と認められれば処罰」)」より一部抜粋

病院が損害賠償を支払うのなら、医師たちには関係ないのでは…?とか思ってしまいますが。
それはともかく、他にも公正取引委員会が公正取引法による処罰が可能かどうか、市民団体や関連省庁から申告があれは調査を検討するとしています。
その場合、「専攻医」を「個人事業主」と見るか「労働者」と見るかで処罰可能かどうかが割れるようです。「個人事業主」とした場合、集団辞職を「談合」と規定することが出来るようです。また「事業者団体禁止行為」というのがあって、これは将来の事業者数を制限したり活動を不当に制限することを禁止することなので、医療人員拡大に反対する行為そのものに適用できます。

集団辞職やストを肯定するつもりはありませんが、しかしながら「あなたたちのやっている行為は処罰の対象となる可能性があります」と威圧するような行為もどうなのかな、という気がします。言わば「抑圧」ですよね。こうしたやり方は後々禍根を残すと思います。


先日、韓国の医師は「医師不足による患者の不利益を前提にお金を儲けようとする」と指摘した記事について少し触れました。が、どうも私にはそれだけとは思えないデータが出てきました。
それが「専攻医」の割合です。諸外国に比べて一病院に所属する韓国の「専攻医」の割合が多いようなのです。
そこに韓国独自の事情…専攻医が自分たちの「立場」を守らなければならない何らかの理由があるのではないか、そんな風に思えてきました。この件も、前述の「お金儲け」記事と併せて後日紹介しようと思っています。