韓国の政府負債、10年で対GDP比17.5%増…20年後には100%に達するという話

韓国の対政府負債(GDP比)が55.2%と出ました。
2013年からの10年間で17.5%増加し、非基軸通貨国の中ではシンガポールに次ぐ2位。このままのペースだと20年後にはGDP比100%に達するとの見通しです。

ちなみに、55.2%というのはIMF基準(中央政府債務+地方政府債務+社会保障費)で出されたものです。韓国政府の発表値は50.4%(中央政府債務+地方政府債務)となります。

 



朝鮮日報の記事からです。

国家債務の増加速度、非基軸通貨国の中で2位に


(前略)

19日、IMFが先月発刊した財政点検報告書(Fiscal Monitor)などによると、昨年韓国のGDP対比政府負債比率は55.2%だった。2013年の37.7%から17.5%ポイント上昇したものだが、非基軸通貨国11カ国のうちシンガポール(63.9%)に次いで2番目に大きな増加幅だ。

(中略)

基軸通貨国はIMFが先進国に分類した37カ国のうち、ドル・ユーロ・円貨など8大準備通貨を保有していない国で、シンガポール・韓国・ニュージーランドノルウェー・香港・チェコイスラエルスウェーデンアンドラデンマークアイスランドなどだ。基軸通貨国はドル・ユーロ・円貨など基軸通貨を使うため国の借金が多くても自国の通貨で返すことができる。しかし、非基軸通貨国の貨幣は国際的に通用せず、国の借金が増えれば基軸通貨国より危険だ。

昨年、韓国のGDP対比政府負債比率は日本(252.4%)、米国(122.1%)、ドイツ(64.3%)などG7(7カ国)より低く、比較的健全な水準と見ることができる。 しかし、韓国が非基軸通貨国ということを勘案すれば、今後の困難が加重される可能性がある。 これまで韓国の財政健全性を肯定的に評価してきた国際信用評価会社のフィッチが先月末、韓国の国家債務が短期間に急速に増加し、50%を超過したと言及し、韓国の財政が国家信用等級評価でこれ以上プラス(+)要因ではないと明らかにしたことがある。

(中略)

また同日、ブルームバーグ傘下の研究機関であるブルームバーグ・インテリジェンス(BI)によると、GDP対比政府負債比率は2030年ごろ70%を記録した後、2045年には100%に達する見通しだ。韓国の国家債務の上昇傾向はさらに激しくなり、2050年頃には120%に達するものとみられる。

BIは急速な人口高齢化と低出生の影響で労働力が減少し、韓国の税収は不振な流れを見せる反面、社会保障・医療サービス費用は増加し、20年内に政府負債が問題として浮上する可能性があると見た。

(後略)



朝鮮日報「나랏빚 늘어나는 속도, 비기축통화국 중 2위로(国家債務の増加速度、非基軸通貨国の中で2位に)」より一部抜粋

「8大準備通貨」が何を指すのか分かりませんが...IMFのSDR(国際準備資産の特別引出権)に指定されている5つの通貨(米ドル、ユーロ、日本円、英ポンド、人民元)とスイスフランと、資源通貨である豪ドル、カナダドルあたりのことかしら?

それはともかく、この状況で韓国は今年も税収不足が深刻です。まだ上半期も終わっていないというのに、すでに企画財政部長官が国家財政戦略会議の場で、来年度の予算案について「新規増額事業が事実上不可能」と話しています。また、第1四半期だけで75.3兆ウォンの赤字が出ています。
経済政策をやりたくても出来ず、「自主的」を名目に金融機関に一部自営業者向けローンの金利を肩代わりさせるのも、半導体支援をしたくても出来ず、民間投資(半導体メガクラスタ)を発表するだけなのも無い袖は振れないからです。また、多少無理してでも振ろうとしないからです。
国内経済が大変なときほど、国が無理を引き受けないといけないと思うんですけどね...。今無理しなかった(出来なかった)ことが、そのうちジワジワと効いてくるかもしれません。