韓国バリューアッププログラム…「韓国企業は本当に過小評価されているのか?」という話

韓国でバリューアッププログラムが発表されました。基本的には企業の「自律」性に任せるというスタンスで、要するに「頑張れ」です。

それはともかく、バリューアップの必要性というか、その根本的な部分は「韓国企業の価値が不当に低評価されている」という視点にあります。だから、そこを是正して正しく価値評価さえ行われるようになれば自ずと株価は上がる、と。そういうことです。

しかし、韓国企業は本当に低評価されているのでしょうか?実は「収益性」という点から見ると、韓国企業の評価は「妥当だ」とのコラムがありましたので紹介します。

 



時事ジャーナルの記事からです。

「バリューアップ」に対する勘違い…K証券市場は「本当に」低評価されたのか


金融当局が企業「バリューアップ」支援方案の核心である「企業価値向上計画ガイドライン」を公開した。最も目立つのは企業の参加から始め、全て「自律」に任せるという点だ。

(中略)

企業価値向上支援策は、低評価された韓国企業価値を引き上げて証券市場を浮揚し、資産市場を通じた国民資産形成を支援するために設けられた。韓国企業の株式価格がその実力に比べてまともに市場で評価されておらず、このような状況は改善が必要だという議論はかなり以前からあった。

(中略)

バリューアップは文字通り企業の価値を高めるという意味だ。しかし、韓国企業はよく言われているように、持っている実力より株式市場で低い評価を受けているのだろうか。そうでないと見るのが合理的だろう。韓国企業の株価が低いのには、それなりの理由がある。今の株価は韓国企業の実力を反映したものと見るのが正しい。

基本的に株価は収益性の結果だ。ROEは企業が自己資本を活用して1年間でいくら稼いだかを示す代表的な収益性指標だ。この10年間、韓国の上場企業の平均ROEは8%水準だった。 米国の15%とは差が大きく、アジアでも台湾の14%、インドの13%はもちろん、中国の12%より低い。企業の収益性が低いのに株価が高くなるわけがない。韓国取引所の資料によると、2023年上半期の有価証券市場の12月決算法人704社の個別企業の営業利益率は2%に過ぎなかった。

(中略)

韓国取引所が2023年決算財務諸表を反映してKOSPI200企業の投資指標を算出した結果を見れば、韓国企業のPBRは1倍水準だ。米国の4.7倍はもちろん、1.6倍の日本や2.7倍の台湾より低かった。しかし、韓国企業のPBR水準が低いのは金を稼げない無駄な資産を多く持っているという話だ。

(中略)

株価が上がるためには、まず企業の収益が増えなければならない。日本のバリューアップ成功事例を多く語るが、日本の株価上昇は株主還元政策以前に先に3年連続史上最高値を記録した企業利益のおかげだろう。収益と比較すると、我が国の株価はそれほど悪い水準ではない。韓国のKOSPI200企業のPERはすでに21.2倍水準だ。24.6倍の米国よりやや劣る程度に過ぎない。

(中略)

株価が上がるためには、まず企業本来の価値が高くならなければならない。国内企業は低評価されたのではなく、価値が低くて株価が安いだけだ。韓国の株式価格は安いが今より高くなければならないのに安いわけではない。開放された市場で実績と関係のない低評価はありえない。本当に実績と比べて著しく株価が低い企業があるなら外国人投資家が放っておくはずがない。

(後略)



時事ジャーナル「'밸류업'에 대한 착각…K증시는 '진짜' 저평가됐을까 [김상철의 경제 톺아보기(「バリューアップ」に対する勘違い…K証券市場は「本当に」低評価されたのか)」より一部抜粋

「本当は価値があるのに不当に安く見積もられている」と「低い株価は妥当だ」の前提条件の違いは大きいと思います。どちらの視点を持っているかで出て来る対策が相当変わる可能性があるからです。
もし「本当は価値があるのに~」と思っていた場合、「正しい価値を広報」とか言い出すかもしれません。