基準年変更でGDPアップ…しかし家計負債は変わらず世界1位という話

各種統計の基準年を2015年から2020年に変えることで韓国のGDPが韓国銀行基準で一気に増えました。これにより世界第14位から12位に上がったそうです。
また、各種財政指標もGDP比をベースにしたものは一気に改善しました。家計負債においては一気に6.9%も下がり変更前の100.4%から93.5%になりました。今回の基準年度改定により、「家計負債が100%台を超えたことは一度もなくなる」ということになります。(これもある意味過去改変?)
しかし、あくまでGDP比においてパーセンテージが低下したというに過ぎず、全体規模が減ったわけではありませんので、意味があるのかわかりません。また、家計負債がGDP比率で93.5%になったところで世界一は変わりません。

 



デジタルタイムズの記事からです。

韓国の家計負債比率、世界1位...新基準を適用しても変わらず


(前略)

9日、韓国銀行と企画財政部によると、昨年末基準で韓国のGDP対比家計負債比率は93.5%を記録した。基準年度を2015年から2020年に変更したことにより100.4%から6.9%ポイント(p)低くなった。GDP対比企業負債比率も122.3%から113.9%へと8.4%p下落した。

家計負債と企業負債の規模はそのままだが、基準にした昨年の名目GDP規模が2236兆ウォンから2401兆ウォンに増加したためだ。

負債比率は他の国に比べて依然として高い水準だった。国際金融協会(IIF)の統計によると、昨年末基準で韓国のGDP対比家計負債比率は新基準年度によっても世界34ヵ国(ユーロ地域は単一統計)の中で最も高かった。GDPが大幅に増えた後も同じ結果であるわけだ。

(中略)

ひとまず韓国のGDP対比家計負債比率は、今回の基準年度改編によって100%台を越えたことが一度もなくなった。新しい基準によると、2021年末基準で98.7%が歴代最高値だ。以後、2022年末に97.3%、2023年末に93.5%などに下落した。基準年度改編前の従来の最高値は2021年末の105.4%だった。

(後略)



デジタルタイムズ「韓가계부채 비율, 세계 1위…새 기준 적용해도 여전해(韓国の家計負債比率、世界1位...新基準を適用しても変わらず)」より一部抜粋

ムン政権化で統計歪曲の疑惑がありました。こちらは政府債務の話でしたが。
しかし、今回のは「基準年を変える」です。これは合法的に統計をイジるとも取れます。
もちろん、こうしたこと(基準年変更)は他国でも行われていることではありますけれども、今までの統計データとあまりにもかけ離れた結果が出た場合は慎重に評価されるべき部分だと思います。指標は連続したデータから分析されないと意味がないですからね。